24日(火)は、休館日を利用して武田信玄に関するテレビ番組の収録がありまして、
武田軍の強さ、騎馬に関する内容を紹介するために、信玄ミュージアム所蔵の
戦国時代の馬骨の全身骨格と、再現した信玄公着装甲冑を撮影しました。
今回は、普段から特別展示室で公開している複製して組み上げた骨格標本のほか、
発掘された本物の骨も撮影となりました。
本物は滅多に出すことがなく、これまでも数回テレビ撮影でお出ししたり、
11月初旬の特別観覧などで参加者に見ていただく機会はありましたが、
いつも頭や足の骨など、比較的部位のわかるものを1・2点お出しするだけでした。
事前にいくつか並べての撮影ということではありましたが、当日朝の打ち合わせで
全体像がイメージできるように並べて欲しいとのリクエストで、
急遽、準備していたものだけではなく、今まで出したことのない肩や肋骨、胸椎など
並べてみて馬の骨だとイメージできるほどの数量をお出ししました。
とはいえ、撮影時間も半日と限られる中、骨の配列に時間を費やすわけにも行かずで、
たくさんあるパーツの中から大慌てでイメージが湧くように並べてみたのですが、
実際に並べ始めると、どれがどの部位か迷うものもあり・・・(・_・;)
これも一部ですが、過去最大量ご提供。
どこの骨か、わかりますか?
骨自体は、劣化防止の薬品処理をしていますが、骨の芯までしっかりしているので、
持ち上げてもずっしりと重いです。
上の写真は「寛骨」と呼ばれる腰回りの骨。
実際に見ると、つい最近亡くなった馬の骨のようにきれいな薄黄色です。
とても500年近く前の戦国時代の馬の骨とは思えないものですが、
馬の全身骨格で、状態が良い出土資料は、
今のところ信玄ミュージアムの資料だけです。
良質な餌を与えられて育ち、名のある武将とともに戦場を駆け、亡くなってから
人と同じように丁寧に埋葬された軍馬。
生前の育成環境や埋葬方法、館の堀の近くにあったことから水の浸透で
安定した保存状態が確保されるなど、偶然にも様々な要件を満たした結果、
良質に保存されたのでしょう。
展示品は複製ですがその骨を芸術家の方が一つ一つ丁寧に模って組み上げた
オンリー1の資料ですので、
戦国時代の在来馬の大きさも含めて体感してみてくださいませ。
お昼過ぎに撮影を終えましたが、改めて、貴重な資料であることを再認識し、
何かの機会に本物も展示できればと思いますので、ご期待ください!