衆院選(27日投開票)が15日公示。石破茂首相は直前に裏金議員を12人非公認にしたことで自民党内は混乱し、選挙の結果次第では石破おろしや退陣の可能性も出てくる。旧統一教会問題に切り込んできたジャーナリストの鈴木エイト氏に衆院選の注目ポイントを聞いた。

 一昨年の参院選時に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、旧統一教会と自民党との関係がクローズアップされ、初の国政選挙を迎える。

 2年たったことや裏金問題の発生で、旧統一教会の問題が取りざたされる機会は減少しているが、鈴木氏は「統一教会問題に関して終わっているワケでも、解明されているワケでもない。自民党側としては終わったこととして片付けたいでしょうが、現実はそうではない」と厳しい口調で語った。

 鈴木氏は改めて旧統一教会の問題を中心に、今回の衆院選を取材する。「前回の衆院選における内部資料からは、明らかに自民党と何かしら協議の上で統一教会が全面的に支援しているんじゃないかという疑いがある。そういうものも提示しつつ、有権者の投票判断の一つになるようなものにしていこうとは思っています」と意気込む。

 2022年に自民党が行ったアンケートで、衆参両院の所属議員379人のうち179人が教団と接点があったと回答。対応として今後、教団との関係を絶つとの誓約書の提出を求めた。

 現在の自民党と教団との関係について鈴木氏は「以前ほどではないにしても、完全に切れてはいない」と述べる。先日も山際大志郎元経済再生相の公設秘書が教団関係者であるという疑惑が報じられた。「自民党の国会議員、地方議員のもとにはまだまだ(教団関係者が)いるんじゃないかという疑惑は払拭できない」と指摘。また、調査について「自民党が中心となってやる調査だと限界があるし、第三者委員会とか外部を入れてやらないと意味がない」と苦言を呈した。

 今回、注目されるのが裏金問題で非公認となった議員だ。「公認を受けられなかった人の中にも、教団を頼るんじゃないかって言われる人がいたりする。知らない間に入り込まれちゃってた人には多少、同情はすべきですけど。ちゃんとして説明責任を果たしてない人には、有権者は厳しい目で投票判断に反映させるべきかなと思います」と述べた。