▶必死で校正した一週間
カンパニュラ
まず、ご報告しておきたいことは、3冊目のタイトルが正式に決定したことです。丸善本社との合同会議で「少し長いけどいいでしょう」いうことになったそうです。ドイツ語のタイトルももう一度添えてここに書いておきます。
『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』
Skulptur als Gebet
Annäherung an Tilman Riemenschneider
und weitere Bildhauer des Mittelalters Band III
8月から書店に出る予定ですので、買うには高いなと思われる方、是非図書館に要望を出していただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、世間ではゴールデンウィークで比較的お天気の良い日が続いていましたが、私は、用事のあるとき以外は家にこもりきりで初校ゲラの校正に没頭しました。公文さんの丁寧なチェックでいくつもの思い込みや間違いが指摘されてショックでした。
何といっても一番のショックは、マインフランケン博物館と言い慣れ、書き慣れていたマリエンブルクの「秀逸なリーメンシュナイダー彫刻が世界で一番たくさん拝観できる博物館」が、気づかないうちに名前が変わっていたということです。多分、ペーターから博物館の改修が始まると聞いたときにそのようなことを聞いていたように思うのですが、よく理解していなかったのですね。彼に対しても申し訳ない気持ちです。2017年1月の段階で名前と体制まで変わってしまったというのに何も気がついていなかった自分を恥じました。今の名前は、
Museum für Franken – Staatliches Museum für Kunst- und Kulturgeschichte in Würzburg
日本語では、フランケン博物館 ーヴュルツブルク美術・文化史国立博物館ー となるのでしょうか。訳に自信はありませんので、また機会を見てバールケ先生に伺ってみます。
この機会に簡単にこの博物館の歴史を辿ってみようと思います。
1913年 Fränkischen Luitpoldmuseum、フランケン・ルイトポルド博物館として開館
1945年 建物が大きく破壊される
1946年 マリエンベルクにマインフランケン博物館として開館
2003年1月1日よりUnterfranken自治体連合の施設となり、ヴュルツブルク市に所属する博物館となる
詳しい内容に興味のある方は、以下のドイツ語ウェブサイトをごらんください。
http://museum-franken.de/museum/museum-fuer-franken.html
公文さんの数え切れないほどの指摘はショックではありましたが、目を見開かされることも数多く、優秀な校正者は著者に対しても大変良い刺激を与えるのだなぁということを痛感しています。アバウトに書いてあった食い違う記事については必ず整合性を求められ、その出典をもう一度探して、どちらが正しいのか答えを書くということの繰り返しでした。この初校校正ゲラをチェックするのに大変時間はかかりましたが、おかげさまで、よりよい本になると思い、心から感謝しています。
またバールケ先生の2回目の個人授業を受けて、もう一度ドイツ語をチェックしていただきました。特にジュリアン・シャピュイさんの「ごあいさつ」は一部難しいフレーズがあり、うまく訳すことができなかったのですが、概要をよく掴んで訳していますよと拍手してくださったのはありがたかったです。せっかく心を込めて書いてくださったドイツ語のごあいさつを、私の未熟な、そして失礼なミスで損ないたくはなかったので、バールケ先生にも本当に感謝です。
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