時は流れ、10月10日。
破水から始まった私のお産は、分娩台に上がってまでも嘔吐があるという、結局悪阻がひどいまま、妊娠生活も終わりを告げようとしていた。
20時前、息子が生まれた。
亡くなった祖母は「女の子だよ」と言っていたが、生まれたのは男の子だった。
あと、1年、いや10ヶ月早ければ・・・婆ちゃんも、会えたのに・・・。
出産の喜びと同時に、亡き祖母のことを考えた。
退院し、産褥期を実家で過ごす。
祖父宅に行き、息子を連れて、祖母の仏壇にお参りをした。
写真の中の、穏やかな笑顔の祖母は、どう思ったのだろう。
「婆ちゃん、男の子やったよ。私もお母さんになったよ」
祖母がもし今生きていたら、87歳。
最後まで、生まれ故郷の熊本弁で話しをしていた祖母。
なぜか、筑豊弁に混ざって、熊本弁をしゃべる娘は・・・。
命のバトン。
息子が生まれて5年後、娘が生まれた。
その2年後、交通事故で、大好きだった義叔母が亡くなった。
義叔母の葬儀の次の日、娘は2歳になった。
義叔母が亡くなって1年後、義叔母が可愛がっていた飼い犬が、後を追うように死んだ。
時同じくし、義弟夫婦に女の子が生まれた。
その1年後、義妹夫婦にも女の子が生まれた。
消えゆく命もあれば、生まれ育つ新しい命もある。
私も母親になった。
母は祖母になった。
その母が言う。
「りあらが、ゆたかを生んだとき、あの時の婆ちゃんの気持ちがわかったよ」と。
こうやって、命は巡っていく。
死んだ人に恥じないように。
私達は、毎日を精一杯生きていく。
そして、いずれ来るであろう、その日に。
私も誰かに、命のバトンを託したい。
破水から始まった私のお産は、分娩台に上がってまでも嘔吐があるという、結局悪阻がひどいまま、妊娠生活も終わりを告げようとしていた。
20時前、息子が生まれた。
亡くなった祖母は「女の子だよ」と言っていたが、生まれたのは男の子だった。
あと、1年、いや10ヶ月早ければ・・・婆ちゃんも、会えたのに・・・。
出産の喜びと同時に、亡き祖母のことを考えた。
退院し、産褥期を実家で過ごす。
祖父宅に行き、息子を連れて、祖母の仏壇にお参りをした。
写真の中の、穏やかな笑顔の祖母は、どう思ったのだろう。
「婆ちゃん、男の子やったよ。私もお母さんになったよ」
祖母がもし今生きていたら、87歳。
最後まで、生まれ故郷の熊本弁で話しをしていた祖母。
なぜか、筑豊弁に混ざって、熊本弁をしゃべる娘は・・・。
命のバトン。
息子が生まれて5年後、娘が生まれた。
その2年後、交通事故で、大好きだった義叔母が亡くなった。
義叔母の葬儀の次の日、娘は2歳になった。
義叔母が亡くなって1年後、義叔母が可愛がっていた飼い犬が、後を追うように死んだ。
時同じくし、義弟夫婦に女の子が生まれた。
その1年後、義妹夫婦にも女の子が生まれた。
消えゆく命もあれば、生まれ育つ新しい命もある。
私も母親になった。
母は祖母になった。
その母が言う。
「りあらが、ゆたかを生んだとき、あの時の婆ちゃんの気持ちがわかったよ」と。
こうやって、命は巡っていく。
死んだ人に恥じないように。
私達は、毎日を精一杯生きていく。
そして、いずれ来るであろう、その日に。
私も誰かに、命のバトンを託したい。