軍旗はただの目印にあらず( `ー´)ノ(その2)

2021-12-08 17:45:15 | 紹介
いつどこで、命が狙われるかわからない。
いつ何時、家と領国が危険にさらされるかわからない。
そんな戦国の世だからこそ、多くの大名や武将たちは、神々に加護を願いました。

信玄公もそのお一人で、様々な神さまを崇拝しますが、
その中心にあったのは、八幡神であり、諏訪明神であったことは、軍旗からも推測することができます。

雲峰寺(甲州市)宝物殿のご案内

八幡神は、武田氏の祖をたどりたどれば清和源氏。その氏神さまです。

諏訪明神は、朝廷も認めるほどの力ある軍神であり、武家として信仰したことは決して不思議ではありませんが、
思った以上に具体的なご縁が伝承されております。

例えば、巨摩郡若神子(現・山梨県北杜市須玉地区)の諏訪明神は、
平安時代後期の甲斐源氏の祖・新羅三郎義光の祈願所であったとか。

信玄公ご自身も生まれながらにして、諏訪明神とのご縁アリ。
というのも、お生まれになったのが、
父・信虎公が駿河の福嶋(くしま)氏と戦い、勝利した、その日その時!?
しかも、お誕生の前から、諏訪明神からの不思議なお告げがあったとも!?
だから、信玄公の勝利の背後には、諏訪明神がいらっしゃる。とされたんですね。

こうした諏訪とのご縁と、武家としての軍神・諏訪明神への信仰が相まって、
代々の信仰が受け継がれたのでしょう。
信玄公の代に至り、赤い絹地に金粉で書かれた「南無諏訪南宮法性上下大明神」の旗が、
本陣の標識とされるのです。

さらに、時代ならでは?信玄公ならでは?
「諏訪南宮上下大明神」を63字の梵字で囲んだ旗も作られ、
それは、護身のため、信玄公の傍らに掲げられたとか。

梵字は一字一字が諸仏諸尊、1つの梵字が複数の仏を表す場合もあると言います。
ただ、この梵字63文字が何を表すのか、残念ながらまだ分かっていません。
でも、それで良かったのではないか、という意見も。
要は、軍の士気を鼓舞し、守ってくだされば良かったんですから。

ただ今当館・常設展示室で、12月26日(日)まで展示中の旗。
映画「信虎」で使用されたものです。

ちなみに・・信玄公のライバル、上杉謙信が所持したと伝えられる剣(上杉神社所蔵)の裏にも、63の梵字が。
お二方のただならぬご縁も、感じずにはいられません😉 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 軍旗は単なる目印にあらず( ... | トップ | ご寄附いただいた書物のご紹介! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

紹介」カテゴリの最新記事