ricoのつれづれblog

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映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!~その2

2012-12-24 | お芝居のこと
昨日の続き。

一日経ってどうして「夢やぶれて」が舞台より良かったのかが分かった。

舞台では、工場をクビになった直後に歌うのだけれど、
映画では、髪を売り、歯を売り、身体を売るという
堕ちるところまで堕ちた後に歌ったからなんだわ。

アン・ハサウェイの熱唱も、感情移入も納得。

さて、そのほかの感想。
本日は辛口感想です。

とにかく長かった。
舞台よりは短いけれど、休憩がない分、すこし疲れてしまった。
もともと舞台も次から次へと息つく暇なく場面転換する演出なので、
映画もほぼそんな感じ。
セリフはほぼすべてが歌だから、とにかく、聞き逃すと分からなくなりそうだし。

映画化されたものがほぼ舞台とおなじ流れである以上、
どうしても演出の比較をしてしまうのだけど、
映像化されて役者の表情や感情がすごくよく伝わったという長所と、
生々しい映像がすこしえぐい感じがして、舞台のほうが良かったという短所があった。

宿屋での何が入ってるかわからないひき肉を作るシーンなんか、
コミカルさよりも気持ち悪かったし、
学生の蜂起が失敗し、みんな死んでしまったシーンも、
生々しく血が映し出されて、なんか悲しいと思う前に、
「え?血??」って思ったよ。

ジャベールが川に身を投げる自殺のシーンも、
川の縁に落ちて当たった音がこれまた生々しい。

なんか映像化でその演出はいや!って感じでした。
冒頭の強制労働のシーンのような臨場感という意味での良さは感じなかった。

あと、舞台でいちばん好きな役であるエポニーヌが、
あまりにも存在薄い・・・。

舞台では、もっともっと切ないのに。
これは役者さんのせいではないわ。
時間のせいか、エポニーヌのシーンに時間を割いていないからだと思う。

同じ理由はテナルディエ夫妻も同じ。
宿屋の生々しいシーンが尾を引いて、
本来の腹黒悪党でありながらも、コミカルで笑ってしまう感じが
まったくなかった。もったいない。

学生運動のリーダーのアンジョルラスも、もっと舞台では良いのに、
なんだかはしょられてるよなあ。
死ぬ時に、逆さまでぶら下がるシーンは舞台と同じようにはされていたけれど、
活きなかったのは、やっぱり存在薄めだったからかな~。

その点、ガブローシュは大活躍やったけどね。

まあ、物語の本スジはジャンバルジャンとジャベールの一生をかけた対決だから、
この時間では尺がたりないので仕方ないのだけれど。

私の中では、コゼットよりもエポニーヌのほうが、
役としては重要だと思うんだけどな。
コゼットはジャンバルジャンに迎えに来てもらうところが一番の見せ場で、
大人になってからはそれほど重要ではないのだけど・・・。

まさに「脇が甘い!!」と思わせる演出でした。

さて、まだ話は続くのでまた次回。
今度は良かった点を中心に。
今回辛口だけど、実際はハンカチぐしゃぐしゃになるくらい感動したんだから、
良かったんだよ~!!