▶今日は帰国の日
❤ ビンゲンの町
▶帰国前に行きたいところとはBingenという町でした。
ウルム博物館で買った「Einer Kathedrale würdig Das Meisterwerk des Bingener Altars」(聖堂にふさわしいビンゲン祭壇の名作 写真・下)というカタログがあります。このビンゲン祭壇の祭壇画は Bartholomäus Zeitblom という画家によって描かれたそうです。バルトロマイ(バルトロミオス?)・ツァイトブロムはネルトリンゲンで生まれ、ウルムで画家として活躍し、この祭壇をニクラウス・ヴェックマンとイェルク・ジュルリーン(息子)と共に制作したそうです。ヴェックマンはダニエル・マウホの師匠です。
このカタログにある祭壇の写真を見て2人とも興味を持ち、Bingenってどこだろうと調べてみたらフランクフルトから1時間弱で行けるようなのです。それで、「せっかく半日以上動ける時間があるのだからこの祭壇も見に行ってみない?」と言ったのは私でした。飛行機は午後7時40分発ですから午後5時ごろまでに空港に着いていれば大丈夫です。「それじゃぁ行ってみようか」ということになりました。教会の住所がわかれば駅からの地図も見られたのですが、カタログを見た限りでは見つからず、現地で聞いてみるしかなさそうです。当たって砕けろの訪問でした。
◆2022年10月19日(水曜日)9062歩
夜中、何となく気持ちが悪くなって3回も目が覚めました。朝6時半頃起床すると喉に違和感と痛みがあり、喉風邪の症状は今日の方が強いようです。
昨夕の町歩きの怖さから朝食のパンも2人で買いに行きました。今朝は毛布にくるまった男性が4~5人歩道に転がって寝ています。前回は誰もホテルの前に寝てはいませんでした。これから寒くなったらどうなるのだろうと気がかりです。
朝食後、梅干しを食べ、漢方薬も飲んでおきました。
このあと最後のトランク詰めに手間取り、「何時の列車に乗るんだ」と三津夫に聞かれてもはっきり答えられない状態でしたが、ようやくパンパンのトランクのチャックを閉めることができて受付に預けて出発。9時15分の列車に乗ることができました。
私たちの行き先は Bingen(Rhein) Hbf で、列車の終点はコブレンツです。この列車が10分遅れでやって来た上に途中でも少しずつ遅れて11時頃やっとビンゲン中央駅に着きました。この駅がまた何と寂しい感じの駅でしょう。駅の周りは工事中で殺伐としていました。教会への行き方を聞く場所もありません。どうやらここから大分歩かないと市街には出られそうもないとわかり、歩き出そうとしたところへバスが1台やって来たのでビンゲン祭壇の写真を見せて「これを見たいのですが」と言うと、「町に着いたらインフォメーションがあるからそこで聞きなさい」と言いながら乗りなさいという合図。感謝しながら乗せてもらいました。でも料金は取られませんでした。親切な運転手さんに会えて良かった。
町のバスターミナルで下ろしてもらってインフォメーションの場所を聞くと結構距離があるようです。迷いながら、周りの人に方向を何度も確かめては歩き、やっとインフォメーションにたどり着くと、若い女性がパソコンで検索してくれて「この祭壇はこの町ではなく違う Bingen にあるんですよ」と言われてしまいました。あら~、ガッカリ。当たって砕け散った大失敗の巻でした。正しい町の名前と教会名を書いてもらったら以下の通りでした。
Bingen/Hohenzollern, Weis Sigmaringen , Pfarrkirche Maria Himmelfahrt
ホーエンツォレルン城はシルヴィアやヴィリーたちと一緒に訪ねたことがありますが、どうやらその地域のようです。ここにはまたの機会に訪ねたいと思いながら帰り道をとぼとぼ歩きました。その時の景色がトップと下の写真です。
帰りの電車も遅れて大分待たされたので少々心配になってきた頃、やっと来ました。これで取りあえずフランクフルト中央駅まで戻れそうだとホッとしました。大失敗もこれで何とか笑い話にできます。
❤ ビンゲン駅で。私はアンゲリカが送ってくれた上衣を着ています。
運動靴は啓子さんから頂いた靴です。本当にありがとう!
フランクフルト中央駅で、ホテルに戻る前にフードコートで焼きそばを食べ、ホテルに着いてからも図々しく珈琲を飲んでトイレも使わせてもらって、トランクを引き取りました。
でも、こうしてバタバタ走り回っているうちに体の症状も落ち着き、帰りの飛行機でも気分が悪くなることもなく過ごすことができたのはけがの功名でしょうか。
▶最後の空港で苦労したこと
いつもはトーマスが出発ターミナル2の真ん前まで車で送ってくれていたので、自分たちの足で空港まで帰る経路をすっかり忘れていて少々ドギマギしました。S バーンに乗って空港駅で下車し、久しく乗ったことのないモノレールにも乗り、ターミナル2に何とか着いてまずは一段落。
飛行機にも空いているうちにチェックインしようと思ったのですが、どこにも JAL のマークが見つかりません。まだ早すぎて窓口が開いていないのでした。しばらくベンチに座って日記を書いたり飲み物を買いに行ったりしながら時間を過ごし、チェックインが始まってからトランクをベルトに乗せたら何と私のトランクが重量オーバー。三津夫の方はまだゆとりがあったので、恥ずかしながら脇の床に2つのトランクを広げて調整する始末。何とかこれで大丈夫だろうと再度量ってもらったら無事OKとなりました。あとは飛行機さえ飛んでくれれば多分日本に戻ることができます。
❤ フランクフルト空港の出発ターミナル2 JAL はDのカウンターです。
◆2022年10月20日(木曜日)6319歩
機内で日付が変わったので最終日の帰国時の手続きについても少しだけ書いておきます。
日本時間の午後3時40分頃無事成田空港に着陸しました。残る心配は帰国時のコロナ関係の審査です。表示に従いながらいつもよりずっと長く歩き、まずMy SOSがある人が先に分かれていき、それ以外の人はQRコードをこれから作る人、もう作ってある人で分けられ、私たちは後者だったので青い用紙をもらって歩き続けました。入国用のコロナチェック窓口までまた少し歩きましたが、熱を出したことも咳が出ていることも記入した上で見せたQRコードに「心配したでしょう」と、かえって慰労されて済んだのでホッとしました。その後はトランク受け取りまである意味とても順調に流れました。帰国前のストレスは一体何だったのかと思うほどでした。おそらく今はもっと簡単になっていることでしょう。
これにて私たちの17回目のドイツ旅行47日間の記録は終了です。
私たちがこの旅行中に訪問した施設を数えながら書いてきましたが、見直してみたら数え忘れていたところがあったり、番号を付け忘れて飛んでいるところがあったりしたため、書き直しました。その結果、以下のようになりました。
訪ねた教会・修道院:57か所
美術館・博物館:30か所
ちなみに旅行中に歩いてカウントできた歩数の合計は42万9496歩でした。
もしこうした教会や博物館に行きたい方がいたら少しでも参考になれば…と思いながら長々と書いてきました。読むのも大変だったことでしょう。お疲れさまでした。ここまで読み続けてくださった方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。
また、記事に関して何かご意見やご異議、ご質問などがある方は以下の頁に連絡先を書いてありますのでご連絡いただければ幸いです。
*今後、海外旅行を計画されている方へ
皆さんの旅もどうか順調でありますように。
世界の情勢が少しでも早く落ち着いて、皆が安心して旅行ができるようになりますように。
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