リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

158. 15回目のドイツ旅行(6) マイセンへの一日旅行

2018年12月02日 | 旅行

▶︎15回目のドイツ旅行(6)マイセンへの一日旅行


マイセン市立博物館前で(日付入りは三津夫の写真です。)


9月12日、今日も晴れ

 ベルリンのホテルはクーラーがついているのですが、夜は暑くてなかなかぐっすり眠れないので、クーラーが全然作動していないようです。昨日も今日も、大変良いお天気です。これでは今夜また眠れないかなと思って、出がけにクーラーを見て欲しいとお願いして宿を出ました。今日はマイセンまで足を伸ばします。2014年にマイセンに行ったときには、マイセン市立博物館が展示替えのために臨時閉館をしていたので見たかった作品を見ることができませんでした。今回は大丈夫だろうかと思いながら出かけたのですが…。

 朝、博物館に着くと、中には電気がついていてドアも開いていました。でも、中に入って探し回るものの全くペーター・デルの「美しいマリア」は見付からないのです。受付の男性に聞いてみましたが「僕にはわかりません。もうすぐ担当者が来るのでお待ちください」と言われ、待っていると、中堅どころの女性がやってきました。彼女に写真を見せながら「この作品を見たくて来たのです」と説明すると、知らないというのです。館内になかったことは確かめた上で、収蔵庫にあるかもしれないと電話をしてくれたのですが、そこにもありませんでした。無いとわかればそれはそれで私の作っている作品一覧も作り直せますから良しとしました。私のこのリストの参考資料は2004年のカタログですから、すでに14年も経っているのです。作品がどこかに移動したり売買されていたりしても無理はないことです。でも、どう移動したのか管理している場所はあるはずで、行く先がわからないということが不思議でなりません。ドレスデンの王宮美術館でもおなじ事がありました。日本でそんなことになったら大変だろうと思うのですが。

 結局、作品がないということをわざわざベルリンから確かめに来たようなもので少々空しさも残りますが、前回来たときには滑り込みセーフであまりしっかり見られなかったドームに行くことももう一つの目的でした。前回は相当な坂を上って疲れたこともあり、今回は巡回バスに乗ることにしました。



マイセン市立博物館内の作品(プレート読めず)


市内巡回バスのおばさま運転手

 マルクト広場から巡回バスが出ていると聞いたので、時刻表を見てみると少し時間があります。屋台のホットドッグ屋さんがあったので急いで買ってきてドームで食べることにしました。マイクロバスの運転手は、友だちのマリアンヌによく似た感じのおばさまで、流れるようなアナウンスをひっきりなしに続けます。何か面白いことを言っているらしく、回りはドッと笑うのですが、私たちにはよくわかりません。町を見ていて気がついたのは、石造りの建物のあちらこちらに「ここまで何年に水が上がった」というプレートがついていることです。日本も今年は水害で大変な犠牲を出しています。日本では大体数十年で家を建て替えてしまうので石碑などになるのでしょうけれど、村や町で何カ所か、こうした目印を作って人々にいつも認識してもらうことが大事ではないかと考えさせられました。

 バスは町の最も有名なマイセン博物館と工場まで行き、多くの人が降りました。でも、その後丘に登っていくかと思いきや、なにやら駅前を通り過ぎてバスは再びマルクト広場へ。「ドームまで行かないんですか?」とあわてて運転手さんに聞くと、「大丈夫、大丈夫、ちゃんと行きますよ」と言われてホッとしました。今度は本当に狭い道を結構ぐんぐんと上がっていきます。彼女は何回この道を通っているのでしょう。ハンドルさばきは慣れたものです。ようやく町で一番ぐらいに高い丘の上まで上り、バスを降りました。


ドームからアルブレヒト城へ

 広場の真ん中に大きな木があり、その下のベンチでさっき買ったソーセージとホテルから持って来たパンで軽く昼食。お天気も良く、爽やかでした。 

 前回ギリギリセーフで無料で入れてくれたドームは正式に払うと一人11ユーロ。少々高いと感じながらも館内をまわりましたが、私たちの気を惹いてくれる彫刻類は残念ながら見当たらず、ちょうどお昼のオルガンコンサートが始まったのでしばし聞き入りました。


コンサートの開かれたドームの祭壇前


 隣接のアルブレヒト城にも入れるチケットだったので城内にも入ってみました。きっと建築関係に関心の高い人には面白いのでしょうけれど、どうもここも印象に残っている特徴的なところがなく、一番心に残っているのはトイレのおかしさです。お城の地下のトイレに入ろうとしたときか出ようとしたときか忘れましたが、なぜか出入り口に回転バーがあるのです。一方にはいけるのですが反対には動いてくれない。お金を入れるわけでもなく、チケットをかざす仕組みでもなく、ただ、通せんぼするのです。三津夫は強引にこじ開けて通り、私は仕方がなく、くぐって通ってしまいました。何のための回転バーなのか不思議です。


マイセンドーム 左にかすかに見えるのがアルブレヒト城


再び市内巡回…

 バスは午後1時14分にやってきました。何と今朝と同じおばさま運転手。お城広場で満席となり、マイセン工場で相当数の乗客が降りていきました。次はマイセン駅ですが、下車したのは私たちだけ。とても疲れていましたし、持ってきたお茶もなくなっていましたので、何か飲んだりできる場所をさがし回って、ようやくカフェを見付けました。アイスクリームとコーヒーでリフレッシュ。2時19分の列車で帰ったので夕方少しゆっくりするゆとりが持てました。でもマイセン市立博物館は2回訪ねて2回とも作品を見られず、やはりちょっと残念な日帰り旅行でした。

 そして、帰ってきてからもクーラーは効かず。問い合わせてみると業者に見てもらったと受付では言うのですが…。

 ※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

コメント
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