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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

農地・土壌のセシウム汚染濃度マップ公表 チェルノブイリ移住基準超 作付け制限区域外から高濃度検出

2011年08月30日 | 福島原発事故

 

 

 

毎日福島原発から放出され、日本中に拡散する放射性物質のことを想う度に、思い出す詩があります。

 


太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪ふりつむ 

 次郎を眠らせ 次郎の屋根に雪ふりつむ

                三好達治 「雪」



しんしんと降り積もる雪と、その中で、家庭のぬくもりに包まれ、すやすやと眠る子ども達を詠ったのであろう大好きな詩が、私のイメージの中では、毎日毎日降ってくる放射性物質=「死の灰」に置き換わってしまったのです。


 


8月29日、東京電力の福島第一原発の事故で、放出された放射性物質による土壌汚染の広がりを、農地に限らず詳細に調べた地図が公表されました。原発に近い一部の地点の土壌汚染は、IAEA=国際原子力機関が緊急事態の対応として一時的な住居の移転を求めるレベルを超えていることが分かりました。

地図は、文部科学省が6月から7月にかけて、福島県を中心に2200余りの地点で測定した、土に含まれる放射性物質の量などを基に作成したものです。

農林水産省が公表した農地の汚染は土1キログラム当たりですが、土壌の汚染は1平方メートル当たりの放射性セシウムの濃度で示されています。それによりますと、最も高い値を示したのは、福島第一原発から数百メートルに位置する大熊町の地点で、放射性セシウムの濃度が1平方メートル当たり2946万ベクレルに上っていました。

この値は、IAEAが緊急事態の対応として一時的な住居の移転などを求める放射性物質の濃度、1平方メートル当たり1000万ベクレルを超え、極めて高いレベルです。

福島第一原発と同じように土壌汚染が問題になったチェルノブイリ原発事故の場合、1平方メートル当たり55万5000ベクレルを超える区域で一時的な住居の移転が求められましたが、今回の調査では、こうした地点が、福島市や二本松市など、警戒区域や、計画的避難区域以外の地域にも広がり、34地点もあることが分かりました。

一方で、土壌汚染の度合いは、原発からの距離とは必ずしも一致せず、原発から北西方向や、福島市から栃木県の那須塩原市の方向に帯状に高い汚染地域が広がっていました。


 


放射性物質による農地の汚染状況を示した地図についていうと、コメの作付けが制限された地域以外でも、福島県伊達市や相馬市などの一部の畑で、放射性セシウムが1キログラム当たり5000ベクレルを超える高い濃度で検出されたことが分かりました。

公開された地図によりますと、コメの作付けが制限された地域以外でも、いずれも畑ですが、福島県内の4つの市と村の合わせて9か所で、制限の目安とされる、土1キログラム当たり5000ベクレルを超える放射性セシウムを検出されました。

このうち、伊達市霊山町下小国では8571ベクレル、いわき市川前町下樋売で6882ベクレル、大玉村大山では6856ベクレル、相馬市東玉野では5990ベクレルなどとなっています。

このほか、コメの作付けが制限されている地域では、水田を中心に、浪江町南津島や飯舘村長泥、それに大熊町野上などで、土1キログラム当たり2万ベクレルを超える放射性セシウムが検出され、深刻な汚染状況が改めて裏付けられました。




福島を除く各県の最高値は栃木県那須町3971ベクレル、宮城県丸森町2215ベクレル、千葉県流山市777ベクレル、群馬県東吾妻町688ベクレル、茨城県利根町632ベクレル-で、いずれも作付制限基準の5千ベクレルを下回ったというのですが、余り気持ちのいい話ではありませんね。

また、農地の調査は、福島、宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の6つの県の合わせて580か所の畑や水田から土を採取して分析し、地図にまとめたというのですが、これ以外の地域は本当に大丈夫なのか、誰にもわかりません。

 


もちろん、緊急かつ大規模な除染が必要なのは論を待ちませんが、福島原発から放射性物質が垂れ流されている間、まるで毎日の洗濯物のように溜まり続ける放射性物質を洗い続けなければなりません。

雪のように春が来たら溶けて消えてくれるわけでもないセシウム。

原発を推進してきた自民党や経産相や電力会社につくづく怒りを覚えます。

そして、34地点がチェルノブイリの移住基準を超えているのに、まだ、集団疎開の話はなにもなく、25年も前のそれも旧ソ連に負けている今の日本にも。

 

 

 

 

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 土壌のセシウム137の濃度分布を表したマップ。赤い印の地点の濃度が最も高く、以下、黄、緑と続く(文科省提供)

 

 文部科学省は29日、東京電力福島第1原発の100キロ圏内の約2200地点の土壌を採取して測定した放射性セシウムの濃度マップを公表した。福島県全域を含む広いエリアでの詳細な実測マップは初めて。半減期が約30年と影響が長期間残るセシウム137の最高濃度は、福島県大熊町で1平方メートル当たり1545万ベクレルだった。

 この地点の放射線量は毎時54・8マイクロシーベルトで、単純計算だと年間480ミリシーベルト。文科省は「除染も簡単ではなく、帰宅できない期間が長期化する恐れもある」としている。

2011/08/29 22:42 【共同通信】

 

 

 

土壌汚染、34地点がチェルノブイリ移住基準超

 東京電力福島第一原子力発電所事故で拡散した放射性物質による土壌汚染の状態を調べた地図がまとまり、29日に開かれた文部科学省の検討会で報告された。

 立ち入りが制限されている警戒区域や計画的避難区域で、チェルノブイリ原発事故での強制移住基準(1平方メートル当たりの放射性セシウム137が148万ベクレル)を超える汚染濃度が測定されたのは、6市町村34地点に上った。住民の被曝ひばく線量などを把握するのが狙い。菅首相が27日、「長期間にわたり住民の居住が困難になる地域が生じる」との見通しを示したが、それを裏付けた。

 測定結果によると、6月14日時点で、セシウム137の濃度が最も高かったのは、警戒区域内にある福島県大熊町の1平方メートル当たり約1545万ベクレル。セシウム134と合わせると、同約2946万ベクレルとなった。

 同300万ベクレル超となったのは、セシウム137で同町、双葉町、浪江町、富岡町の計16地点に上った。高い濃度の地点は、原発から北西方向に延びており、チェルノブイリ事故の強制移住基準を超える地点があった自治体は、飯舘村、南相馬市を加えた計6市町村だった。同省は約2200地点の土壌を測定した。

(2011年8月30日03時05分  読売新聞)

 

 

 

福島第1原発:土壌汚染マップ 大熊町でセシウム最高値

 文部科学省は29日、東京電力福島第1原発から放出されたセシウム137(半減期約30年)の蓄積分布を、原発からおおむね半径100キロ圏内で示した「土壌濃度マップ」を初めて作った。最も高かったのは、原発がある福島県大熊町で土壌1平方メートル当たり1545万ベクレル。南相馬市と富岡、大熊、双葉、浪江の各町、飯舘村の6市町村34地点で、チェルノブイリ原発事故(86年)の際に居住が禁止された同148万ベクレルを上回った。

 調査は6~7月、文科省と大学など94機関3企業が共同で約2200区画(1区画は2キロ四方)を調べた。1区画内の草も含め任意の場所で集めた5サンプルを混ぜて測定した。

 濃度分布の傾向は、文科省が同じ地点で測った空間線量や、航空機で測った空間線量から算出した地表の放射性セシウムの蓄積分布とほぼ一致した。マップ作成検討会主査の中村尚司・東北大名誉教授(放射線計測)は「直接測った今回のデータは除染作業の参考になる」と話した。

 また農林水産省は同日、福島、宮城、栃木、群馬、茨城、千葉県の農地における放射性セシウム(137と134)の濃度分布図を作った。調査対象は福島の360地点、他5県の計220地点の水田と畑。飯舘村や相馬市、南相馬市など福島県内の13市町村で、稲の作付けを制限する土壌1キログラム当たり5000ベクレルを上回る地点があった。今後3000地点まで増やして調査を続ける。

いずれも文科省ウェブサイト(http://radioactivity.mext.go.jp/ja/)で30日以降閲覧できる。【野田武】

毎日新聞 2011年8月29日 20時20分

 

 

福島の40地点で作付制限超える 放射性物質濃度分布

2011.8.29 23:01 産経新聞

 政府の放射線量等分布マップ作成検討会が29日、東京・霞が関の文部科学省で開かれ、農林水産省が農地土壌の放射性物質濃度の分布図を明らかにした。農水省が稲の作付制限対象区域を設定する際の基準とした「土壌1キロ当たり5千ベクレル」の放射性セシウム濃度を超えたのは福島県内の40地点で、面積は推計8300ヘクタールにのぼるという。

 調査は警戒区域を含む福島県内361地点と宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の各県計218地点の計579地点で実施。最も濃度が高かったのは福島県浪江町の水田で2万8041ベクレルだった。福島を除く各県の最高値は栃木県那須町3971ベクレル▽宮城県丸森町2215ベクレル▽千葉県流山市777ベクレル▽群馬県東吾妻町688ベクレル▽茨城県利根町632ベクレル-で、いずれも作付制限基準の5千ベクレルを下回った。

 


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驚嘆!チェルノブイリ移住基準を超える危険性のセシウム濃度 (cafe政府農水省調査の農地・土壌放射性物質汚染実態)
2011-08-30 14:38:59
 世界的には、広島・長崎原爆投下以後、多数の核兵器原爆実験、核物質製造など、被曝事故が相次いでいる。

 福島原発事故は、この中でも、最大の原発事故被曝だった、チェルノブイリ移住基準を超える。

 農地・土壌の汚染濃度は、非常に高い危険性を伴って、従来の政府、関係省庁調査実態、検査分析を、凌駕するものだ。

 今まで、菅直人総理大臣、その他関係閣僚、調査研究機関などは、日本の一般国民、住民らを騙して、「直ぐ健康に影響しないから、冷静に!」などと、沈静化に心掛けて来た。
 
 菅首相、枝野官房長官、新聞、TVなどが、広報に精出したが、「みーんな嘘だった」のだから呆れる。

 なお、これらは、文部科学省所管の放射性に関する法律に基づく、政府調査の3.11以来、実施されて来た一環で、まことに遺憾である。

 ケシカラン

 国民を社会実験の対象に、モルモット扱いをしてならない。
 
 当たり前でしょう?絶対に許せない!
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