信玄公のおヒゲの話

2023-01-11 14:12:25 | 紹介
今年の冷え込みは一段と厳しく、
寒い日が続いています。
新年初お目見えのお兄ちゃんも朝から丸まって
朝日を浴びて暖を取っていました。

ご自慢のヒゲも凍らないように気をつけてね、お兄ちゃん。

さて、2023年の大河ドラマがいよいよスタートしました!
主人公は、徳川家康。
言わずと知れた、戦国の三英傑の一人、徳川幕府初代将軍です。
信長、秀吉、家康・・それぞれの個性を表現したホトトギスの句は有名ですが、
家康といえば、「なかぬなら鳴まで待郭公(ほととぎす)」な「辛抱強い」イメージ。

令和の家康が、このホトトギスの路線で描かれるのかどうかも楽しみですが、
今回の大河のタイトルは、ネーミングもデザインもとっても個性的。
丸いデザインは、「どーする、どーする」とぐるぐる自問自答して、まるっと天下統一。
そんな家康の人間味と人生を表しているそうです。

時代をゆるがした、個性あふれる多くの人物を生んだ戦国時代。
ドラマの登場人物もどうしたって、有名ドコロ。
その中でもキラリ✨というよりも
ギロリと目を光らせるのが阿部寛さん演じる、
かつてないヒゲモジャの武田信玄公です。

多くの作品に登場してきた信玄公ですが、
これまで描かれてきた風貌は、主に2パターン。
インスピレーションの源は、信玄公の肖像画。
でも、信玄公の場合、体型や風貌などの表現が真逆の肖像画が2つあり、
そのためか、ドラマや映画の姿も2パターン。

ひとつは高野山持明院蔵の武田信玄公像
・”中井貴一”系、細面でリアリスト
・整えられたハの字のヒゲに、あごのヒゲ

もうひとつが高野山成慶院蔵の武田信玄公像
・”松平健”系、どっしりとした存在感
・もみあげ+ハの字のヒゲ
・ヒゲの確認は難しいのですが、JR甲府駅南口の「武田信玄公銅像」もこの系統。

いずれにせよ、肖像画やこれまでのドラマで描かれた、どの信玄公を見ても、
今回ほどヒゲモジャの姿は見当たりません。
あえてドラマチックに描かれた江戸時代の錦絵の信玄公くらいでしょうか。

ヒゲは強さの象徴と言われますが、心理学ではそれに加えて、
「自分は他者とは違う」という優越性や独自性、
「自分に自信がない」というコンプレックスを打ち消すための自己表現、
はたまた「自分は自由に生きている」という自負心、そこから生まれる遊び心。

ヒゲの形によっても、さまざまな深層心理が推測できるとかで、
例えば、あごヒゲは、強さや権威だったり、
ちょびヒゲやハの字型は知性や理性の印象を与えるとか。

問題のヒゲモジャと近いところでは、
もみあげから顎にかけてはえるヒゲは、「個性を見せつけたい」という気持ちの現れ、
サンタクロースのようなヒゲの人は、繊細で防衛的で、人に優しい人が多いそう。

”中井”系も”松平”系も、きちんとヒゲを整えているという印象ですが、
日本人男性が、いつごろからヒゲを剃ったり、整えたりするようになったかというと、
平安時代末期の鳥羽院の時代(1129−56)あたりなんだとか。
以降、ヒゲにも流行、変遷があったようですが、
戦国時代は(?)というと、16世紀前半の土佐光信の「職人尽歌合」では、
ヒゲのない職人の方が、ヒゲがある職人よりも、数の上では優勢だそう。
ただ、武士の間では、ヒゲを尊ぶ風潮も残っていて、
長いヒゲに香をたきこめ、誇る者もいたとか。
また、現実問題として、戦で兜をかぶる時は、
あごにヒゲがある方が都合が良かったのでは、と考える人も。

・・・
大河ドラマのHPで紹介される、
信玄公のキャッチフレーズは「戦国最強のレジェンド」✨
家康にとって、信玄公は、戦国を生き抜く厳しさを知らしめる「生きる教科書」
死後もなお、家康を苦しめる信玄公ですが、それがいつしか糧となっていく・・・

そのあたりを参考にすると、2023年の大河ドラマでは、
戦に強いだけじゃない、後の世にも影響を及ぼした人物として、
新たな信玄公像が描かれるのではないかと、”阿部寛”系の誕生に期待。
その象徴が、異形と優しさを兼ね備えたモジャモジャなおヒゲ!?
今後のドラマの展開が楽しみです。
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