全てを忘れるその日まで

~明日への遺書~

共ニユク

2020年03月02日 | 山歩記
全くすべてがうまくいかない


右と思えば左

上を向けば下


なんとも悪い運勢


こんな時はお山で厄落とし

 


プリウス停めて
 


向かった先は
 

 


龍良山

今日もここから登ります
 


ゆるい傾斜の原始の杜を

一人ゆるゆる歩きます
 

 

 

 

 

 


正面から

差し込む日差しがなんともきれい
 

 


心の振れ幅が大きなときは

やっぱりこの山…

 



朽ち果てていく樹々の亡骸に
 


自分の姿を重ね合わせ


未斧の杜を歩きます
 

 

 



杜を抜けて植林帯
 


過ぎて

龍良木槲鞍部着
 


ここから先は 

西風が強く吹き抜ける

岩と樹々の稜線
 

 

 

 

 

 


なにも思わず 考えず

ただ

足を交互に出しながら

前に上にと進んでいくだけ


見晴らしの大岩
 


超えて
 


青い

龍良山
 


山頂到着
 

 

 

 



穴の開きそうな胃はなにも受け付けそうになく

下したザックから取り出した
 


スノピのマグには
 


温かい緑茶…


戻さないようゆっくり胃の腑に流しこみ

渇いた喉を潤します



ポカポカ陽気の龍良山
 



こんな所にいては想像すら出来ないけど

先日ネットで目にしたある一文




全身硬ッテ力ナシ…



昭和24年、槍ヶ岳北鎌尾根で有元克己と共に遭難し、ついに帰らなかった松濤明の遺書の一文です

「何トカ湯俣迄ト思ウモ有元ヲ捨テルニシノビズ、死ヲ決ス」

自身の体力はある程度残っており、一人救助を求めに降りていれば自分だけは助かったかもしれないのに



…でも


彼は衰弱していく友と一緒に死ぬ道を選びます


 



もし


自分ならどうする


同じく生への執着を捨て友と骸を並べるか



 



あるいはひとり…



 





いや

もうすでに自分の答えは出ています



その友には

自分が辛かったとき

いっぱい助けてもらったから…





サイゴマデ タタカウモイノチ



 




友ノ辺ニ 

スツルモイノチ



 





友が私を必要とする限り

私はそのそばに居ようと思います…





 




共ニユク