シリーズー皇位継承は新時代にふさわしい簡素で親しみやすく (その1)
8月1日、政府は2019年に予定されている現天皇の退位と新天皇の即位を円滑に進めるため内閣府に皇位継承式典事務局を開設した。また憲法上の象徴となる上で最も重要な「即位礼正殿の儀」(即位の礼、2019年10月22日)に多くの王室、元首級を含む外国賓客が訪日することが予想されるため、外務省内に「即位の礼準備事務局」を発足させた。
天皇陛下の交代が円滑に行われることを願っているが、同時に関連式典の在り方や天皇の公務の在り方、年号の使い方、更には京都御所の復活による東西日本のバランスある発展などについて、新しい時代、グローバル化する国際関係にふさわしい簡素で分かりやすいものにすることが望ましい。
1、皇位継承は国民レベルの日常が過度に影響されない式典で
現行天皇の退位、新天皇の即位は多くの国民にとって関心のあることではあるが、皇位継承自体は皇室典範に基づく宮中での皇族内の行事であると共に、神器の継承等など宗教行事が関係することから、皇室会議メンバー(三権の長が含まれる)の参加の下で、簡素に行われることが望まれる。国民に対してはメデイアを通じて知らせることで十分であろう。
「即位礼正殿の儀」(即位の礼)については、憲法上新天皇が国民の統合の象徴となることから、その趣旨に沿った身近に感じられる式典とすることが望まれる。しかし「国家元首」ではなく、また「国家」統合の象徴でもないので、在京の諸大使の参列を中心とし、海外からの賓客については基本的には皇室と関係の深い王室や希望がある場合は政府要路等で十分であり、権威的で国民から遠くなるような式典とすべきではないのではないだろうか。
昭和天皇の崩御に際しては、崩御前年の秋ごろに容体が悪化し、それを心配して「歌舞音曲は控える」という注意が国民レベルで守られ、「時節柄」という表現が流行し、年末でありながら飲食店やカラオケ店等の娯楽施設から客が遠のき、翌年1月に崩御されると喪に服するため「歌舞音曲は控える」ことが国民レベルで徹底され、繁華街から客が遠のき、タクシーの列が短くなるなど、「時節柄」が慣例化し、バブル経済崩壊に拍車を掛けるなど、国民生活に過度な影響を
与えた事例がある。このようなことを繰り返すべきではなかろう。
また大喪の礼では、厳寒の中各国首脳等を長時間拘束したことが疑問視された。
2、西暦年号使用の一般化
運転免許証の有効期限の表記を現在の元号から西暦に変更されることになるらしい。2019年春以降にも実施される見通しだ。複雑な年号と西暦との換算に悩まされている国民にとっては、制度の簡素化の上で久々の朗報だ。
保守的と見られている警察庁が8月2日、変更方針を明らかにしたもので歓迎したい。実際は3年の有効期限とすると、2019年の皇位継承により新天皇が即位するまで元号は明らかにされるまでは、有効期限を元号では記載できない時期があるからだろう。一方国税庁は、2019年10月からの消費税再々増税に関連し、アルコールなどを除く飲食料品や新聞については軽減税率が適用されるとしてパンフレットを事業主などに送付して来ている。再々増税を当然視しており、フライイングとも思われるが、これに関連して「平成35年10月から導入される適格請求書等保存方式」なるものをこまごまと説明している。平成35年10月?? 無いでしょうそんな年。更に平成38年など無い年号を記載しており、省庁での対応の混乱を示している。
公的機関への有効期限付きの各種の申請書や提出書類の日付から個人の履歴書などなどにも同様の問題が起こる。
そもそも多くの国民は複数の年号を経るので元号表記は煩雑で、そのために費やす手間暇は可なりのもので、超高齢化の時代では更に煩雑な作業が必要となる。時間の喪失感は無視できないほどで、社会的な損失も大きい。
日本にはこの種の伝統や慣習が多くある上、法律、規則で公的機関への提出文書を細部まで定めていることが多い。一方日本人は良く働き、残業も多く、夏季休暇が短い上休暇も返上して働くのに、労働生産性は欧米諸国が加盟するOECD 35カ国中20位(37年連続という醜態)、先進7カ国中では40日程度は夏季休暇を取るイタリア、フランスよりも低く最下位だ。
要するに日本人は労働時間が長いのに反して賃金、役員報酬がおしなべて低いということに尽きる。では何故そんなに労働時間が長いのか。その大きな理由の一つが、元号の換算や箸の上げ下げまで規定する規則ずくめの制度にある。米国はじめ多くの国が、日本は市場参入が難かしい、投資し難い、非関税障壁があるのではないかなど、市場の開放性に疑問に思っている。確かに日本人でありながら新規に何かをしようとすると制度や申請書類などが細かく複雑で大変だ。行政書士や代行業が流行るのもうなずける。古い慣習や制度を、新規の法律、制度の導入時や20年毎など一定期間で廃止することを義務付けるなど、簡素化して行かないと、労働生産性も上がらないし、市場参入などへの阻害要因がアルバム式に増えることになる。
古い制度や規則を時代の変化に伴い漸次廃止していく意識と努力が必要だ。元号はその一つで、西暦年号の使用を一般化すべきだ。元号の使用(その場合必ず西暦年を併記)は、宮中行事などを中心とすることで伝統はで十分維持できる。
3、天皇の「公務」の軽減によるご負担の軽減 (その2)
4、歴史に基づいた京都御所の復活と江戸城の再興による東西のバランスある発展(その3)
(2018.8.11.)
8月1日、政府は2019年に予定されている現天皇の退位と新天皇の即位を円滑に進めるため内閣府に皇位継承式典事務局を開設した。また憲法上の象徴となる上で最も重要な「即位礼正殿の儀」(即位の礼、2019年10月22日)に多くの王室、元首級を含む外国賓客が訪日することが予想されるため、外務省内に「即位の礼準備事務局」を発足させた。
天皇陛下の交代が円滑に行われることを願っているが、同時に関連式典の在り方や天皇の公務の在り方、年号の使い方、更には京都御所の復活による東西日本のバランスある発展などについて、新しい時代、グローバル化する国際関係にふさわしい簡素で分かりやすいものにすることが望ましい。
1、皇位継承は国民レベルの日常が過度に影響されない式典で
現行天皇の退位、新天皇の即位は多くの国民にとって関心のあることではあるが、皇位継承自体は皇室典範に基づく宮中での皇族内の行事であると共に、神器の継承等など宗教行事が関係することから、皇室会議メンバー(三権の長が含まれる)の参加の下で、簡素に行われることが望まれる。国民に対してはメデイアを通じて知らせることで十分であろう。
「即位礼正殿の儀」(即位の礼)については、憲法上新天皇が国民の統合の象徴となることから、その趣旨に沿った身近に感じられる式典とすることが望まれる。しかし「国家元首」ではなく、また「国家」統合の象徴でもないので、在京の諸大使の参列を中心とし、海外からの賓客については基本的には皇室と関係の深い王室や希望がある場合は政府要路等で十分であり、権威的で国民から遠くなるような式典とすべきではないのではないだろうか。
昭和天皇の崩御に際しては、崩御前年の秋ごろに容体が悪化し、それを心配して「歌舞音曲は控える」という注意が国民レベルで守られ、「時節柄」という表現が流行し、年末でありながら飲食店やカラオケ店等の娯楽施設から客が遠のき、翌年1月に崩御されると喪に服するため「歌舞音曲は控える」ことが国民レベルで徹底され、繁華街から客が遠のき、タクシーの列が短くなるなど、「時節柄」が慣例化し、バブル経済崩壊に拍車を掛けるなど、国民生活に過度な影響を
与えた事例がある。このようなことを繰り返すべきではなかろう。
また大喪の礼では、厳寒の中各国首脳等を長時間拘束したことが疑問視された。
2、西暦年号使用の一般化
運転免許証の有効期限の表記を現在の元号から西暦に変更されることになるらしい。2019年春以降にも実施される見通しだ。複雑な年号と西暦との換算に悩まされている国民にとっては、制度の簡素化の上で久々の朗報だ。
保守的と見られている警察庁が8月2日、変更方針を明らかにしたもので歓迎したい。実際は3年の有効期限とすると、2019年の皇位継承により新天皇が即位するまで元号は明らかにされるまでは、有効期限を元号では記載できない時期があるからだろう。一方国税庁は、2019年10月からの消費税再々増税に関連し、アルコールなどを除く飲食料品や新聞については軽減税率が適用されるとしてパンフレットを事業主などに送付して来ている。再々増税を当然視しており、フライイングとも思われるが、これに関連して「平成35年10月から導入される適格請求書等保存方式」なるものをこまごまと説明している。平成35年10月?? 無いでしょうそんな年。更に平成38年など無い年号を記載しており、省庁での対応の混乱を示している。
公的機関への有効期限付きの各種の申請書や提出書類の日付から個人の履歴書などなどにも同様の問題が起こる。
そもそも多くの国民は複数の年号を経るので元号表記は煩雑で、そのために費やす手間暇は可なりのもので、超高齢化の時代では更に煩雑な作業が必要となる。時間の喪失感は無視できないほどで、社会的な損失も大きい。
日本にはこの種の伝統や慣習が多くある上、法律、規則で公的機関への提出文書を細部まで定めていることが多い。一方日本人は良く働き、残業も多く、夏季休暇が短い上休暇も返上して働くのに、労働生産性は欧米諸国が加盟するOECD 35カ国中20位(37年連続という醜態)、先進7カ国中では40日程度は夏季休暇を取るイタリア、フランスよりも低く最下位だ。
要するに日本人は労働時間が長いのに反して賃金、役員報酬がおしなべて低いということに尽きる。では何故そんなに労働時間が長いのか。その大きな理由の一つが、元号の換算や箸の上げ下げまで規定する規則ずくめの制度にある。米国はじめ多くの国が、日本は市場参入が難かしい、投資し難い、非関税障壁があるのではないかなど、市場の開放性に疑問に思っている。確かに日本人でありながら新規に何かをしようとすると制度や申請書類などが細かく複雑で大変だ。行政書士や代行業が流行るのもうなずける。古い慣習や制度を、新規の法律、制度の導入時や20年毎など一定期間で廃止することを義務付けるなど、簡素化して行かないと、労働生産性も上がらないし、市場参入などへの阻害要因がアルバム式に増えることになる。
古い制度や規則を時代の変化に伴い漸次廃止していく意識と努力が必要だ。元号はその一つで、西暦年号の使用を一般化すべきだ。元号の使用(その場合必ず西暦年を併記)は、宮中行事などを中心とすることで伝統はで十分維持できる。
3、天皇の「公務」の軽減によるご負担の軽減 (その2)
4、歴史に基づいた京都御所の復活と江戸城の再興による東西のバランスある発展(その3)
(2018.8.11.)
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