飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

ごめんね、サルビアさん

2023年06月26日 14時18分33秒 | 道徳科
3年生道徳科に、「ごめんね、サルビアさん」という教材がある。
この教材のテーマは自然愛護。
D主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「自然愛護」
◯目標
自然の素晴らしさや不思議さを知り、自然や動植物を大切にすること。
となっている。

この展開を考えてみる。

1 設定を把握する。
(1)登場人物
・わたし(かおり)
・おかあさん

(2)場所
・園芸品店…サルビアを買う
・家   …みずやり

(3)時間
・5月…サルビアを買う 毎日水やり
・6月…サルビアのこと忘れる
・7月…サルビアの花が咲く 再び水やり 暑さのため水やりをやめる
・ある日の午後…サルビアの花がしおれている
・夏休みに入る…毎朝、水やり 花をまた咲かせている

2 わたしのサルビアに対する行動や気持ちの変化を把握する。

◯「わたし」はサルビアに対して最初はどう思っていましたか。
・「たいせつに育てよう。」…水やりを毎日して、観察していた。

◯次に、雨が多くなるとどうしましたか。
・「だんだんサルビアのようすを見に行かなくなりました。ときには、サルビアのことをわすれて遊びに行くこともありました。」…水やりがする必要がないので、サルビアを世話する思いが薄れていく。

◯さらに、季節が暑くなるとどうしなりましたか。
・「サルビアさん、今日も水やりは中止にさせてね。」
 「サルビアさん、明日は雨がふるかもしれないから、もう一日待ってね。」…サルビアから遠ざかる。

◯しおれたサルビアをみて、私はこう言っています。
 「わあ、ごめんなさい。」
 これは、サルビアに何を謝っているのですか。

・世話をしなかった自分の行動
・大切に育てると約束したのに、破ったことの重大さに気がついたから。
・世話をしなければならないのに言い訳をして水やりをしなかったずるさに。

3 価値の多様性を理解する。
◯人間には五感いわれるものがありますが、知っていますか。
 五感とは、人間にそなわっている五つの感覚のことです。

・目…視覚
・耳…聴覚
・鼻…嗅覚
・舌…味覚
・皮膚…触覚

 59ページ1行目に次のように書かれています。「わたしは、はじめて花の世話をするときにたいせつなことに気づきました。」では、これらのどのような感覚で「大切なこと」に気づいたのですか・
・目(視覚)…サルビアがしおれているのをみたから気がついたから。

●もし見ただけで、「たいせつなこと」に気がついたのなら。おかあさんの言葉がなくても、気がついたはずです。でも、私はその時点ではまだ気づいていません.

◯もう一度聞きます。では、なぜかおりさんは「たいせつなこと」に気づいたのですか。

・おかあさんの「お花の気持ちになって考えてごらんなさい。」という言葉で気がついた。
・心でサルビアの気持ちを考えたから。
・サルビアの気持ちを想像できたから。
・自分の心で感じようとしたから。

※ここで「心で感じたから」というなカテゴリーの言葉がでれば、次の発問は、子供に聞く必要なない。
教師が言葉を説明する形式で。

4 まとめ
◯次のカッコには、どんな言葉が入ると思いますか。

「大切なのは自然を知ることではなく、(◯◯◯)こと。」
・守る
・見る
・感じる
・学ぶ

●この◯◯◯には「感じる」が入ります。
 みなさんで読んでみましょう。
 「大切なのは、自然を知ることではなく、感じること。」

●これはレイチェル・カーソンという人の言葉です。
 レイチェル・カーソンは他にこんなことも言っています。

「『知る』ことは『感ずる』ことの半分も重要ではないと固く信じています。」
「見過ごしていた美しさに目をひらくひとつの方法は、自分自身に問いかけてみることです。」
「感動のないところに行動はない」

◯自然である、動物や植物などを大切にしていくには、どんな心が大切で、どんな行動が必要だと思いますか。
 ノートに書きましょう。
※キーワード 「感じる心」「行動(自分にできること)

・自然を大切にするには、まずいろんなことを知る必要があります。その知ったことを知識としてではなく、心で感じることが大事だと思います。その感じる心があれば、なにか自然を守る行動ができると思います。

・知っただけではだめで、心で自然の声を聞くことが大事だと思います。そして、自然をこわすようなことはしないようにしたいと思います。

5 教師の説話(※時間があれば)
●「知る」ことは多くの場合、人間が理解できていることを、また目・耳・鼻・口・皮膚で感じられるものを知識として知ることを指します。
しかし自然界に存在するもので、人間が解明できているものはごく僅かなものです。だから、知識として知り得ることにも限界があります。
地球上に存在する生き物だけでも、人間が確認できているのは1割ほどだと言われています。
人間にとって、まだまだ未知の領域ばかりが存在するのが自然界ですね
その未知の領域を開拓して知識としていくにも、感じ取れる能力が大切になります。
そして特に自然が何かを感じ取る能力は、非常に大切なものになります。
感じ取れるかどうかで、明らかに次への行動が違ってきます。
レイチェル・カーソンさんの言葉です。
「地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれたりすることは決してないでしょう。」

saitani
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