ジ―ク「それで人間の言葉が分かる薬を・・・?」
チュー吉「うん・・・でも本当は、人間になる薬があればなぁ・・・
って。こんなネズミの姿じゃ、きっと言葉が分かっても、
君に気味悪がられるんじゃないかって・・・そう思った
・・・。けど・・・君は僕が考えてた通りの人だったよ。」
ジ―ク「・・・え?」
チュー吉「だって、こんな姿の僕と、友達になってくれたじゃない
か。いつもビスケットを半分、分けてくれた優しい君・・・
ありがとう・・・ジ―ク・・・。」
チュー吉歌う。
“ありがとう・・・
いつもいつも言いたかった一言
言葉を交わすことが
永遠に訪れることがないと
そう思っていた・・・
でも神様からのプレゼントで
僕は君に一番大切な・・・
心を伝えることが出来た・・・”
ジ―ク歌う。
“僕の方こそありがとう・・・
小さな小さな君
いつもどこかに隠れて
ひっそり暮らす小さな友達
僕に会う為にやって来てくれた君・・・
僕の言葉が君に届いた
ありがとう・・・”
ジ―ク、チュー吉を肩に乗せる。
――――― 第 6 場 ――――― B
その時、上手より3人の少年登場。
ジ―クに気付き、肘でお互いを突き合う。
少年4「おい、ジ―ク!」
少年5「何ブツクサ独り言、言ってんだよ。」
ジ―ク「・・・別に・・・(下手へ行こうとする。)」
少年6「(ジ―クの前へ、立ち塞がる。)待てよ。」
少年4「俺達が話し掛けてんだぜ。知らん顔することないじゃな
いか。」
ジ―ク「・・・ほっといてくれよ。」
少年6「(ジ―クの肩に乗っているチュー吉に気付いて。)おい
・・・おまえの肩・・・ネズミが乗っかってるぜ!!」
少年5「本当だ!!おい!!ジ―クの奴、肩にネズミなんか乗
てやがる!!」
ジ―ク「いいだろ!!そんなこと!!」
少年4「きったねぇ・・・」
ジ―ク「煩い!!」
チュー吉「ジ―ク、ほっといて行こうよ。」
ジ―ク「けど・・・!!」
チュー吉「僕は何て言われても平気さ。」
ジ―ク「・・・チュー吉・・・うん・・・行こう・・・」
少年5「おいおい、また独り言か!?」
少年6「ネズミなんかと一緒にいるから、頭がどうかしちまった
んだ!!」
少年4「そんな人間に菌を撒き散らすネズミなんか、こうしてや
る!!(チュー吉の尻尾を掴んで、放り投げる。)」
チュー吉「わあーっ!!」
ジ―ク「止めろーっ!!チュー吉!!(放り投げられて倒れて
いるチュー吉に駆け寄る。)チュー吉!!チュー吉!!
しっかりしろ!!」
少年5「(笑う。)チュー吉だって。」
少年6「そんなネズミに名前付けて、おまえ、家でそのネズミを
飼ってんのか!?(笑う。)」
少年4「(笑う。)変わった奴。」
少年5「行こうぜ!(3人下手へ行きかける。)」
ジ―ク「・・・待てよ・・・」
3人知らん顔で、歩き続ける。
ジ―ク「待てって言ってるんだ!!」
3人振り返って、ジ―クを見る。
少年6「何だよ、エラソーだな。」
ジ―ク「・・・よくもチュー吉を・・・」
少年4「何だよチュー吉、チュー吉って・・・」
少年5「ただのそんなネズミ野郎。」
ジ―ク「・・・チュー吉はただのネズミじゃないんだ・・・!!俺の
大切な友達だ!!」
少年6「友達・・・?」
少年4「友達だって。(笑う。)」
少年5「(笑う。)馬鹿かおまえ・・・」
ジ―ク「馬鹿はどっちだ!!わあーっ!!」
ジ―ク、少年達に飛び掛かる。が、3人に
軽く押し返される。
少年6「(笑う。)3人に、1人で敵う訳ないだろ。」
ジ―ク「小さなチュー吉に、何てことするんだ!!」
ジ―ク、再び少年達に飛び掛かるが、
3人に押し退けられる。
少年4「煩いな!」
少年5「もう、ほっといて行こうぜ!」
少年6「ああ。」
3人の少年行き掛ける。(音楽流れる。)
ジ―ク「待て・・・待てよ!!」
ジ―ク歌う。
“おまえらには分からないんだ
自分のことしか考えられないような奴に
他人の気持ちなんて分かる筈もない・・・”
少年4「何言ってんだよ、こいつ・・・。」
ジ―ク歌う。
“大切なのは分かろうとする心
何があっても理解し認め合う
たとえ相手が誰であっても・・・”
少年達歌う。
“そんなのはおまえの戯言
他人を分かることなんて出来るもんか
自分のことだけで十分だ
笑わせるな!”
ジ―ク歌う。
“違う・・・
出来ないと決めつけるな
やろうとしないで出来る訳がない”
ジ―ク「分かること・・・分かろうとする心があれば・・・みんなが
お互いを認め合い・・・それだけでみんなが幸せになれ
るのに・・・。こんな小さな生き物だって・・・僕らと同じ
心を持ってるんだ!!小さい体で一生懸命生きてるん
だ!!それが分かれば、こんな酷いことが出来る訳が
ない!!」
少年5「・・・何だよ・・・」
少年6「何でそんなムキになって・・・」
少年4「たかがネズミじゃないか・・・」
少年5「変な奴・・・」
少年6「謝ればいいんだろ、謝れば!!」
少年4「悪かったな!!おい、行こうぜ!!」
少年5「ああ!!」
ジ―ク、チュー吉の側に。
3人の少年、話しながら下手へ去る。
少年6「そう言えば、もう直ぐ隣町から、芝居小屋がやって来る
らしいぜ。」
少年4「へぇ・・・」
少年6「見に行ってみようぜ!」
少年5「ああ。」 ※
(少年達の話し声、段々、小さくなる。)
ジ―ク「畜生・・・!!チュー吉・・・チュー吉・・・!!ごめん・・・
ごめんよ、チュー吉・・・小さなおまえを守ってやれなく
て・・・(チュー吉を抱き上げる。)」
チュー吉の声「ジ―ク・・・」
ジ―ク「(動かないチュー吉を見る。)チュー吉・・・?」
チュー吉の声「僕のことを友達だと言ってくれたね・・・。本当に
ありがとう・・・。僕は小さなネズミに生まれてきて
よかったよ・・・。少しの間だったけれど・・・僕は君
と一緒にいることが出来て、本当に嬉しかった・・・
。僕は・・・君が大好きだったよ・・・。そして・・・さよ
うなら・・・。」
ジ―ク「チュー吉・・・」
その時、それまで動かなかったチュー吉が
目覚め動く。
ジ―ク「チュー吉・・・?チュー吉!!」
チュー吉「・・・チュー・・・チュー・・・(ネズミの泣き声。)」
ジ―ク「チュー吉・・・」
チュー吉「チュー・・・チュー・・・」
チュー吉、ジ―クの手から起き上がり、
上手へ走り去る。
チュー吉「チュー吉!!・・・俺・・・薬の効き目が切れたんだな
・・・。でも・・・よかった・・・無事で・・・。(上手方に向か
って叫ぶ。)チュー吉ー!!ありがとうー!!」
音楽流れ、ジ―ク歌う。
“何が大切か・・・
心からそう感じることが一番必要だ
何を大切にしたいのか・・・
そう感じても
それが必要ないこともあるんだ・・・
そんな当たり前のことを
今まで気付かずにただ
目の前のことに夢中になって
回りを見ずに見失う
そんなただ少し視野を広げただけで
見えてくること・・・
それに気付かせてくれた
心からの僕の友達・・・”
ジ―ク「チュー吉ー!!俺も君が大好きだー!!」
チュー吉の声「チュー・・・」
音楽盛り上がり。
――――― 幕 ―――――
※ どうしても、この会話を入れたかったのです^^;
何故か・・・?はい、ご想像のとおり、春公演つながり
でございます(^_^;)
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(どら余談^^;)
それでは、ここら辺で次回掲載作品の紹介をしておきたい
と思います(^^)v
次回は、先にお話ししていましたように、“チュー吉”くんが
主人公のお話しで『チュー吉くんの星に願いを・・・』を、
ご紹介したいと思います(^^)
このお話し、今回の作品をここに紹介しながら、横で書き上
げていたのですが(実は今日現在まだ途中であります^^;)
、“二番手キャラ”とでも言うのでしょうか、今回のお話しで、
チュー吉くんがそうであったように、今書き上げているお話し
で、主役のチュー吉くんに対して二番手キャラ的な登場ネズ
ミくんが、これまた書いてる途中から、とても魅力的な悪者
ネズミくんと変身してしまったのです^^;
どんなお話しでもそうですが、主役がカッコいい、可愛いの
は当たり前・・・でも、それに対する人物に、魅力がないと、
お話しの面白みも半減する・・・と、言ったように、意外と
この二番手キャラは、とても重要な役処であると考えます。
で・・・魅力的故に、その人物なるものの裏物語的な作品
が書きたくなって・・・よって、その二番手を主人公にした
お話しが出来る・・・結果、またまたその主人公に相対する
魅力的な二番手が生まれる・・・と言った構図が出来上がり
・・・永遠に私の物語は続いて行くのであります♥
へへへ・・・(^_^;)
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