【ノーベル物理学賞】
「非常に光栄。ちょっとあの頭が真っ白なので、それ以上のことは何も言えないんですけど」-。6日夜、東京都文京区の東大で行われた記者会見は、梶田さんのそんな言葉で始まった。
グレーのスーツと青色のネクタイ姿で緊張した様子で会見場に姿を見せた梶田さん。待ち受けた大勢の報道陣のカメラのフラッシュに驚いた様子で、照れ笑いを浮かべた。
実験施設のスーパーカミオカンデは、岐阜県飛騨市神岡町にある。「神岡町の方が研究を温かく受け入れてくれた。神岡の鉱山の方にも感謝したい」と地元への感謝を繰り返し、スーパーカミオカンデのチームにも、「私が進めてきたニュートリノの研究は一人ではできない。結果として、私の名前を出していただいた」と謙虚に語った。
感謝の言葉は富山にいる妻の美智子さん(56)にも。「私が研究ばかりをやっていたのに、それを我慢して許してくれた。一番の支えだった」。
5日にノーベル医学・生理学賞を受賞し、「微生物に感謝したい」と語った北里大特別名誉教授の大村智さん(80)の言葉をなぞらえ、「ニュートリノに感謝したい。ニュートリノを作る宇宙線にも感謝したい」と、ユーモアたっぷりに語る場面もあった。
受賞の知らせを受け師匠の小柴昌俊東京大栄誉教授(89)にまず電話をかけた。「大学院に入ったときから、研究に関する全ての面で導いてくれた」と語った。
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