本日2015年11月1日、安倍首相、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領、中国の李克強(リーコーチアン)首相は、韓国ソウルの青瓦台(大統領府)で日中韓首脳会談を開きました。
この3カ国の首脳会談は2012年5月以来、実に約3年半ぶりのことで、安倍政権になってからは初めてのこと。
安倍政権に批判的な人は何とかして腐そうとするかもしれませんが、これは同年12月に発足した安倍政権にとって最大の外交的成果と言えるでしょう。
なぜなら、緊張を緩和し、戦争の可能性を一ミリでも減らすことが、外交の最大の目的だからです。
こんなテーブル見たことないです。まさに3国交渉って感じ。凄いですね!
また、保守的な人は、3国の共同声明に
「過去の歴史を直視する」
という文言が入ったことや、明日の日韓首脳会談で「従軍慰安婦」の問題が取り扱われるであろうことを警戒されるかもしれません。
でも、過去の歴史があるからこそ、今があり、未来があるのです。
未来志向であればあるほど、過去の歴史の直視は必要な事なんです。
受け入れてください。
この会談の冒頭、議長国である韓国の朴大統領は、
「世界経済成長のけん引車ともいえる東北アジア地域において、政治・安全保障の面における葛藤と反目をもたらす問題を解決できずにいて、協力の潜在力が十分に発揮できずにいる。
きょうの会議をきっかけに3か国協力を正常化し、東北アジア地域において平和と協力の秩序を立てていくことを期待する」
と述べました。
続いて安倍首相は、
「今回のサミット開催によって、日中韓プロセスは正常な状態に戻った。
サミット定例開催への回帰を日本として支持する。
3首脳で建設的な議論を行い、3か国の国民、また地域の人々にとって、また地域の人々のためになる大きな成果を得て、来年の日本でのサミットにつなげていきたい」
と述べました。
中国の李首相は、
「3か国は、グローバル経済の発展、地域の安定に対して重要な影響力を持つ国で、協力すれば大きな役割を果たすことができる。
しかし、協力というものは歴史などの敏感な問題を善処する上で成り立つ。
しかし、一部の国の間では、いまだに深い理解が成り立っていない。われわれはその相互理解を進めたいと思っている」
と述べ、日本をけん制しました。
共同記者会見に臨む各国首脳。
終了後の共同記者会見で、朴大統領は首脳会談を年1回の開催で再び定例化するほか、交渉が難航している日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉加速化、北朝鮮に対して引き続き非核化を促すことなどを明記した共同宣言を取りまとめたことを明らかにしました。
この会談を契機に、継続して日中韓の協議が進み、北朝鮮の非核化を含めて東アジアの緊張緩和が進むことを切に望みます。
自由貿易協定(FTA)も特に中国と共通のルールができることになるのなら、意義があるのではないでしょうか。
来年は日本がホスト国になることになりました。
その時の政権がさらに平和外交を進める政権であってくれるといいのですが。
追記
ラディカルとリベラルの対話シリーズの森川文人弁護士からメッセージが。
これも一つの見方ですね。
「それぞれ内政の問題を抱えた政府が、ただパーフォーマンスで危機の演出をしたり、歩みよりの演出をしているだけでしょう。
とりわけゼネストで苦しむパククネの狼狽ぶり、朝鮮有事を控えた中国政府の画策(南沙での米帝国主義とのせめぎ合いも含め)。
そして、国会も開けない日本政府。
「誰がなんと言おうと素晴らしい」なんてちょっとピントがずれていると思うよ。
そもそも、安倍首相たちに何を期待するんだ?!」
これに対する私の返答。
「内政問題に目を向けさせないように、外の危機を演出するよりも、協調を打ち出す方が1万倍素晴らしいと思います。」
日中韓、FTA交渉加速で一致 首脳会議を定例化
- 2015/11/1 17:40 日本経済新聞
安倍晋三首相と中国の李克強首相、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は1日、韓国・ソウルで開いた約3年半ぶりの日中韓首脳会議で平和と繁栄に向けた共同宣言を採択した。3カ国の首脳会談を定例化し、来年は日本で開催することで合意した。日中韓自由貿易協定(FTA)について、交渉を加速していくことでも一致した。
安倍首相は首脳会談後の共同記者発表で、来年は日本が議長国を務める3カ国首脳会談を主催すると表明。「3年半ぶりの(今回の)サミットを通じ、3カ国による協力プロセスを正常化させることができたことは大きな成果だ」と述べた。
核実験やミサイル発射の構えをみせる北朝鮮については「挑発的な行動を自制し、非核化に向けた具体的な行動を取るよう3カ国で連携して北朝鮮に強く促していくことを首脳レベルで確認できた」と強調。両国首脳に北朝鮮による日本人拉致問題への協力を求めたことを明らかにした。
同時に「3カ国は地域の平和と繁栄、国際社会の安定に大きな責任を共有している。世界が直面する様々な課題について協力し、その責任を果たしていくことが期待される」と述べた。
議長国である韓国の朴大統領は「歴史を直視し、未来を向かって進むという精神を土台に、地域の平和と安全を実現するために努力していくことにした」と訴えた。
中国の李克強首相は「3カ国は一致して歴史を直視し、未来志向で歴史の敏感な問題を善処していく原則のもと協力を推進、発展させるべきだ」と指摘。「政治的な相互信頼のレベルを高めたい。相互信頼は歴史問題を含む大きな問題で共通認識を持つ大きな基礎になる」とも語った。
日中韓首脳会議の定例化確認 FTA交渉加速へ
この中でパク・クネ大統領は、3か国の首脳会議の定例化を確認したことを明らかにしました。また、安倍総理大臣は「日本、韓国、中国はお互いに隣国だ。隣国であるがゆえに難しい問題があるからこそ、首脳レベルで話し合うべきだと繰り返し述べてきた。経済的にも密接なつながりをもっており、大きな可能性を持っている。今回FTA交渉を加速することで一致した」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は北朝鮮については、「挑発行動の自制、安保理決議等の順守、非核化に向けた具体的行動を強く促すことの重要性を首脳レベルで確認したことは大きな成果だ。私からは最重要課題たる拉致問題について、中韓の理解と協力を要請した」と述べました。
そして、安倍総理大臣は「今回、3か国の協力プロセスが正常化させることができたのは大きな成果だ。前向きな議論をすることができた」と述べ、成果を強調しました。
パク大統領「歴史的な意義大きい」
そのうえで北朝鮮について、「朝鮮半島の平和と安定の維持は、共通の利益であり、北朝鮮の非核化の目標を堅持しなければならないことを再確認した。北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の早期再開のために、ともに努力していく」と述べ、北朝鮮の非核化に向けて3か国が一致して対処していくことを強調しました。
さらにパク大統領は、「今回の首脳会議で成し遂げられた成果を基に、今後も揺らぐことなく3か国の協力を発展させていく」として、日中韓3か国のFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を加速させることを含め、幅広い分野での協力を推進していく考えを示しました。
首脳会議 中国が歴史認識で日本をけん制
会議の冒頭、議長国・韓国のパク大統領は、「世界経済成長のけん引車ともいえる東北アジア地域において、政治・安全保障の面における葛藤と反目をもたらす問題を解決できずにいて、協力の潜在力が十分に発揮できずにいる。きょうの会議をきっかけに3か国協力を正常化し、東北アジア地域において平和と協力の秩序を立てていくことを期待する」と述べました。
続いて安倍総理大臣は、「今回のサミット開催によって、日中韓プロセスは正常な状態に戻った。サミット定例開催への回帰を日本として支持する。3首脳で建設的な議論を行い、3か国の国民、また地域の人々にとって、また地域の人々のためになる大きな成果を得て、来年の日本でのサミットにつなげていきたい」と述べました。
中国の李首相は、「3か国は、グローバル経済の発展、地域の安定に対して重要な影響力を持つ国で、協力すれば大きな役割を果たすことができる。しかし、協力というものは歴史などの敏感な問題を善処する上で成り立つ。しかし、一部の国の間では、いまだに深い理解が成り立っていない。われわれはその相互理解を進めたいと思っている」と述べ、日本をけん制しました。
一方、安倍総理大臣は共同記者発表のあと、午後6時すぎから中国の李首相との首脳会談に臨むことにしています。日中首脳会談が行われるのは、ことし4月に、インドネシアで、安倍総理大臣と習近平国家主席が会談して以来、半年ぶりのことになります。
[ソウル 1日 ロイター] - 日本、中国、韓国は1日、約3年半ぶりとなる3カ国首脳会談で、交渉が難航している日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉を加速し、朝鮮半島の非核化に向け、北朝鮮に6カ国協議への復帰を求めることで合意した。安倍晋三首相と中国の李克強首相、韓国の朴槿恵大統領が共同宣言を採択した。
会談では「歴史を直視し、未来に向かって進む精神」との認識のもとで協力関係を構築することを確認。共同宣言には、3カ国によるFTA交渉の進展へ努力することや、朝鮮半島の緊張を高めるあらゆる行為に反対すると同時に、北朝鮮を念頭に、核開発をめぐる6カ国協議に復帰するよう促す文言も盛り込んだ。
首脳会談は同日午後2時からソウルの青瓦台で始まり、約1時間半で終了した。会談後の記者会見で、安倍首相は「非核化に向けた具体的な行動を取るよう3カ国の首脳レベルで連携し、強く促すことが確認できたのは大きな成果」と語った。中国の李首相、韓国の朴大統領に対して拉致問題への協力を要請したことも明らかにした。
日中韓の3カ国会談は08年から毎年開催してきたが、尖閣諸島の国有化に伴う日中の関係悪化で開催できない状況が続いていた。会談で、3首脳は定期的な協議の場を設けるとともに、来年、日本で会談を開催することでも一致した。
(山口貴也、竹中清 編集:石田仁志)
これは納得。
対話が完全に無くなってしまったら、戦争一直線ですからね。
国際情勢は、一寸先は闇で、米英の仲であってもどうなるか分かりません。
日中の首相と主席が、居酒屋で飲む仲になるなんて、誰も信じないでしょうが、英中の首相と主席は、その仲になったようで。。。
コラムニストには、「米国は「親友」を中国に奪われたのか」なんて書かれてしまう次第。
日中の仲では、そうした関係になるのは、望み薄なのは間違いがないでしょう。
いずれにしても、安倍首相が本心から望んだ交渉なのか、オバマ大統領のお膳立てなのか、いずれ詳細は分かるでしょう。
Raising a pint, Xi and Cameron toast 'golden' ties over fish and chips Reuters Top News | Fri Oct 23, 2015 10:08am BST
http://uk.reuters.com/article/2015/10/23/uk-china-britain-xi-pint-idUKKCN0SG2NN20151023
コラム:米国は「親友」を中国に奪われたのか ロイター Column | 2015年 10月 29日 11:02 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/column-us-china-friend-idJPKCN0SN03D20151029
今回の成果は、会談が実現したこと自体のみです。つまり、緊張関係は面会できるレベルまでには落ち着いているという事です。会談の中身までに期待を抱いていた人は、当方自身も含めほとんどいなかったと思います。
本気で中国と韓国との関係を修復したいのであれば、答えは簡単です。総理大臣を阿呆から交代させることのみです。
財務省貿易統計によれば、貿易相手国の筆頭は、2007年に至って、それまでの米国から、中国に代わっています。
更に、貿易相手国の地域別で、2014年の統計では、アジアの占める割合は、49.1%、となっています。 内、中国は、20.5%です。 貿易のみを観ても、中国は、ダントツで、二位の米国は、13.3%にすぎません。
貿易相手先国上位10カ国の推移 ○ 輸出入総額
http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time_latest.htm
この国を無視して、如何にして、世界に伍して行くのでしょうか。
まだ言うか ww
↓ 管理人氏の意見
宮武嶺
@raymiyatake
11月1日
「日中韓、仲良くするしか生きる道ない」 自民・二階氏:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASHC1…こんな近くにおって、交渉して仲良くしていく以外にお互いが生きていく道はない。そんなことは分かっているのに力みあってもしょうがないんじゃないか。
反日教育もどこまで真に受けているものなのかどうか。
もちろん誰も真に受けてないとは言いませんし悪影響を無視することは出来ませんが。
しかし、悪影響があるとしても交流を拡大する中でそういうのは解消に向かうように持って行かなければいけないはずで「あー、やっぱり政府の言うことは信用出来ない」と中国国民に再確認(笑)してもらえれば
しめたものだと思います。
ものごとには色々あるわけで、相手の国を一色で見てしまっては間違えるのじゃないかと思います。
インターンシップで来ていた、ちょいワル右翼に騙されかけていた学生さんに、意外にも国際性の高い習い事を通じて出来た中国人の友人が複数居ると聞き、
「で、その子達は反日なの?」と聞くと、
「いえ・・・。親日です。」と言うので、
「じゃあ、反日教育は失敗だね。」と言ったところ、
「あ・・・?そう・・・ですね!」と、気付いてくれました。
慰安婦問題でもそうでしたが、純粋なだけに思い込み易いけれど、気付くのも早いな~と感心しました。