自民執行部に内部批判の嵐 公然と「大島幹事長更迭を」
2010年4月2日4時23分
なんとか党首討論を乗り切った谷垣禎一自民党総裁を待っていたのは強烈な執行部批判だった。1日の「参院選必勝のための全議員懇談会」では、「古い自民党」からの脱皮を求める声が噴出。谷垣氏の歯切れは悪く、「ガス抜き」にはならなかった。
「派閥は『変えられない自民党』の象徴だ」。2時間半に及んだ懇談会で約50人が発言したが、目立ったのは派閥解消論だ。民主党政権が迷走しているにもかかわらず、自民党の支持も回復しない。参院選が迫るなか、新しい自民党を見せるには派閥解消が手っ取り早いというわけだ。
だが、谷垣氏は「派閥をいらないと思う人は派閥を出ればいい」と言うのみ。
そんな声を尻目に、この日も各派閥は会合を開催。最大派閥の町村派は参院選の支援態勢を確認。
古賀派の古賀誠会長はあいさつで「解消する気はない」と言い切った。
懇談会では執行部刷新要求も相次いだ。党首討論で攻めの姿勢が目立った谷垣氏本人の交代論こそ出なかったが、大島理森幹事長が矢面に。「参院選まで一心同体だ」とかばう谷垣氏に、中堅が「泣いて馬謖(ばしょく)を斬(き)るという言葉もある」と更迭を促すかのような場面もあった。
ベテランからも「古い自民党」に批判が出た。中川秀直元幹事長は「党首討論で郵政民営化を取り上げなかったのが最大の不満だ」と主張。民営化を見直す民主党との対立軸を示さないのは、党内の「抵抗勢力」への気兼ねからでは、と言わんばかりだった。
結局、この日執行部が示した対応は、参院選対策の役職への若手の起用と、月1、2回の議員懇談会の定例化だけ。
懇談会には、執行部を批判する与謝野馨元財務相や舛添要一前厚生労働相の姿も見えなかった。
執行部は舛添氏の選対幹部起用を検討するが、舛添氏は応じない考えだ。
谷垣氏は1日の記者会見で、報道陣にも公開する懇談会について「民主党でやってますか?」と意義を強調。党内には「結束の核も示せずまとまれというなら、懇談会で総裁が土下座すべきだ」(若手)との強硬論も出ている。