りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

光の国のエリオット ―全5場― 2

2011年07月18日 21時28分42秒 | 脚本

   
            
                    
   今回の作品、やたらと“剣”を振り回すのですが、この“剣”が
   意外と曲者で・・・お人形の手が上手く動かせない・・・
   高く持ち上げる為に、いつもより腕が疲れる・・・黒子の頭巾を
   被って、視界の利かない中で振り回している為、
   誰彼、側にいるメンバーに恐怖を与える・・・といったところで
   しょうか・・・^^;
   人が演じてると、ポーズが決まった時などは気持ちいい・・・
   筈なのですが・・・
   それも見えないですからね~・・・(-"-)

                                     
                                    どら。

  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

  エリオット「こんにちは。」
 
      女性(マルコの母)、頭を下げて足早に上手方へ。
      その時、ポポとミミに捕まえられたマルコ、上手より登場。

  マルコ「離せ!!離しやがれ!!離せよー!!」 
  マルコの母「マルコ!!」
  マルコ「あ、母ちゃん!!助けてくれよ!!こいつら悪い奴なんだ
      !!離せ!!離せよ!!」

      ポポとミミ、マルコを掴まえていた手を離す。
      と、マルコ、下に落ちる。

  マルコ「はな・・・!!いってぇ・・・!!何だよ、急に離すなよ!!」
  ミミ「離せって言ったニャア。」
  ポポ「そうだワン。」
  マルコの母「あんた、また何かやらかしたのかい!?」
  マルコ「何もしてないやい!!」
  エリオット「お母さんに嘘吐くのか?」
  マルコ「嘘なんか吐いてないや!!」
  ポポ「この剣を取ろうとしたワン!!(剣を見せる。)」
  マルコの母「マルコ!!」
  マルコ「ふん!!」
  マルコの母「おまえ、また泥棒なんて!!旅のお方・・・本当に
          申し訳ありません。」
  エリオット「いいえ。」
  マルコ「何だい!!兄ちゃん、そんな良いなりしてんじゃないか
      !!きっと金持ちなんだろ!?剣の1本や2本、ケチケチ
      すんなよ!!」
  マルコの母「マルコ!!」
  マルコ「その剣売ったら、父ちゃんの薬が買えるんだ!!」

      音楽流れる。

  エリオット「薬・・・?」

    
      (左より)エリオット、マルコの母、マルコ、ポポ、ミミ。
   マルコの母とマルコの髪が、エライことになっておりますが・・・、
   手が足りず・・・この場面はこれで通すしか出来ませんでした(-"-)



  マルコの母「・・・はい・・・。お恥ずかしいのですが・・・我が家は
          薬も買えない程、貧しいのです・・・。」
  マルコ「オイラん家だけじゃないやい!!この村は、誰ん家も
       パンすら買えない程貧乏なんだ!!」
  エリオット「・・・パンすら買えない・・・?」
  マルコの母「はい・・・」

      マルコの母歌う。

      “貧しくて・・・泣きたくて・・・
      生きるのが辛い毎日・・・
      この子に満足な
      食べ物も 与えてやることもできず・・・”

  マルコの母「この村は、光の国ではあるけれど・・・闇の国と隣り
          合わせている為に・・・いつも闇の国の魔の手に、
          怯えて暮らしているのです・・・。」
  マルコ「闇の国の奴ら、隣り合わせなのをいいことに、この村を
       闇の国に支配されたくないなら、金品をよこせって・・・」
  マルコの母「だから、この国はすごく貧しいのです・・・。」
  マルコ「王様なんか、オイラ達の暮らしがどんなに貧しくたって、
       自分には関係のないことだから、見向きもしてくれない
       んだ!!」
  マルコの母「マルコ!!」
  マルコ「貧乏な国民のことを見放したりするから、神様の罰が
       当たって、こんな風に薄暗くなっちまったんだ!!
       好い気味だ!!このまま王様がいなくなって、
       この国が真っ暗になったって知るもんか!!」
  マルコの母「言い過ぎだよ!!」
  マルコ「ふんっ!!」
  エリオット「・・・王様は・・・きっと、この村がそんな風に、辛い目に
         遭わされていることを知らなかったんだよ・・・」
  マルコ「そんな筈あるもんか!!」
  エリオット「多分・・・自分達の役割のことだけで・・・回りのことを
         見る余裕がなかったんだ・・・。」
  マルコ「・・・そんなこと知るもんか!!」
  マルコの母「マルコ!!」
  マルコ「貧しくて・・・だから食べるものも買えなくて・・・オイラの
       父ちゃん、病気になったんだ!!」
  エリオット「病気・・・?」
  マルコ「全部、王様が悪いんだ!!オイラ達のことを見放す
       ような王様なんか・・・いるもんか!!」
  エリオット「・・・そうだ・・・皆で分ける程、多くはないが・・・(袋から、
         パンを取り出し、マルコの方へ差し出す。)病気の
         お父さんに、食べさせてあげるといい・・・。」
  マルコ「え・・・?(パンを受け取る。)」
  エリオット「これもあげよう・・・。(金貨の入った袋を取り出し、
         差し出す。)」
  ポポ「それは!!」
  マルコ「何だよ・・・!!」
  エリオット「僕には必要ないから・・・。お父さんに薬を買って
         あげるといい。残りはこの村の為に使っておくれ・・・。」
  マルコ「(袋の中を覗く。)お金・・・本当に・・・?」
  エリオット「ああ・・・」
  マルコ「わあーっ!!こんなに沢山のお金、見たことないや!!
       ありがとう、兄ちゃん!!これで父ちゃんの薬が買える
       !!母ちゃん、よかったな!!わあーい!!
       皆ー!!いい物、貰ったよー!!」

      マルコ、上手へ走り去る。

  ミミ「エリオット!!」
  マルコの母「・・・エリオット王子・・・?(呟く。)」

      エリオット、ポポ、ミミ残して、紗幕閉まる。

  ――――― 第 3 場 ―――――

  ポポ「エリオット!!お金、全部あげちゃっていいのかワン!!」

      音楽流れる。

  エリオット「僕は・・・今まで、何て世間知らずだったんだ・・・。
         貧しい村人達のことも知らずに・・・何て呑気に遊び
         回っていたんだろう・・・。恥ずかしいよ・・・。
         (涙を拭うように。)」
  ミミ「エリオット・・・」
  エリオット「これからは、もっと回りのことをよく見るようにするよ
         ・・・。もっと光の国の住人が、何を望んでいるのかを
         知るようにしよう・・・。自分達のことだけでなく・・・。
         その為には、何としても父の毒を消し去り、光の復活
         と共に新しい国造りだ・・・!!」

      エリオット歌う。

      “願いは1つ 人々の笑顔だけ
      それこそ王たる者と誓う
      心に強く・・・”

      紗幕開く。と、中央に扉の開いた門。

  エリオット「さあ・・・ここが闇の国の入り口だ・・・。光の国との境
         ・・・。中へ入ったら扉が閉まり始めるんだ。行くぞー
        !!」

      3人、中へ入る。と、扉がゆっくり閉まりだす音がする。
      (不気味な音楽、流れる。)

  ――――― 第 4 場 ――――― A

  魔女の声(エコー)「誰かが私の国へ・・・この私に無断で入って
               来たようだ・・・。何て命知らずな・・・。
               (笑う。)様子でも見てくるとするか・・・。
               (羽ばたく音。)」

       門が下がると、怪しい森の中の様子。
       そこへ、下手よりエリオット、ポポ、ミミ、回りを見回しながら、
       恐る恐る登場。

  ポポ「何だか嫌な感じの所だワン・・・。」
  ミミ「本当・・・身の毛がよだつニャア・・・。」
  カラス(魔女)「もし・・・そこの旅のお方・・・。」
  エリオット「誰だ!!」
  ポポ「どうしたワン?」
  エリオット「僕に話しかけるのは誰だ!?」
  ミミ「誰もいないニャア?」
  カラス「ここですよ・・・ここ、ここ・・・。」
  ポポ「え・・・?」
  ミミ「(回りをキョロキョロ見回して。)あ!!あそこだニャア!!
     あの木の上よ!!」

      エリオット、ポポ、ミミが指差した、木の上の方を見上げる。
      と、1羽のカラスが留まっている。
      (カラス、3人の側へ下りて来る。)

  カラス「驚かせて、すみませんねぇ・・・」
  エリオット「何か用か・・・?」
  カラス「あ、いや・・・お見かけした所、あなた方はこの国の住人
       ではいらっしゃらないご様子・・・」
  ミミ「よく分かったニャア!!私達は光の国の住人だニャア!!」
  ポポ「ミミ!!」
  カラス「ほう・・・光の国の・・・」
  エリオット「それがどうしたんだ・・・。」
  カラス「いや何・・・光の国のお方が、危険を侵して一体何をしに、
       この闇の国へ・・・?」
  ポポ「おまえには関係ないワン!」
  カラス「どこへ行こうとしているのか、教えて頂ければ、道案内して
       さしあげようと思いましてね・・・。」

      (怪しい音楽、流れる。)

  枯れ木1「そいつの話しを聞いては駄目だ・・・」
  枯れ木2「そいつの話しはでたらめだ・・・」
  枯れ木1「そいつの話しを聞いてたら・・・」
  枯れ木2「我々のように、動けない姿に変えられてしまうぞ・・・」
  カラス「煩い!!引っこ抜いてしまうぞ!!」

      (枯れ木達、黙る。)

  エリオット「・・・え・・・?」
  カラス「あ・・・いや・・・何でもありません。(笑う。)」
  エリオット「僕達は、ある事情があって、この森に咲く白い花を
         探しに来たのです。」
  カラス「白い・・・花を・・・?」
  ミミ「王様を助けるニャア!!」
  カラス「(呟くように。)王だと・・・?」
  ポポ「どこにあるワン?」
  カラス「あ・・・ああ・・・白い花でしたら・・・ほら・・・そこに・・・
      (中央後方を見る。)」

      中央後方に、いつの間にか白い花が、1輪咲いている。

  ミミ「あ!!見つけたニャア!!エリオット!!あったわ!!
     あったわ、白い花よ!!(思わずその花に駆け寄る。)」

      その時、カミナリの轟音が響き渡る。
      (閃光が走る。)   







          白い花を無事に見つけたエリオット達ですが・・・。
          その花を手にすることが出来るのでしょうか?
          お話しはクライマックスへ・・・“3”へつづく・・・。
          

 

 

  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


   ここに出て来る“カラス”ですが、いかに本物っぽく見えるか・・・
   を、1番に考えて作ったのですが、その思惑通り、意外にリアル
   に出来上がり、リアル過ぎたが故に・・・
   小さい子達には不評で・・・(-"-)
   練習に持って帰る、カラス操作担当の団員は、本物のカラスに
   見つからないように・・・と、変に気を使い・・・など、
   面白い裏話のオマケが付いています。
   でも、全部真っ黒にすると、舞台映えしないので・・・くちばしだけ・・・
   黄色にしてみました~(^^)v

   公演時の舞台写真が残ってなくて、今お見せできないのが
   ホント、残念ですが・・・我が家の、人形劇専用(?^^;)
   のクローゼットのどこぞに、押し込んであるので、
   引っ張り出して、その内お披露目致します。

   ま、カラスに限らず・・・お人形の扱いは、意外と雑いので、
   透明のゴミ袋に放り込んで、公演の時などは運んだりするが、
   一見すると、何が入っているのかと、怪しいのは怪しいのです、
   私達・・・^^;


                                       
                             6/27  どら。
        
 

        
           

  カラスさん、探してみました^^;
  よく分からないかも知れないですが・・・、他のお人形と比べると・・・
  やっぱり、あんまり可愛くないですよね~(>_<)
  お人形達のママである私には、どの子も可愛いんですけどね❤

          

                               どら。
  




  


           http://www.geocities.jp/littlepine2005/

          http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta

            http://blog.goo.ne.jp/axizgoo7227


光の国のエリオット ―全5場―

2011年07月18日 21時09分28秒 | 脚本

      
              
            (左より)マルコ・ミミ・ポポ・マルコ母
    残念ながら、エリオット君は手元には、残っていませんでした。

           

  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 
 
   
       2010年春公演“光の国のエリオット”(本舞台)より。
           (左)エリオット (後左)ミミ (後右)ポポ



      <主な登場人物>

  エリオット ・・・ 光の国の王子。
  ポポ ・・・ エリオットに仕える。犬。
  ミミ ・・・ エリオットに仕える。猫。

  じいや ・・・エリオットに仕える。

  マルコ ・・・光の国に住む少年。
  マルコの母

  闇の国の魔女

  その他

  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

      音楽流れ、幕は開く。

  ――――― 第 1 場 ――――― A  

      上手より、エリオット(光の国の王子。)剣を振りかざし登場。

  エリオット「ポポ!!ミミ!!さぁ、どこからでもかかってこい!!
        この僕が皆まとめて成敗してやる!!」
 
      ポポ、ミミ上手より走り登場。

  ポポ「エリオットー!!ちょ・・・ちょっと待ってくれワン!!」
  ミミ「エリオットー!!エリオットには誰もかなわないわ!!
    よく分かってるから、もう少し手加減して欲しいニャア!!」
  エリオット「さぁ、愚図愚図言ってないで、さっさと来い!!」

  エリオット「やあっ!!」
  ポポ「ワン!!」
  エリオット「はっ!!」
  ミミ「ニャアッ!!」

  ポポ「エリオット!!ちょっとくらい手を抜いて欲しいワン!!」
  ミミ「エリオットが強いことは、よく分かったニャア!!」
  エリオット「そんなことはどうでもいい!!手を動かせ!!」

      エリオット歌う。

      “広い地上 僕のものだ
      力あれば 何でもできる”

  ポポ「分かった・・・分かったワン!!」
  ミミ「よーく分かったニャア!!」
  エリオット「よし!!じゃあ、おまえ達にもっと剣の稽古を
        つけてやる!!」
  ポポ、ミミ「えーっ!!」
  
  じいやの声「王子!!王子様!!」

  エリオット「じい?」

      下手より、じいや登場。

  じいや「エリオット様!!またそんな物を持ち出して、悪戯を
       しておるのですな!!」
  エリオット「悪戯なんか・・・!!」
  じいや「そんな悪戯をするお暇があるのでしたら、少しは
       ご自分の国を見回ってこられたら、人々の暮らしも
       分かると言うもの・・・」
  エリオット「そんなことは、じいに任せる!」
  じいや「王子様!!じいに任せると言われても・・・!!
       ポポ!!ミミ!!おまえ達2人揃って、王子と一緒に
       なって悪戯をしておるとは!!」
  ポポ「あ・・・いや・・・じいや様・・・僕達はその・・・ワン・・・。」
  ミミ「私達はエリオットに無理矢理・・・ニャア・・・。」
  じいや「エリオットとは何じゃ、エリオットとは・・・!!王子様と
       お呼びせんか!!」
  ミミ「あ・・・はいニャア・・・。」

  エリオット「まあまあ、じい。そんな目くじらを立てて怒らなくても
         いいだろ?」
  じいや「王子様!!」
  エリオット「そんなに怒ると、血管が切れて倒れても知らないぞ。
        (笑う。)」
  じいや「エリオット様!!エリオット様が王子様然としておられた
       なら、このじいはもっと長生きできるかも知れませんわい
      !!」
  エリオット「じい!僕はいつでもいい子です!!行くぞ、ポポ!!
         ミミ!!」

      エリオット、上手へ走り去る。

  ポポ、ミミ「あ!!エリオット様!!」
  じいや「王子!!・・・全く・・・。ポポ、ミミ・・・おまえ達2人は、
       心して王子様のお側に仕えるのじゃ。あのお方は、
       いずれこの国の王となられるお方・・・。もう少し
       自覚を持ってもらわねば・・・。頼んだぞ・・・。」
  ポポ「勿論ですワン!!」
  ミミ「任せて下さいニャア!!」

      その時、遠くで不気味なカミナリの轟音が聞こえ、
      辺りが薄暗くなる。

  ミミ「あら?」
  ポポ「どうしたんだろう急に・・・ワン。」
  ミミ「何だか嫌な感じニャア・・・」
  じいや「・・・王様・・・?」

  家臣の声「じいや様ー!!じいや様ー!!」

      息を切らせながら、下手より家臣、走り登場。

  じいや「どうした!?」
  家臣「大変です!!王様が!!」
  じいや「何!?」
  家臣「闇の国の魔女に、毒草を盛られて・・・!!」
  じいや「毒草を盛られただと!?」

      その時、カミナリの音が轟く。

  魔女の声(エコー)「(笑う。)うまくいったわ・・・。こんな簡単に
              引っ掛かるとは・・・。(笑う。)今まで、我々
              闇の国の者にとって、光の国の王が放つ
              明るい輝きが、どれ程、邪魔な物だった
              ことか!!それも後少し・・・王の力が
              なくなった時・・・この国も我ら闇の国の
              ものとなろう・・・。(笑う。)」

      (ポポ、ミミ下がる。)

  じいや「これは大変なことになったわ・・・。一体どうすれば・・・」

      その時、上手よりエリオット、走り登場。

  エリオット「じい!!」
  じいや「王子様・・・!」
  エリオット「父上のことは聞いた!!どうすれば父上は助かる
        んだ!?毒を消す方法が何かあるんだろ!?
        じいなら分かるんじゃないのか!?」
  じいや「それが・・・」
  エリオット「何だ!?ハッキリ言え!!」
  じいや「・・・闇の国の魔女の毒を消す為には・・・闇の国に
       行かなければならんのです・・・。」
  エリオット「闇の国に・・・?」
  じいや「はい・・・。闇の国の森の奥深く・・・闇の中に咲く、
       ただ一輪の白い花・・・その花を取って煎じて飲ませ
       れば、闇の国の魔女の毒は、綺麗に消し去ることが
       できるのです・・・。」
  エリオット「白い花・・・。分かったじい!!僕がその白い花を
         取りに、闇の国へ行って来る!!」
  じいや「王子!!そんな無茶な!!それに我々、光の国の
      人間が、闇の国に留まることのできる時間は限られて
      おるのですぞ。光の国の者が、1歩足を踏み入れた
      その時から、闇の国と光の国を隔てる、重く大きな扉が、
      閉まり始めるのです。その扉が一度閉まってしまえば
      ・・・我々光の国の人間は二度と・・・闇の国の外へは
      出られないのですぞ!!」
  エリオット「出られない・・・でも・・・無茶でもなんでも僕は行く
         ・・・!!このまま黙って父上の光を消すことなど
        できるものか!!それに・・・この光の国を、真っ暗
        な闇の国にすることはできない・・・。僕が行かない
        で、誰が行くんだ!!」
  じいや「王子様・・・!!(下がる。)」

      (エリオット残して、場面変わる。)
      音楽流れる。

  ――――― 第 1 場 ――――― B

  エリオット「父様・・・僕が・・・僕が必ず毒を消す・・・白い花を
         持って帰って来ます・・・。だから・・・だからそれまで
         どうか・・・!!」

      エリオット歌う。

      “僕は旅に出る あの空の下
       遥か彼方へと続いてる道
       白い花を探して 1人で向かう
       怖いものはないんだ
       勇気と剣を持て
       遥かな空 目指して進もう
       後ろを振り向くな
       恐れはない

       ただ1人旅に出る あの空の下
       手に入れるものは ただ1つだけ
       力を込めて
       目指す場所は分かった
       大地を踏み締めよう
       続いた空 どこまでも行こう
       1人で怖くない
       勇気溢れる
       願いはただ1つだけさ
       見つける白い花
       叶えたまえ・・・”

      その時、下手よりポポ、ミミ走り登場。
      エリオットの横へ跪く。

  ポポ「エリオットワン!!」
  ミミ「エリオット王子ニャア!!」
  エリオット「ポポ・・・ミミ・・・」
  ポポ「僕達も一緒に行くワン!!」
  ミミ「勿論よニャア!!」
  エリオット「一緒に・・・!?」
  ポポ「僕らは、いつでも王子のお側に仕える者ワン!!」
  ミミ「何があっても、王子のお側を離れる訳にいかない
     ニャア!!」
  エリオット「・・・おまえ達、今からどこへ行くのか分かって
         るのか!?」
  ポポ「闇の国・・・」
  ミミ「王様を助ける為に、毒消しの花を探しに行く・・・」
  エリオット「だったら・・・!!」
  ポポ「だったら?」
  エリオット「無事に光の国へ、帰って来れるかどうか分から
         ないんだぞ!!」
  ミミ「そんなこと百も承知よニャア!!」
  エリオット「だったら尚更・・・!!」
  ポポ「そんな危険な所へ、王子1人で行かせられないワン!!」
  エリオット「おまえ達・・・」

      ポポ歌う。

      “僕は旅に出る あなたと共に
       力を合わせるんだ
       何があっても”

      ミミ歌う。

      “あなたの側にいるわ
       それこそ役目
       怖いものはないわ
       あなたがいるから”

  エリオット「ポポ!!ミミ!!僕に力を貸してくれるかい!?」
  ポポ「勿論だワン!!」
  ミミ「決まってるわニャア!!」
  エリオット「何があるか分からないんだぞ!?」
  ポポ「僕らは王子をお守りするのが役目だワン!!」
  ミミ「何があっても王子と一緒よニャア!!」
  エリオット「ポポ・・・ミミ・・・うん!!僕におまえ達の命を預け
         てくれ!!」

      ポポ、ミミ歌う。

      “生まれ落ちた その時から
       あなたに仕えると
       心に決め育ってきた
       ためらうことはない!!”

      エリオット歌う。

      “今 行こう!!”

  ポポ「さあ出掛ける準備だワン!!」
  ミミ「分かったニャア!!」

      ポポ、ミミ上手へ走り去る。

  エリオット「父様・・・どうか・・・どうか僕が帰って来るまで・・・
         その光を消さないで下さい・・・!!」

  ポポの声「エリオットー!!ワン!!」
  ミミの声「早くー!!ニャア!!」

  エリオット「今行くー!!」

      エリオット、上手へ走り去る。
      紗幕閉まる。

  ――――― 第 2 場 ―――――

      悲しげな音楽流れ、1人の少年(マルコ)、上手より登場。

  マルコ「あぁあ・・・腹減ったなぁ・・・。そういや・・・昨日から何も
      食べてなかったんだ・・・。パンが食いたいなぁ・・・。
      (草を食べる。)ペッペッ!!」

      マルコ歌う。

      “光の国で1番貧しい村に住むオイラ・・・
      パンも買えず 仕事もない・・・
      こんな村に未練もない・・・”

      マルコ、下手へ去る。
      紗幕開く。と、寂しい感じのする村の様子。
      上手より、ポポ登場。
      続いてエリオット、ミミ登場。

  ポポ「エリオット!!光の国と、闇の国の狭間にある村に
     着いたワン!!」
  エリオット「この村で、剣を研いでもらうとするか。少し
        休んでいこう!!」
  ミミ「やったニャア!!」

      マルコ、3人の様子を、下手方、木の陰から窺っている。

  エリオット「さてと・・・鍛冶屋はどこだろう・・・。」

      マルコ、ゆっくり3人の側へ。

  マルコ「兄ちゃん、何か探し物かい?」
  エリオット「(マルコを認める。)やぁ・・・。この村の子どもかい?」
  マルコ「うん・・・まぁな。」
  ポポ「この村に鍛冶屋はあるかワン?」
  マルコ「鍛冶屋・・・?」
  ミミ「エリオットの剣を研いでもらうんだニャア。」
  マルコ「剣?へぇ・・・兄ちゃん、格好良い剣持ってんなぁ・・・。
       オイラの父ちゃんが鍛冶屋だぜ。案内してやるよ。」
  エリオット「助かるよ。ありがとう。」

      4人、下手方へゆっくりと進む。

  マルコ「兄ちゃん・・・」 
  エリオット「ん?」
  マルコ「その剣貸しなよ!持ってやるよ!!」
  エリオット「え?」
  マルコ「(エリオットの剣を、奪うように取り上げる。)やーい!!
       この剣はオイラが貰ったぜ!!(上手へ走り去る。)」
  エリオット「あっ!!」
  ポポ「おい!!何するんだワン!!」
  ミミ「こら!!悪ガキニャア!!」
  ポポ「追い掛けようワン!!」
  ミミ「OKニャア!!」

  エリオット「頼んだぞ!!」

      ポポ、ミミ、マルコを追い掛けて、上手へ走り去る。

  エリオット「やれやれ・・・僕としたことが・・・。まぁいいか。
         それより・・・何だか寂れた感じのする村だなぁ・・・。」

      その時、下手より1人の女性、ゆっくり登場。

    
       (左より)エリオット、マルコの母、マルコ、ミミ。
   
     少し、ピンボケぎみですが・・・お許しください<(_ _)>
 人手が足りず、エリオットとマルコの母は、1人で動かしています^^; 



           
       さて、マルコに奪われた剣は一体・・・。
       いやに落ち着いたエリオットですが、ちゃんと“白い花”を
       見つけることが出来るのでしょうか・・・。
       それでは“2”へと、つづく・・・。


  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

   
                “キャシーの森”より。

    上の黒い部分、横の引き幕の部分で、多少小さく見えている
    かも知れませんが、大体これが、全寸です。
    (右の方に見えているのは、紗幕です。)
    何百人でも対応できる“人形劇”の舞台を目指して、
    舞台、人形、物語共、全てオリジナルの手作りです^^;
    今まで1度の最高観客数は、小学校公演での300人くらい
    ですが・・・行く行くは・・・千人目指しま~す(^^)v
    へへへ・・・^^;

    「夢はでっかく・・・大きく・・・高く・・・そして、深く・・・
     厚く・・・どこまでも・・・」 
 

                               6/25  どら。


      あ、背景の上の方にチラッと見えている・・・“こより”
      のようなものですが、あの背景、実は引き抜きに
      なっているのです。あの見えている部分を、
      下から引きちぎって、場面転換を行います。
      意外と、舞台裏は・・・壮絶です。

     春公演に、来て頂いたことのある方ならご存知かも・・・
     開演前と後に、挨拶に出る私・・・丸で別人ですから・・・^^;     
  








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蝶の国の仲間たち ―全6場― 完結編

2011年07月18日 20時48分02秒 | 脚本

        
            
             蝶達を捕まえようとしているシュウ君。

      1月の公演時の写真は残っていませんでしたが、
      3月に違う小学校で公演した時の簡易舞台での
      写真がありました(^^)v
      (メンバー全て、人形操作に回っている為、写真を
      撮る者がいないのです・・・(;_:)
      この写真も、その呼んで下さった小学校の方が、
      撮ってらっしゃったものを分けて頂きました。
      ありがとうございました<(_ _)>
      子ども達が熱心に見入ってる、素敵な写真もあった
      んですけどね・・・。お見せできないのが残念です。)

      後ろの時計の時間、エラく早いと思われましたか?
      はい、呼んで頂ければ、何時であろうと・・・
      場所がどこであろうと・・・
      子ども達の笑顔に出会う為・・・出かけて行きます~♪

                                            
                                  どら。


  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

  じいさんの声「う・・・うわぁーっ!!」
  
  ジョー「え!?」

  シュウの声「わあ、蜘蛛だ!!また僕の部屋を、蜘蛛の巣らけに
          するつもりだな!!直ぐに追い出してやる!!」

       “バシッバシッ”叩く音。

  じいさんの声「わぁーっ!!わぁーっ!!」

       “バシッバシッ”叩く音。
       コロン、落ちて来る。(ドサッ)

  コロン「キャーッ!!」
  ジョー「コロン!!大丈夫か!?」
  コロン「ええ、私は大丈夫よ!!でも・・・でも蜘蛛のおじいさんが・・・
      (泣き声で)」
  ジョー「コロン・・・」
  コロン「おじいさーん!!」

       紗幕、閉まる。

  ――――― 第 5 場 ――――― A

       紗幕前。上手より、虫カゴを片手にシュウ登場。
       下手より、シュウの母登場。

  シュウ「全く・・・、あんな蜘蛛、一体どこから入って来るんだろう。
       さて・・・でも、邪魔者はいなくなったから・・・さっそく
       この綺麗な蝶の羽を・・・(カゴを置いて、何かをする
       ように。)」

  蝶達の声(口ぐちに)「キャーッ!!」

  シュウの母「まあ、シュウ!!何してるの!?」
  シュウ「あ、ママ!今からこの蝶の羽を1枚1枚はがして・・・」
  シュウの母「1枚1枚・・・!?やめなさいシュウ!!」
  シュウ「ママ・・・?」
  シュウの母「逃がしてあげるのよ!」
  シュウ「でも・・・」

       音楽流れる。

  シュウの母「シュウ・・・、どんな小さな生き物にも、命があるのよ。
          自然の流れで、どんな生き物も生きる為には、
          辛い・・・仕方のないこともあるの。けれど、どんな
          生き物も、自分達の勝手で、自分達より弱い者を
          苛めるようなことをしてはいけないのよ。」
  シュウ「ママ・・・」
  シュウの母「・・・分かるわね?この蝶達にも、きっとパパや
          ママがいるわ。家族のところへ帰してあげなさい・・・。」
  シュウ「うん・・・分かったよ・・・。」

       シュウの母歌う。

       “思いやりと 優しさに満ちた
       心を持った子になって
       そっと手を差し伸べるような
       暖かい子に・・・”

       (音楽フェード・アウト。)

  シュウ「さぁ、おまえ達お行き!ごめんよ、こんな狭いカゴの中に
       押し込めて・・・!(逃がしているように。)」

       シュウ、シュウの母下がる。
       紗幕、開く。

  ――――― 第 5 場 ――――― B

       蝶達。

  蝶2「危なかったわねぇ・・・!」
  蝶3「本当!」
  蝶1「綺麗だって言うのは、危険がつきものなのよねぇ・・・!」
  
       コロン、上手より登場。

  コロン「皆・・・」
  蝶2「コロン・・・」
  コロン「無事でよかったわね。」
  蝶1「ええ・・・。でもあなた・・・あの家の中で、何をしていたの?」
  蝶4「僕達が捕まってるのを、喜んで見に来たんだよ!」
  コロン「え・・・?」
  蝶2「酷いわね!」
  コロン「違うわ!」
  蝶1「仲間がピンチだった・・・って言うのに。」
  蝶4「それにその羽・・・」
  蝶2「どうしたの?」
  蝶1「色も私達のように綺麗じゃないうえに・・・傷だらけだわ!
     (笑う。)」

  ジョーの声「こいつはな!!」

       カマキリのジョー、上手より登場。

  コロン「カマキリさん・・・」
  蝶2「キャーッ!!カマキリだわ!!」
  蝶達口ぐちに「キャーッ!!」
  コロン「皆!!大丈夫よ!!このカマキリさんは!!」
  蝶達口ぐちに「キャーッ!!」
  ジョー「おい!!おい!!キャーキャー言ってないで、
      よおく聞きやがれ!!おまえら!!こいつがどうして、
      こんなに傷だらけなのか知りたいか!!それはな!!
      危険をおかしながら、ここまでおまえらを助けようと
      やって来たからなんだ!!」
  コロン「カマキリさん!!」
  ジョー「こいつがどんな目に遭いながら、ここまでやって来たと
      思ってるんだ!!」

       音楽流れ、コロン、ジョー歌う。

    コロン“いいの やめて 皆が無事なら
        私がどんな姿になっても”

    ジョー“傷を作り やっとの思いで    コロン“いいの 私 
        皆の為にやって来たんだろう       何も 望ま
        なぜそれを教えてやらな          ないわ 誰も
        おまえの思い全て出して”         思い 同じ”

                          
    コロン“私 役に立てなかったけれど
        ただ皆 戻って
        会えた それがとても嬉しくて
        他には                蝶達“あなたの
        いらない                   思いが
        私の思いただ                初めて知った
        それだけ”                  ありがとう”

  蝶1「ごめんなさいコロン・・・」

  ――――― 第 5 場 ――――― C

       音楽変わる。
       蝶達、カマキリのジョー、コロン歌う。


   
   分かりにくいかも知れませんが・・・いささかコロンちゃんの髪が
   乱れております。


       蝶達“ありがとう あなた   コーラス“ありがとう あなた
           私達のこと              助けた
           勇気溢れるあなたに                
           心から感謝している”       してる”

       コロン“嬉しい心をありがとう
           私は皆の側に
           ただいたくて”      コーラス“いたくて”

       ジョー“心から願い       コーラス“暖かい心
           叶った                 取り戻した今”
           届くと信じてた”

       コロン“私だけの力でない
           あなたが側にいてくれたから
           私 頑張れた”

  ジョー「(照れたように。)そんなこと・・・照れるじゃないか・・・」

       蝶達“私達 いけなかった
           あなたに冷たくて
           違いを認める心
           それが大切”           コーラス“今”

       コロン“いいけた子 私だって
           皆と一緒に
           笑って過ごしたかった・・・”

  コロン「なんだか・・・ものすごく眠いわ・・・少しだけ・・・
      眠らせて・・・」
  ジョー「コロン・・・?」

       コロン、じっと動かなくなる。
       音楽変わる。

  ――――― 第 5 場 ――――― D

  蝶2「コロン・・・?」
  蝶1「どうしたの?」
  蝶4「コロンの様子が、なんだか変だ・・・」
  ジョー「変?」
  蝶2「コロン!」
  ジョー「おい、コロン!!どうしたんだ!!」
  蝶1「全然動かないわ!!」
  蝶2「・・・死んじゃったの!?」
  ジョー「・・・死んだ・・・」
  蝶4「そんな・・・!!」
  蝶1「嘘・・・嘘だわ!!」
  蝶2「私達のせいよ!!」
  蝶4「僕達を助ける為に、怪我をしてるのに無理をしたから
     !!」
  ジョー「嘘だ・・・コロン・・・コロン!!おい、目を開けろ!!」
  蝶1「コロンが・・・死んじゃったわ・・・!!」

       蝶達歌う。

       “皆の為に頑張った          コーラス“命を
        私達を助ける為に”              かけた”

       蝶達泣く。

  蝶達口ぐちに「コロ―ン!!」
  蝶2「・・・違う・・・」
  蝶4「え・・・?」
  蝶1見て・・・」
  ジョー「コロン・・・?」

       コロン、綺麗な羽に生まれ変わる。
       (目覚める。)

  蝶2「コロン・・・」
  蝶1「クィーンだわ・・・」
  蝶4「クィーンバタフライだ・・・」

       コロン、羽を大きく揺らす。歌う。

       コロン“今こそ 私は生まれ変わるの
           どんなにこの時を
           夢見てた”

  ジョー「綺麗だ・・・誰よりも・・・」

       全員、下がる。

  ――――― 第 6 場 ―――――

       音楽変わる。
       楽しそうに、笑いながら蝶達下手より登場。

  蝶1「カマキリさん!」
  蝶2「この辺りにお願いできます?」

       カマキリのジョー、下手より登場。
       (蝶達、上手後方へ去る。)

  ジョー「ああ、任せとけ!(独り言のうに。)俺様も、今では
      すっかり蝶の国の仲間・・・って感じだな。」

       ジョー歌う。

       “姿がどうでも 同じ生きてる仲間
       心は一つだと
       教えてくれた あいつがいた”

  コロン「カマキリさーん!!(上手より、走り登場。)」
  ジョー「おいおい・・・おまえさんはもう、蝶の国のクィーン
      なんだぜ。そんな気安く・・・」

     コロン、歌う。

     “私は私よ
     どんな姿に変わろうとも
     変わらないわ
     大切なのは心
     一つに合わせれば
     怖くはないわ
     私の心は          コーラス“皆 思い 一つ 心 合わせ
     変わることないのよ”         誰もが 生きる 仲間 同じ
                           思い 持った 仲間だ”

  ジョー「よし!行くぞ!」
  コロン「うん!(行きかけて戻る。会場の子ども達に。)みんな!
      さよなら!!」

   

                             
        正面から見たコロンちゃん。「ばいばーい!!」

    生まれ変わる場面では、後ろにもっと大きなピンクの
    羽が広がっています。
    花嫁さんのベールみたいで、自分で言うのもなんですが・・・
    とっても可愛いんですよ。 




             ――――― 幕 ―――――
        
      



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪   
    

           
      “蝶の国の仲間たち”公演時に、子ども達にプレゼント
       した蝶達のマスコット。




    時々、“去る”“登場”ではなく、“下がる”“上がる”と
    言った言葉が出てきますが、間違いでもなんでも
    ありません。人形劇特有の・・・下に消える、下から出て来る、
    状態のことを指します。まあ、普通の舞台で言う“セリ上がり”
    “セリ下がり”だとご想像ください^^;


                             6/20   どら。


     自慢ではありませんが・・・
    私、実は無茶苦茶“機械オンチ”・・・と言うか、
    このパソコン一つ取っても、今こうやって
    文字を打ててること自体、ホントはとーってもスゴイ
    ことで、突然訳の分からないボタン(?)を押して
    しまってアタフタ・・・なんて、しょっちゅうなのです^^;
    で・・・今も途中で、突然“投稿”ボタンを知らずに押し
    ちゃったみたいで・・・。
    焦ってたのですが、幸か不幸か・・・上手い具合に
    いっちゃったので・・・ホッ^^;です。
  
    初めて“写真”を上手く載せれた時は・・・大感激でした~❤
    少しずつ・・・色んなことが出来るように、頑張ろうっと・・・。


                             6/21  どら。


    あ、ここでそろそろ次回掲載作品の予告を・・・。
    次回は、去年の春公演で、“キャシーの森”と2本立てで
    公演した“光の国のエリオット”を、ご紹介したいと思って
    います。突然に男の子男の子した作品を、書きたくなって
    仕上げたのがこの作品です。

    再び実は・・・のお話ですが・・・
    主人公達の声は、私です^^;
    しばらく、女の子が続いていたこともあり、このエリオット君
    の時には、思いっきり発散できて、「とぉーっ!!」
    「やぁーっ!!」等が、一杯出てきて、とっても
    気持ちよかったです❤ 
    いつか・・・皆さんにも聞いて頂けると・・・いいなと思います。       
     








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蝶の国の仲間たち ―全6場― 2

2011年07月18日 19時47分27秒 | 脚本

 
           
           (前)蜘蛛じいさん、(後)コロン
          
      “キャシーの森”の蜘蛛さんより、「より本物に近い」
       蜘蛛さんを目指して作ったのが、この蜘蛛じいさんです。
       足を作りながら「美味しそう~」と、思わず言ってしまった、
       カニ身棒のようなおじいさんの足・・・。「美味しそう」
       伝わりますか?足が沢山あるだけあって、
       見かけと違って、動きがとっても可愛いのです。


                                   どら。



    ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

       ――――― 第 3 場 ―――――
  
      音楽変わり、紗幕開く。と、家の中の様子。
      蜘蛛じいさん歌う。

      “誰にも 見つからず
      ひっそりと生きている
      ひたすらエサを待ち 
      影を潜め
      壁に貼り付く”

      

  じいさん「おーっと・・・久しぶりの獲物がやって来たようじゃ・・・。
        しめしめ・・・」

      蜘蛛じいさん、下手へ隠れる。   
      そこへ、回りをキョロキョロ見回しながら、
      上手よりコロン登場。

  コロン「私・・・人間の家の中って初めてよ・・・。」

  ジョーの声「おーい、コロン!!先々行くと危ないぞーっ!!
         気を付けるんだ!!家の中は何が・・・」

      コロン、蜘蛛の巣に引っ掛かる。

  コロン「キャアッ!!助けて!!カマキリさん!!
      カマキリさーん!!」
  ジョー「(どうした!?(上手より、走り登場。)」
  コロン「助けて!!助けてーっ!!」
  ジョー「・・・もう全く、何やってんだ・・・。はぁ・・・。おい・・・!
      おい、蜘蛛のじいさん!!」

      蜘蛛じいさん、下手よりゆっくり登場。

  じいさん「おお・・・カマキリのジョーじゃないか・・・。珍しい・・・。
        用心深いおまえさんが、こんな人間の家の中に入って
        来るとは・・・。人間に見つかったら、一握りに
        されちまうのぉ・・・。(笑う。)」
  ジョー「ああ、分かってるさ!ところで・・・そのじいさんの巣に
      かかった蝶は、この俺様のエサなんだ。」
  じいさん「ほぅ・・・」
  ジョー「なんとか見逃してくれないか?」
  じいさん「嫌じゃの!」
  ジョー「そう言わずに頼むよ。」
  じいさん「嫌なこった!」
  ジョー「・・・この俺様が、こんなに頼んでるってのにか・・・?」
  じいさん「駄目じゃ!こんな家の隅っこで、めったにエサに在り
        付くことはないんじゃ!こんな美味そうな食料は、
        久しぶりじゃからの!幾ら、おまえさんの頼みでも、
        聞くことはできんわ。」
  コロン「キャーッ!!」
  ジョー「そうか・・・。駄目だそうだコロン!ひっかかったおまえが
      悪い。俺も諦めるからおまえも諦めろ・・・。」
  コロン「嫌・・・嫌よ!!カマキリさん!!助けて!!
      助けてーっ!!」
  ジョー「(溜め息を吐いて。)全く・・・世話の焼ける・・・。
      なあ、蜘蛛のじいさん!折角作った大きくて綺麗な蜘蛛
      の巣を、この俺様のカマで切り裂いたりしたら・・・」
  じいさん「な・・・なんじゃと・・・!?」
  ジョー「困るよなぁ・・・」
  じいさん「お・・・おい、何をする気じゃ!」
  ジョー「ちょっとばかし、このカマの切れ具合を・・・」
  じいさん「や・・・やめるんじゃ!!折角ここまで大きく作った巣を、
        そんなカマで壊されたんじゃあ堪ったもんじゃないわ
        !!いくらわしでも、ここまで大きな巣は、簡単には作る
        ことはできん!!」
  ジョー「じゃあ頼むよ、じいさん!」
  じいさん「・・・仕方ないのぉ・・・」
  ジョー「悪いな!」
  じいさん「(蜘蛛の巣から、コロンを外してやる。)はぁあ・・・
        こんな年寄りを、ぬか喜びさせるとは・・・」
  コロン「・・・ありがとう・・・」
  じいさん「それで・・・おまえさん達は、一体どこへ行くつもり
        なんじゃね?」
  ジョー「ああ・・・ちょっとこいつの仲間を捜しにな・・・。」
  じいさん「ほぅ・・・」
  コロン「おじいさん!私の仲間を知らない?」
  じいさん「知っておるよ。」
  コロン「え・・・?」
  ジョー「本当か?じいさん!」
  じいさん「ああ・・・。確か・・・この家の2階の子ども部屋に・・・」
  コロン「子ども部屋・・・」
  じいさん「どうじゃ、このわしが案内してやろうか?」
  コロン「本当!?」
  ジョー「おい、じいさん・・・一体何を考えてやがる・・・。」
  じいさん「(笑う。)わしは何も考えとらんよ。」
  コロン「早く案内して、おじいさん!」
  じいさん「ああ、わしに付いて来い!」

         
  「おじいさん!早く案内して!!」「ああ、わしに付いて来い。」

      コロンちゃんの羽、上の写真と違います。
      どうしてでしょうね~^^;




      音楽流れ、3人歌う。

  コロン「ありがとう!」

      コロン“勇気を出すのよ 怖がらないわ私
          心強い味方 2人もいるわ”

      ジョー・じいさん“俺達いつの間に仲良しに”

      コロン“仲間を助けるわ それが役目なの”

      コーラス“仲間達”

      コロン“勇気出してね”

      コーラス“今 行こう さあ・・・”

  じいさん「さあ・・・ここが子ども部屋じゃ・・・」

      (部屋の扉、セリ上がる。3人ゆっくり見上げる。)

  コロン「ここが・・・」
  じいさん「中に入ったら、二度と出て来れんかも知れんぞ。」
  コロン「分かってる・・・。2人は外で待ってていいわよ・・・」
  ジョー「何言ってるんだ!・・・一緒に行くって決めたんだ・・・。
      男に二言はないね!!」
 
      コロン“皆を助けるわ
          力を合わせるの”

      3人“仲間がいるだけで
         何でもできる”

      (扉開く。と、部屋の中。)
       紗幕、閉まる。

  ――――― 第 4 場 ―――――

       紗幕前。カゴの中に蝶達。(セリ上がる。)
       音楽流れ、蝶達歌う。

  蝶1「私達、こんなカゴの中で一体どうなるの!?」
  蝶2「もう二度と、あの青空の下を飛べないんだわ!」

       蝶達泣く。

       蝶1“私達 小さな生き物の宿命”

       蝶4“捕まれば終わりだ 一生外へは出られない”

       蝶2“このカゴの囲まれた世界の中で”

       蝶1“見世物か羽もぎ取られ終わりを迎える”

       全員“酷い 苦しい 辛い運命”

  蝶1「見て!!あそこにコロンがいるわ!!」
  蝶2「え?どこどこ!?」
  蝶3「本当だわ!」
  蝶4「おーい!!ここだよーっ!!」
  蝶1「ここよー!!コロン!!」
  蝶達口ぐちに「おーい!!」

       全員“私達弱い者
          生きる為に隠れ過ごす
          行きぬく人生
          運が悪く捕まれば終わり”

  蝶1「助けてーっ!!」
  蝶2「ここよーっ!!」
  蝶4「ここだよーっ!!」
  蝶3「コロンーッ!!」
  帳達口ぐちに「おーいっ!!」

       カゴ(蝶達)下がる。
       紗幕開く。上手より、蜘蛛じいさん、
       カマキリのジョー、コロン登場。
       歌う。

       ジョー“誰かに見つかり 捕まれば終わりだ
           隠れる場所はない
           逃げ通す自信もない”

       コロン“私達 小さな生き物達は”

       ジョー“生きる為 この身を隠し
           ひっそり生きるのさ”

       じいさん“怖い 恐ろしい いつも怯えてる”

  じいさん「ほれ・・・(上を指差す。)あそこじゃよ。」
  コロン「どこ・・・?(見上げる。)あ!!いたわ!!あそこよ!!
      皆ーっ!!助けに来たわよー!!」

       3人“我々は弱い者
          生きる為に隠れ過ごす
          生きぬく定めさ
          運が悪く 見つかれば終わり”

       (音楽フェード・アウト。)

  ジョー「しかし・・・あんな高いとこ・・・どうやって・・・。あ!そうか!
      おまえさんならひとっ飛びして、あそこのカギの金具を
      外せば・・・」
  コロン「・・・私・・・」
  ジョー「どうした?」
  コロン「・・・さっき・・・蜘蛛の巣に引っ掛かった時に・・・羽を・・・」
  ジョー「え?(羽を見る。)あれま・・・こりゃあ酷いな・・・」
  コロン「でも・・・大丈夫!!この壁を登って行くわ!!」
  ジョー「登る!?」
  コロン「ええ、登るわ!!こう見えても私、身軽なのよ!」
  ジョー「駄目だ駄目だ!!飛べもしないおまえが、壁を登って行く
      なんて無茶だ!!
      途中で落っこちて、たちまちあの世行きだぜ!!」
  じいさん「フォッフォッ・・・どうせ後で、おまえさんの食事になるん
        じゃろ?」
  ジョー「(慌てたように。)・・・に・・・にしてもだ!!見す見す
      落ちると分かっているものを・・・」

       音楽流れる。コロン、ジョー歌う。

  コロン「私は皆を助けに来たのよ!!だから・・・」
  ジョー「コロン・・・」

       コロン“危険と分かってても今
           私が行かないと        コーラス“危険だ”
           他には誰もいないから
           私が行くわ”          コーラス“危ない”

       ジョー“危険だ
           命の保証はない
           危ないぞ”            コーラス“危険だ
                                    危ない”

       
       コロン、壁を登って行く。

  ジョー「あ!!おい・・・おいコロン!!待て!!待てよ!!」

       コーラス“危険と分かってても今
            あなたが行かないと     ジョー“止めとけ”
            他には誰もいないから
            勇気を出して”         ジョー“無茶だ
                                   止めろ”

  
  じいさん「フォッフォッフォッ・・・今時の蝶は言うことを聞かん
        のぉ・・・。さて・・・じゃあわしも・・・」
  ジョー「え・・・?」
  じいさん「こんな壁、わしら蜘蛛には地面も同じじゃ。年寄りでも
        楽々じゃわ!」
  ジョー「そうだった!」
  じいさん「お先に食事に行かせてもらうとするかの!
        フォッフォッフォッ・・・悪いのぉ・・・カマキリのジョーさん。」

       蜘蛛のじいさん、スルスルと壁を登って行く。

  ジョー「あ!!おい・・・おいじじぃ!!糞う・・・!!おーい!!
      コロン!!今すぐ下りて来ーい!!コロ―ン!!」

  コロンの声「キャーッ!!」

  ジョー「コロ―ン!!」
    

              
        
       さて、仲間を助ける為に、危険を顧みず、
      壁に挑んで行ったコロンですが、
      無事に仲間達を助けることができるんでしょうか・・・。
      コロンをエサにするつもりで、道案内を買って出、
      その後を追って行った蜘蛛じいさんはどうなるんで
      しょう・・・。
      それは“3”でのお話です・・・。つづく。       



              

   ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪            

          
        1月の、小学校公演の時に子ども達に配った、
       春公演のご案内入り“蝶の国のなかまたち”チラシ。

      分かりますか?5月の春公演、1月の段階ではまだ
      “仮題”です。作品は1年くらい前に仕上がっているのに、
      この題名だけは・・・毎回、間際にならないと決めないので、
      回りの色々な方々に・・・ホント迷惑をかけています^^;

      (来年春公演作品も仕上がっています。題名は・・・
      勿論まだありません!!
      ・・・キッパリ!! 来年作品・・・チョー大作で~す(^^)v)

                               6/17 どら。
                                          
   
          
     これは、脚本の大まかな筋や、歌詞、セリフ等を、
     考えついた場面ごとに書き連ねたノートの1ページです。
     鉛筆書きで見えにくいかもしれないですが、
     中程にジョーのセリフの「あぁあ・・・かわいそうに・・・」
     が・・・見えますか?

     私がお話を考える時って、いつも頭から考えていくのでは
     なく、「書きたい!」と思った場面から書いていくので、
     結構色んな場面をバラバラに書いていきます。
     それを最終的に1つにまとめて仕上げていくのですが、
     うまい具合につながった時の快感は・・・
     やめられません~(^^)v
     

                            6/18 どら。







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蝶の国の仲間たち ―全6場―

2011年07月18日 19時32分02秒 | 脚本

  

“蝶の国の仲間たち”

          
           コロン(左)、カマキリのジョー
                 
      ここに写っているのが、実際公演の時に演じる
      お人形たちです。これが見本となって、マスコットが
      出来上がります、フツーは・・・。
      ですが、カマキリのジョーだけは、先に紹介した
      あのマスコットを見本に作ってみました。
      いかがですか? なんとな~く・・・似てるでしょ^^;


                               どら。



   ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪  


   <主な登場人物>

   コロン ・・・ 変な色の羽を持つ。
   カマキリのジョー
   蜘蛛じいさん
 
   シュウ ・・・ 人間の少年。
   シュウの母

   綺麗な羽を持つ蝶達



   ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

        音楽流れ、幕が開く。

   ――――― 第 1 場 ――――― A

        コーラス“美しい蝶達が
              集まる国
              選ばれた
              美しい蝶達だけ”

        そこへ、1匹のくすんだ色の羽の蝶(コロン)
        上手より登場。歌う。

        コロン“美しいこの国で
            幸せにいた”

   コロン「お兄様も・・・お姉さまも・・・皆、とても綺麗な羽をして
        いるの・・・。それなのに私は・・・」

        コロン、下手へ飛び去る。

   ――――― 第 1 場 ――――― B

        音楽変わり、美しい羽の蝶達登場、歌う。
        (途中、コロン下手より登場する。)

      蝶達“綺麗な羽         コーラス“美しい蝶よ(さ)
         色とりどりの             皆が振り返る

         美しく輝くわ(よ)          蝶の国で
         私達

         綺麗な羽               憧れの瞳
         色様々で               羨ましい思い”

         夢にまで見てたこの羽よ(さ)
    
         見て見てあの子の羽の色は
         可哀想だわ(ね) あんな変な色
         私達と違う
         くすんでるわ(よ) 綺麗じゃない
         あんな変な羽
         私達は皆ママそっくり
         あなただけが違う
         仲間でない
         変な色 あっちへ行って!”

        美しい羽の蝶達、笑いながら下手へ去る。
        コロン歌う。

      コロン“私1人 皆と違う    コーラス“憧れの瞳
          こんな色 変な羽          羨ましい思い
          どうしてなの             いつも見てた
          いつの日にか
          私も同じ                美しい蝶よ
          綺麗な羽になって          皆が振り返る
          飛ぶわ

          綺麗な輝く色にんるの
          皆と同じ美しい羽よ
          誰もが見るわ
                                綺麗な色
                                輝くは
                                なんて素敵なの
          私もいつか皆と同じに
          輝く蝶になる
                                素敵な羽
                                美しい
                                誰も見とれる
          綺麗な羽 皆のように
          大空を羽ばたいて
          みたいの”

        紗幕閉まる。

   ――――― 第 2 場 ――――― A

        紗幕前、下手より1人の少年(シュウ)、
        虫取り網を持って登場。

   シュウ「あぁあ・・・パパに無理言って、虫取り網を買って
        もらったけど・・・虫なんかちっともいないや!ちぇっ!
        つまんない・・・。あ!!あそこに綺麗な羽の蝶が・・・。
        わぁーっ!!沢山いる!!あの蝶を捕まえて、
        羽を集めて額に入れて飾ろう!綺麗な壁掛けができ
        るぞー!!ママへのプレゼントに丁度いいや!!」

        (恐ろしげな音楽。)

   シュウ「つーかまえたっ!!」

   蝶1声「え!?」
   蝶2声「キャーッ!!」

   シュウ「やった!!捕まえたぞ!!綺麗な羽の蝶を沢山
        捕まえた!!」

   蝶3声「キャーッ!!」
   蝶1声「出して!!出してーっ!!」

   シュウ「綺麗な色だなぁ。あれ・・・?なんだこの蝶・・・。飾りに
        ならないから、こいつはいらないや!変な羽の色だな!
        おい、おまえ!行っていいぞ!!おまえは逃がしてや
        るよ!!変な色のお陰で、命拾いしたな!(笑う。)」
 
   コロン声「あっ!!」

        シュウ、何かを放すように。

   シュウ「さあ、家へ帰って羽の壁掛けを作るぞー!!」

   蝶2声「キャーッ!!」
   蝶1声「私達どうなるの!?」
   蝶3声「助けて!!」
   蝶1声「助けてーっ!!」

        シュウ、上手へ去る。
        紗幕開く。 

        
           捕まった美しい蝶達。
                      

   ――――― 第 2 場 ――――― B

        コロン1人立ち尽くす。

   コロン「待って!!待ってーっ!!皆をどこへ連れて行くのー
       !!皆ーっ!!」

        そこへ、カマキリのジョー、ゆっくり下手より登場。

   ジョー「あぁあ・・・可哀想に・・・」
   コロン「・・・え?」
   ジョー「人間に捕まっちゃあ、お仕舞いだな。」
   コロン「誰・・・?お仕舞いってどう言うこと!?」
   ジョー「俺様はカマキリのジョー!お仕舞いってのは・・・羽を
       引きちぎられて、皆殺されるってことだ。」
   
             
                 カマキリのジョー
                立ち姿も中々でしょ。



   コロン「・・・殺されるって・・・」
   ジョー「殺される・・・!それが小さく生まれた俺達の運命・・・
       っちゃあ言い過ぎか。(笑う。)」
   コロン「酷いわ!!」
   ジョー「酷いも何も・・・俺様の仲間達も、何匹も人間に・・・!!
       人間の野郎・・・!!それに俺達の食料の虫達を、
       自分達の勝手で捕まえたり殺したり・・・。お陰で、俺たちゃ
       いつも腹がペコペコだ!!だが今日は・・・人間の興味を
       ひかないおまえさんのお陰で、久しぶりにこのペッタンコ
       の腹が満たされそうだ。(笑う。)」
   コロン「え・・・?」
   ジョー「悪いな。折角、人間の手から生き延びたってのに。
       いただき・・・」
   コロン「待って!!」
   ジョー「おいおい、なんだよ急に。命乞いか?」
   コロン「待って!!少しだけ私に時間をちょうだい・・・!!」
   ジョー「時間・・・?」
   コロン「私・・・皆のことを助けに行くわ!!」
   ジョー「たすけ・・・?え・・・?何言ってんだよ・・・」
   コロン「私の大切な仲間をほっておけないわ!!だから・・・」
   ジョー「おいおい、まえのことを仲間外れにして、その羽の色を
       笑ってた奴らが皆いなくなったんだぜ。これで、おまえを
       笑い者にする奴らは、皆いなくなったんだぜ。ま、
       おまえも直ぐに俺様に食われちまうんだが・・・。(笑う。)」
   コロン「私の羽は、こんなだから・・・きっと食べても美味しくない
       わよ・・・。」
   ジョー「(笑う。)俺達カマキリは、見た目が美味そうとかどうとか
       なんて関係ないんだ。腹が一杯になりゃあ、それでいい
       のさ!」
   コロン「・・・分かったわ・・・。でも・・・!!皆を助けに行く時間を、
       私にちょうだい!!」
   ジョー「そんな風に、上手いこと言って・・・俺様からまんまと
       逃げようって魂胆だな?」
   コロン「違うわ!!私は逃げないわ!!心配なら、一緒に
       行きましょう!!」
   ジョー「一緒に・・・って・・・人間のとこに、俺様も一緒に行け
       ってか?」
   コロン「・・・そう・・・」
   ジョー「馬鹿か、おまえ!人間に見つかったら最後・・・俺達
       なんか、手足をもがれていっかんの終わりだ!!」
   コロン「大丈夫よ!!危なくなったら1人で逃げていいわ・・・」

        音楽流れ、コロン、ジョー歌う。(紗幕閉まる。)

      コロン“私行くわ            コーラス“助ける
          1人でも助けるわ             大切
          大切な仲間                仲間だ”
          蝶の国の兄弟だから”                
                         ジョー“おまえのことを
      コロン“あぁ私には           仲間外れにした
          皆のように            そんな奴らを
          綺麗な羽は           助けるのは無駄だ
          ないのよ それでも”      自分勝手な奴
                             ほっとけばいいのさ
      コーラス“仲間に            どうなろうと
            入れるな           知ったことではないさ”
            あんな奴は
            仲間に入れない
            自分勝手な蝶
            どうなろうと知らない 
            それが償い”

     コロン“大切な仲間          ジョー“おまえを拒否した
          家族だから               そんな奴らを”
          たとえ受け入れてもらえなくても
          私は私よ
          心向くまま”            コーラス“助ける
                                   助ける”

                              ジョー“助ける
                                  仲間を”

   コロン「だから私は行くわ!!」
   ジョー「(溜め息を吐いて。)仕方ない・・・。そんなに言う
       なら付き合ってよるよ。ただし!無事におまえの家族を
       助け出した暁には・・・(舌舐めずりする。)」
   コロン「(ジョーに抱きつく。)ありがとう!!私はコロン!!」
   ジョー「はぁ・・・よし!じゃあコロン!行くぞ!!」


         



       さて、カマキリのジョーと一緒に、人間の家へと
       向かうことになったコロンですが・・・。
       無事に仲間の蝶達を助け出すことができるので
       しょうか・・・。
       それでは“2”へとつづきます。
     


  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 

        
        おまけフォト^^;“ピンクのももちゃん”より。
          (H23年3月、小学校の教室にて。)
    
      実はこのお話は3部完結予定の、ただ今2部まで
      完成しています。
      完結編は・・・他の作品に手を取られ、
      中々書くことができません・・・。
                  

 

         
          “コーラス”がある作品は、ここ1、2年の
          どら作品の特徴であります。
          私的には、ものすごーく歌に厚みが出て、
          このコーラス、とっても気に入って
          るんですけどね・・・。セリフメンバーには・・・
          どうなんでしょう^^;

                                       
                               どら。                    





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