つまみには目が無い

桜の花びらの絨毯には
これといって興味がないようだったので

ほら桜の花びらだよ、と差し出してみたら

あろうことか、ぱくりと食べてしまいました!!

常日頃、小さなおやつは
指でつまんで食べさせることが多いので

つまんだ形で差し出されたものは
食べ物かもしれないと、思ったのでしょうか。

家の中でも
カーペットに落ちているゴミを拾っただけなのに

それをつまんで持っている私の指先に
異常に興味を示すCocoさん。

なに。なに、それ。

いや、ただの糸くずです。
ゴミ箱に捨てるのよ。

ほんと？
待て待て。
一応チェック。
食べ物かもしれないから。

などと意地汚いことをしたおかげで
ゴミが口元についてしまいました。

なんのこれしき。
そんなことを気にして、ためらっていたら
おやつを食べ損ねるかもしれないではありませんか!

それ、なに。
今度こそ、おやつでしょ。

隠さないで、いいからちょっと、見せてごらんなさい。
見せてごらんなさいってば!!

いや、ゴミだったら！

少しは信用したらどうですか。

かくして。

同じ失敗を繰り返す


Cocoさんです。

 

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苦労して運んだ理由

公園に行くと、ほどよい木の枝を見つけてかじるのが
Cocoさんの趣味。

いつもならその場で
がじがじと歯型をつけて満足するのですが

今日はなぜか突然
「これを持って帰りましょう」と
無謀なことを思いつきました。

それはちょっと長いんじゃないの。
と指摘するも
「大丈夫。ほら、どっこいしょ」

「こ、こんな感じでどうよ・・・」

しかし足元がふらついています。

この公園から家までは、
けっこう距離がありますよ。
その長さの枝を持ち帰るのは
無理があります。

・・・なら仕方ないねぇ。

あきらめて周囲を物色。
ちょっと短めの枝を見つけ出しました。

「ほら。これならどうよ。
持って帰れそうでしょ」と得意顔。

前脚でしっかり抑えて
「持って帰りますからね」
ときっぱり。

えっちらおっちら。

それでもちょっと、長いねえ。
しかし弱音は吐けません。

駐車場で一休み。

えっさほいさ。
行きかう人が、笑います。
なんで笑ってるんでしょうねぇ、失礼な。

きっとあなたの木の枝が、羨ましいんですよ。
なぁんだ、そうか。ならいいや。

ああ疲れた。足元に大切な枝を置き、
道端のタンポポを鑑賞して、
つかの間疲れを癒します。

もうすぐ着く？まだまだなの。
ひえぇ、けっこう遠いねえ・・・。

ところが、あと少しで家に着く、というところで
ふいにCocoさんは木の枝を放り出してしまいました。

そしてそのまま、
「さあ、帰りましょう」と促します。

ふと見れば、そこは！

えっえっ。そうなの。

ここまで苦労して木の枝を運んできたのは
どうやらゴミ捨て場に捨てるためだったよう。

納得がいかないけれど
結果だけを見れば、そうとしか考えられません・・・。

Cocoさんの謎の行動でした。

 

 

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わんこには向かない職業

体が柔らかいのだから
バレリーナをめざそうかしら。

ある日Cocoさんはふと思い立ちました。

こんな風にさっと片手を伸ばしたり

両手を上に上げるポーズだって決まっていますし

足が頭に届きそうなくらい背中をそらすことだってできます。

後ろ足の真ん中あたり、
この出っ張りが、実はわんこのかかとなんだそう。

つまりわんこは常に、つま先立ちをしているわけで、
こんなところにも、バレリーナになる素質がひそんでいるのです。

これはもう、プリマをめざすしかないでしょう!!
プリマハムではありませんよ。
プリマバレリーナです。

ではさっそく、レッスンレッスン。

足を、くいっと後ろに上げます。
それアン・ドゥ・トロア

さらに高く。高く。
アン・ドゥ・トロア
どうです。なかなかやるでしょう。
ぴーん。

回転するのは難しいので
頭を勢いよく振って
回転しているように見せかけます。

男女ペアで踊るときは
男性が女性を持ち上げるリフトが
華やかでいいですね。

・・・あれ、プリマだったはずのCocoさんが
なぜか、ぞうさんを持ち上げていますよ・・・。

なにはともあれ
あとは二本足で立つことができれば
カンペキですね。
上手っ!!

 

それができるようになったら、
私がチュチュをプレゼントしましょう。

 

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隙ありっ!!

今日のCocoさんは、ぞうさんと決闘ごっこ。
Cocoさんの、いろいろな表情が見られます。

Cocoさんの武器は鋭い牙。
ぞうさんの武器は鼻鉄砲です。

お互いに、手加減は無しですよ。

見合って見合って・・・。
決闘のはずが、お相撲のような始まり方。

はっけよい、のこった!!

鼻鉄砲にかぶりつくつもりが

いつの間にか背中に回りこまれ
銃口を突きつけられてしまいました。

これは、Cocoさんの負け。
「し、しまった・・・」
Cocoさんの顔が、悔しさにゆがみます。

ではもう一度。

今度は下から挑みましたが

やっぱり気がつくと
ぞうさんの鼻鉄砲は、まっすぐCocoさんを狙っています。

何度やっても、駄目。

「ぞうさんは、強いねえ。
とてもかなわないよ」

Cocoさんは素直に認めると見せかけて・・・

「あっ。あれは何？」

「えっ。なに。どこどこ」

ぞうさんが気をとられた隙に

かぷっっ。

ちょっぴり卑怯な手を使ってしまいましたが
やっと、ぞうさんの鼻鉄砲を
仕留めることができました。

「やったやった」
とCocoさんはおおはしゃぎ。

「なんだぁ。Cocoさん、ずるいぞー。
えーい、こうしてやる。こちょこちょこちょ」

「きゃー。やめてやめて。あははあはは」

結局のところ
大の仲良しの、二人です。

 

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花のようなわんこ

Cocoさんの暮らす街では
ソメイヨシノはもう終わってしまって
今は名残の花びらが、絨毯として残るだけになってしまいました。

けれど我が家の前の公園のヤマザクラは
今が満開。

さらにCocoさんの目線になれば
春の花があれこれ、目を楽しませてくれます。

菜の花

パンジー

たんぽぽ。

ベゴニア。

思わずうっとりと目を細めるCocoさん。

「花はまるで私のようだわ・・・」とひとりごと。

どこのところが、ですか。

「だって、ほーら。この姿の美しさ。

よそこわんこが近づいてこないのは
私が『高嶺の花』だから・・・」

そうなんですか。
よそのわんこが集っているとき
少し離れた所でうずくまっているあなたは
どう見ても『壁の花』ですけどね。

しかしCocoさんは、平然と続けます。

「『きれいな薔薇にはとげがある』という言葉通り
『きれいなわんこには牙がある』
こんなところも、私が花のようである証・・・」

 

・・・・・・

言いたいことはいろいろありますが
それは『言わぬが花』ですね。

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