稲敷市立歴史民俗資料館では、3月22日より、
特別展「新利根ノスタルジー 松田朝旭 描き続ける日々」展
を開催しております。
今回は、稲敷市出身の洋画家、松田朝旭(まつだ・あさあき)さんの
60年余という画業から生み出された膨大な作品群の中から主要なものを
抽出して展示しています。
まず、はじめに松田さんをよく知らない、という方のために、
松田さんの略歴を御紹介したいと思います。
松田さんは、1935年3月30日、稲敷市須賀津生まれ。両親が
教員だったため、伊佐部、新川、中山と少年時代は稲敷市
市内を転居しました。
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どちらかというと、運動が苦手で、絵を描くことが大好きな
大人しい子だったということです。
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柴崎中学を卒業した後は、中山の自宅から竜ヶ崎一高まで
片道70分かけて自転車で通学したそうです。
この竜ヶ崎一高時代、2年生の時から美術部に入り、同校
出身の洋画家、服部正一郎の指導を受けます。
ご存知の方も多いかと思いますが、服部氏は、茨城県だけで
なく当時の日本洋画界の重鎮でした。
松田さんは、高校時代に出会った恩師に、一言では言い表せない
「憧れ」と「尊敬」を抱いたそうです。
その後、松田さんは、竜ヶ崎一高から茨城大学教育学部美術科
へ進みます。20歳頃、旧制中学時代、服部氏の友人でもあった父に
連れられ服部氏の元を訪れて弟子となり、それ以来、本格的に絵を
学んでいました。
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右から、恩師の故服部正一郎、兄弟子の片岡洋一氏、松田さん。
北海道スケッチ旅行の帰路、千歳空港ロビーにて。
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在学中、水戸市内の土蔵を描いた《土蔵》で二科展初入選を
果たします。
大学卒業後は、教員となり、稲敷郡内の安中、河内中学校、
下妻一高、取手二高に赴任します。
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安中中学校教員時代、体育祭での仮装行列の記念写真です。
ご本人もお気に入りの一枚です。
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こちらは河内中学校で受持ちの教室がベニヤ板を打ち付けただけの
壁面だったため、生徒たちと一緒に陽明門の壁画でリフォームした写真。
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下妻一高教員時代の下宿の様子。ここは下一美術部員と松田さんの
創作の場であり、交流の場でもありました。
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松田さんが取手二高に赴任した1977年頃から、同校野球部は
甲子園に出場するようになりました。
そして、1984年には、桑田・清原をようするPL学園を下し、
全国制覇を遂げます。
松田さんも生徒の引率として、スタンドから声援を送りました。
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このように、松田さんは、美術教師と画家の二足の草鞋を
はいて活動されて来ましたが、1990年3月、55歳で教員を
退職し、その後は画家に専念して描き続ける日々を送られています。
松田さんは、早くから茨城県展や二科展で受賞を重ねます。
受賞歴は、県展では茨城県知事賞、市町村会長賞、永田賞、
中村彝(なかむらつね)賞など。二科展では、特選、50周年記念賞、会員努力賞など。
1985年に二科会会員となり、2000年には同会評議員となります。
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左から、公益社団法人二科会理事長の田中良氏、大隈武夫氏、
松田さん。田中氏は同じ服部門下生の兄弟子でもあります。
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次回は展示風景をご紹介します!