8/19のNHK午後7時ニュース:命を守る日本版GPS衛星「みちびき」3号機打ち上げに成功
図面とスクリプトを記録します。
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スクリプト開始:
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打ち上げが延期されていた日本版GPS衛星「みちびき」の3号機は、19日午後2時29分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの35号機で打ち上げられました。ロケットは順調に飛行を続け、およそ28分後の午後2時57分ごろ、予定の軌道に「みちびき」を投入し、打ち上げは成功しました。
日本版のGPS衛星「みちびき」の3号機は19日午後2時29分に鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケット35号機で打ち上げられました。
ロケットは1段目のメインエンジンに点火したあと、4本の補助ロケットにも点火し、ごう音とともに発射台を離れました。
そして燃焼を終えた補助ロケットや1段目を切り離したあと、2段目のエンジンで飛行を続け、打ち上げからおよそ28分後の午後2時57分ごろ、高度420キロ付近で予定の軌道に「みちびき」を投入し、打ち上げは成功しました。
「みちびき」は来年春に本格運用が始まると、GPSの位置情報の誤差を現在の10メートルほどから数センチにまで縮め、建設機械の自動運転など社会のさまざまな分野で新たなサービスが展開できると期待されています。
また災害時には被災者を救援するのに必要な情報をみちびき経由でやり取りし、迅速な救援活動に役立つと見られています。
津波予測をより早く正確に
「みちびき」が本格的に運用されれば、誤差数センチという正確な位置情報を利用して津波の予測をより早く正確に行えるようになると研究が進められています。
津波の予測には地震の規模や位置のほか、沖合いに設置されたGPS波浪計の観測データが用いられています。気象庁によりますと、6年前の東日本大震災の際にも岩手県釜石市の沖合い20キロに設置したGPS波浪計が高さ6.7メートルの津波を捉え、当初、地震の規模や位置から宮城で6メートル、福島と岩手で3メートルとしていた到達する津波の高さの予想を宮城では10メートル以上、福島と岩手では6メートルに引き上げることができました。
気象庁の西前裕司津波予測モデル開発推進官は「GPS波浪計の結果を見て、当初予想した波の高さは過小だったと、引き上げないといけない津波だということがわかった。重要なデータだった」と話しています。
しかし、このGPS波浪計には位置情報の精度を高める地上設備との関係から、沖合い20キロまでしか設置できないという限界があります。
津波監視の研究を続けている東京大学地震研究所の加藤照之教授によりますと「みちびき」を使えば20キロという限界に縛られることなく海上にGPSを使った津波計が設置できるため、津波を地震直後の段階から直接捉えることも可能になり、より早く正確に警戒を呼びかけられるようにできるということです。
加藤教授は「東日本大震災の教訓から、沖合20キロでは十分に役には立たない可能性が出てきていて、津波をなんとか地震発生直後から捉えたいと考えている。みちびきの位置情報とGPS波浪計を組み合わせれば、津波の情報をリアルタイムに観測できるので、被害を軽減するのに有効だ」と話しています。
災害時の通信にも効果
「みちびき」の3号機には災害時に地上の通信手段が使えなくなっても避難所にいるけが人の数や個人の安否情報など、救援活動に不可欠な情報を自治体に送るための設備が搭載されています。
「みちびき」の3号機には直径3.2メートルのアンテナが搭載されていて、災害時に避難所に配られた専用の端末から情報を入力すると「みちびき」を経由して、救援活動を行う自治体に情報を届けることができます。
情報は個人の安否情報のほか、避難所にいる人の数やけが人の有無、また妊娠中の女性や介護が必要な人の人数が入力できるようになっていて、パソコン画面の地図上に避難所の位置とともに表示するなどして活用できる仕組みです。
東日本大震災では携帯電話やインターネットなど、地上の通信手段が使えなくなり、数日間にわたって避難所の情報を把握できないケースもあったということで「みちびき」の3号機を利用すれば、災害時の救援活動を迅速に行えるようになると期待されます。
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スクリプト終了
国民の「命を守る」ための衛星であるということをより鮮明にしたスクリプトで、ニュースの説明が行われました。
図面とスクリプトを記録します。
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打ち上げが延期されていた日本版GPS衛星「みちびき」の3号機は、19日午後2時29分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの35号機で打ち上げられました。ロケットは順調に飛行を続け、およそ28分後の午後2時57分ごろ、予定の軌道に「みちびき」を投入し、打ち上げは成功しました。
日本版のGPS衛星「みちびき」の3号機は19日午後2時29分に鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケット35号機で打ち上げられました。
ロケットは1段目のメインエンジンに点火したあと、4本の補助ロケットにも点火し、ごう音とともに発射台を離れました。
そして燃焼を終えた補助ロケットや1段目を切り離したあと、2段目のエンジンで飛行を続け、打ち上げからおよそ28分後の午後2時57分ごろ、高度420キロ付近で予定の軌道に「みちびき」を投入し、打ち上げは成功しました。
「みちびき」は来年春に本格運用が始まると、GPSの位置情報の誤差を現在の10メートルほどから数センチにまで縮め、建設機械の自動運転など社会のさまざまな分野で新たなサービスが展開できると期待されています。
また災害時には被災者を救援するのに必要な情報をみちびき経由でやり取りし、迅速な救援活動に役立つと見られています。
津波予測をより早く正確に
「みちびき」が本格的に運用されれば、誤差数センチという正確な位置情報を利用して津波の予測をより早く正確に行えるようになると研究が進められています。
津波の予測には地震の規模や位置のほか、沖合いに設置されたGPS波浪計の観測データが用いられています。気象庁によりますと、6年前の東日本大震災の際にも岩手県釜石市の沖合い20キロに設置したGPS波浪計が高さ6.7メートルの津波を捉え、当初、地震の規模や位置から宮城で6メートル、福島と岩手で3メートルとしていた到達する津波の高さの予想を宮城では10メートル以上、福島と岩手では6メートルに引き上げることができました。
気象庁の西前裕司津波予測モデル開発推進官は「GPS波浪計の結果を見て、当初予想した波の高さは過小だったと、引き上げないといけない津波だということがわかった。重要なデータだった」と話しています。
しかし、このGPS波浪計には位置情報の精度を高める地上設備との関係から、沖合い20キロまでしか設置できないという限界があります。
津波監視の研究を続けている東京大学地震研究所の加藤照之教授によりますと「みちびき」を使えば20キロという限界に縛られることなく海上にGPSを使った津波計が設置できるため、津波を地震直後の段階から直接捉えることも可能になり、より早く正確に警戒を呼びかけられるようにできるということです。
加藤教授は「東日本大震災の教訓から、沖合20キロでは十分に役には立たない可能性が出てきていて、津波をなんとか地震発生直後から捉えたいと考えている。みちびきの位置情報とGPS波浪計を組み合わせれば、津波の情報をリアルタイムに観測できるので、被害を軽減するのに有効だ」と話しています。
災害時の通信にも効果
「みちびき」の3号機には災害時に地上の通信手段が使えなくなっても避難所にいるけが人の数や個人の安否情報など、救援活動に不可欠な情報を自治体に送るための設備が搭載されています。
「みちびき」の3号機には直径3.2メートルのアンテナが搭載されていて、災害時に避難所に配られた専用の端末から情報を入力すると「みちびき」を経由して、救援活動を行う自治体に情報を届けることができます。
情報は個人の安否情報のほか、避難所にいる人の数やけが人の有無、また妊娠中の女性や介護が必要な人の人数が入力できるようになっていて、パソコン画面の地図上に避難所の位置とともに表示するなどして活用できる仕組みです。
東日本大震災では携帯電話やインターネットなど、地上の通信手段が使えなくなり、数日間にわたって避難所の情報を把握できないケースもあったということで「みちびき」の3号機を利用すれば、災害時の救援活動を迅速に行えるようになると期待されます。
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スクリプト終了
国民の「命を守る」ための衛星であるということをより鮮明にしたスクリプトで、ニュースの説明が行われました。