――――― 第 4 場 ―――――
場面変わって、森の様子。
(中央に長老座っている。)
そこへ、下手よりクルト登場。続いてケイト、
回りを見回しながら登場。
クルト「長老ー!!長老ー!!」
ケイト「ここね、クルトが言ってた心の森・・・」
クルト「うん!(くしゃみをする。)」
ケイト「大丈夫?」
クルト「うん・・・寒いね。」
ケイト「はい!これ・・・あげるわ!(自分のマフラーを外し、
クルトの首に巻く。)」
クルト「え・・・?」
ケイト「あなた、こんな寒い日に、薄着だと思ってたの。(笑う。)」
クルト「ケイト・・・」
長老「クルト。」
クルト「(長老を認める。)長老!!」
長老「どこへ行ってたんじゃ、こんな寒い日に。」
クルト「あ、うん!お客さんだよ、長老!」
長老「客?」
ケイト「こんにちは・・・」
長老「はい、こんにちは。」
ケイト「・・・サンタクロース・・・?」
長老「(笑う。)残念ながら、サンタクロースではないのぉ。この森
に、昔々から住む、ただの年寄りじゃよ。」
クルト「この人が、僕の言ってた長老だよ!」
雪がチラつく。
長老「(手を出し、雪を受けるように。)おお・・・雪が降ってきた
ようじゃ。朝から冷えると思ったら・・・」
ケイト「おじいさんも、随分薄着ね。」
長老「(笑う。)わしは“長老”じゃからのぉ。寒いも暑いも、あまり
関係ないのじゃよ。」
ケイト「マフラーはクルトにあげちゃったから・・・そうだ!おじい
さんにはこれを・・・(自分の被っていた帽子を取り、長老
に差し出す。)はい!暖かいわよ!」
長老「そうか・・・?(帽子を受け取り被る。)さて・・・では、おまえ
さんの願いを聞かせてもらうかの?サンタクロースでは
ないが、おまえさんの願いは、叶えてやることができるかも
知れんぞ。」
音楽流れる。
ケイト「私・・・素敵な女の子になりたいの・・・。誰のことも羨まし
がったりしない・・・そんな素敵な女の子になりたいの・・・
!!」
クルト「素敵な女の子・・・?」
ケイト「私・・・家が貧しくて、みんなが持ってるような、新しい筆箱
や鉛筆や・・・可愛いリボンとか・・・何も持ってないの・・・。
だから、いつもみんなのことを羨ましいと思って・・・どうして
私には、欲しくても手に入らないものを、友達はみんな
持ってるんだろうって・・・そんな風に思って・・・。でも、人の
ことを羨ましがるなんて!!私は心が歪んでるのよ!!
だから・・・人のことを羨んだりしない、素敵な女の子になり
たいの!!」
ケイト歌う。
“明日 今日より素敵な女の子になるわ
心に誓うわ 誰よりもね・・・
素敵になるの・・・”
ケイト「おじいさん、叶えてくれる・・・?」
長老「(笑う。)おまえさんは、叶えて欲しいと言うがのぉ・・・。わし
にはその願いはもう、おまえさんは手にしておると思うが
のぉ。どうじゃ、クルト。」
クルト「うん、長老!僕も、ケイトは素敵な女の子に違いないと
思うよ!」
ケイト「でも・・・!」
長老「見てごらん。」
後方に、少年1、2、倒れていた人登場している。
音楽流れる。
3人歌う。
少年1、2“あなたに出会えた偶然が
僕らに力を与えるんだよ”
倒れていた人“誰かに感謝する気持ちが
あれば 全てが輝いている”
3人“ありがとう お礼も言わないで
今までは自分のことだけでした
あなたに言われ助けてもらい
僕らはみんな・・・
感謝の気持ちが溢れているんだ”
ケイト歌う。
“そんなつもりはなかったけど
誰かにお礼を言われるなんて
心が少し暖かいわ
なんだかいいことした気分
ありがとう 私の方だって
みんなから素敵な気持ちを少し
分けてもらえた・・・
願いが叶う
そんな気持ちに満たされるこのとき
奇跡みたいだわ”
長老「誰にも“ありがとう”を言われるおまえさんは、誰よりも素敵
な女の子じゃよ。わしも礼を言わないとな。おまえさんの
心と同じ、暖かい帽子をありがとう。」
クルト「僕もありがとう!!」
ケイト「おじいさん!!クルト!!」
音楽変わる。
全員歌う。
“優しい気持ち
明るい笑顔
溢れる思いが
あればいい
誰もが持ってる
素敵な心
気付いた出会いが
宝物だよ”
長老「わしからのクリスマスプレゼントじゃよ・・・」
森がキラキラのイルミネーションに彩られ、
輝く美しい森に変わる。人々歓声を上げる。
ケイト「さよならー!!」
音楽盛り上がり。
――――― 幕 ―――――
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それでは、このページでも、次回掲載作品をご紹介したいと
思います。・・・が、沢山ある作品の中の、どれから紹介して
いけばいいのか・・・と、迷う所ではありますが・・・
例のクローゼットの奥から、引っ張り出した作品の中より、
キャシー以降書き始めた、ファミリーミュージカル作品の中
から・・・“犬”のお話し・・・と思ったのですが、つい読み返して
しまった、“おもちゃ”のお話しを、ポン吉をご紹介した後でも
ありますし、お届けしたいと思います(^^)v
お楽しみに~(^^♪
本当に沢山の作品を書いてきました。
色んな劇団に提供してきて、「使います。」と言われた作品に
関しては、私の手からは離れ、その提供させて頂いた劇団の
作品なので、いくら私とは言え、ここで紹介させてもらうことは
出来ません。
でも、ここに載せて、みなさんにお見せしている作品に関しては、
劇団の方に読んで頂いたことはあっても、使用されると聞いた
ことのない、まだ私の手の中にある私の作品です。なので、もし、
どこかで違う形で、同じような作品があったとして・・・、それは
決して私の作品ではありません・・・、と言うことをお伝えして
おきます。
どら。
http://www.geocities.jp/littlepine2005/
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
http://blog.goo.ne.jp/axizgoo7227