翔とシャインの息子、大輝。妹もいます。父と母が正式に離婚した一年後の話。大輝は30才。父の浮気で家庭の崩壊が始まって14年後。この「愛情の行方」の最終話です。
父の浮気相手が父の新しい女だと勘違いして親類の女性を刺殺して13年。刑事事件に巻き込まれた高校生の頃。父は罪には問われなかったけれど、家族共々、社会的制裁を受けます。
その頃から大輝は人間の本性が色で見えるようになります。
父の女に刺殺されたあかりは、大輝に会った時然りに大輝の母シャインからもらった水晶の卵型のオーナメントを大輝に見せて来ていた。謎の行動です。その頃のあかりは持病の心の病が悪化していて「ここどこ?」だけしか話せない状態。
当時の大輝はモテる男の子で性格は父親似で少し軽い感じでした。
あかりが父の浮気相手に殺されて、人の本性が見えるようになった大輝は、他人と距離を置く大人になります。
父、翔が大好きで似ていると言われて嬉しかった。両親は仲が良くて幸せだった。家も裕福で妹はスカウトされるくらい可愛くて、自分も父に似て頭がよくてクォーターでモテる。持っていたものが、裁判によって父の仮面が剥がれていくにつれて幻だったと、まだ高校生の男の子が直面したのです。
大輝は、特に女性に対して慎重になります。「イノセントなものを探してる」が口癖です。
この物語は、大輝の彼女が主人公。マリという普通の28才。30までに結婚したい。大輝に付き合わない?と2年前に告って、付き合っていますが、大輝との付き合いは、遊びに行くだけ。手も繋がない大輝に焦りを感じています。結局、見切りをつけて自分を好きだと言ってくれる男性と付き合うことにします。
もう、会わないとマリが言うと大輝は「別れてくれてありがとう。幸せになってください」と言って飄々と離れていきます。
2年付き合ったとは言ってもマリは大輝の過去は知りません。