チュー太の声「わあーっ!!」
チュー吉の声「兄さん!!」
チュー太の声「助けて・・・助けてーっ!!」
チュー五郎、上手方を見て慌てたように。
(悲鳴や叫び声が続く。)
チュー吉の声「止めろ!!止めろーっ!!兄さんに手を出すな
!!あっちへ行け!!」
チュー太の声「助けてーっ!!わあーっ!!」
チュー吉の声「止めろーっ!!」
チュー五郎「おい・・・おい!!オオタカじゃねぇか!!あのトビ
の野郎!!上手いこと言って騙しやがったな!!
おい、待ってろ!!(横に置いてあった袋の中をガ
サゴソ探す。中から何やら一つずつ取り出し、放り
出す。)これじゃねぇ!!どこだ・・・どこにあるんだ
!!えっと・・・これも違う!!おい、待ってろよ!!
今直ぐ助けて・・・!!これは・・・違うだろ!!え・・
・っと・・・どこだ・・・どこだ!!(袋の中から、小さな
火薬玉を取り出す。)あった!!これだ!!」
チュー五郎、後ろ向きに何かをしている風に。
(“カチカチ”“シュボッ”と、ライターに火を点ける
音がする。)
チュー五郎「(下手方を見て、一際大きな声で。)おーい!!人
間が来たぞーっ!!(手に持っていた火薬玉を、
下手方へ放り投げる。)
その時、火薬の爆発音が辺りに轟く。
“ドーン!!”(チュー五郎下がる。)
オオタカの声「猟銃だ!!」
トビの声「狩りだ!!人間が狩りにやって来たぞーっ!!」
2羽の鳥の羽ばたく音が、段々遠ざかる。
(紗幕開く。と、頂上の様子。)
――――― 第 6 場 ――――― B
チュー太、倒れている。横でチュー吉、
慌てたように。
チュー吉「(涙声で。)兄さん!!兄さん!!確りして!!兄さ
ん・・・どうしよう・・・!!僕のせいでこんな大怪我を・・
・!!兄さん・・・!!確りして、兄さん!!兄さーん!
!(泣く。)」
そこへ、上手よりチュー五郎、走り登場。
チュー五郎「おい、大丈夫か!?」
チュー吉「おじさん・・・!!兄さんが・・・兄さんがーっ!!」
チュー五郎「(チュー太を抱き起こす。)おい!!おい、確りしろ
!!おい、まだ生きてるぞ!!」
チュー吉「僕のせいだ・・・僕が無理矢理兄さんを、こんなとこま
で連れて来て・・・(泣く。)」
チュー五郎「おい、おいチビ!!メソメソ泣いてんじゃねぇ!!
俺様の袋から、緑色の小瓶を探しな!!」
チュー吉「兄さーん・・・!!(泣く。)」
チュー五郎「おい!!急げ!!メソメソ泣いてる暇はねぇ!!
早くしねぇと、兄貴が死んじまうぞ!!」
チュー吉「え・・・?」
チュー五郎「死んじまったらお仕舞いだ!!」
チュー吉「お仕舞い・・・う・・・うん・・・(袋をガサゴソ探す。)」
チュー五郎「おい、見つかったか!?」
チュー吉「え・・・えっと・・・あ・・・あった・・・あったよ、おじさん!
(取り出したものを、差し出す。)」
チュー五郎「その中の薬を一粒貸せ!!」 ※
チュー吉「う・・・うん・・・(薬を取り出し、チュー五郎に差し出す。
)はい・・・」
チュー五郎「(薬を受け取り、チュー太の口へ。)おい・・・これ飲
み込めるか・・・?おい、頑張れ・・・」
チュー太、薬を飲み込む。と、突然
起き上がる。
チュー太「僕・・・」
チュー吉「兄さん・・・」
チュー太「あれ・・・僕どうしたのかな・・・?」
チュー吉「兄さん!!よかった、助かったんだ!!」
チュー五郎「ふう・・・間に合ったか。(笑う。)俺様の頭陀袋も、
満更捨てたもんじゃねぇな。」
チュー吉「・・・おじさんが助けてくれたんだね・・・」
チュー五郎「あの薬屋のばあさん、本当に効く薬を作ってやが
るみてぇだな。(笑う。)」
チュー吉「ありがとう!!(チュー五郎に抱き付く。)」
チュー五郎「あ・・・おい!!・・・いいってことよ・・・(微笑む。)」
紗幕閉まる。
――――― 第 7 場 ――――― A
チュー吉、チュー太の声「ただいまーっ・・・」
上手より、チュー吉の母、慌てた様子で登場。
下手より、気不味そうに、チュー太登場。
チュー吉の母「これ、チュー吉!!チュー太!!今までどこに
行ってたの!?」
チュー太「母さん・・・ただいま・・・」
チュー吉の母「どれだけ心配したと思ってるの、本当に!!」
チュー太「ごめんなさい・・・」
チュー吉の母「よかったわ・・・無事で・・・」
チュー太「母さん・・・はい・・・(手に持っていたものを、差し出す。
)」
チュー吉の母「何・・・?(受け取る。)」
チュー太「チュー吉と2人で、今まで探しに行ってたんだ・・・。母
さんの誕生日プレゼントだよ。」
チュー吉の母「え・・・?これ・・・ダイヤモンドじゃないの・・・。」
チュー太「うん!キラキラ輝く宝石さ・・・。」
チュー吉の母「あなた達はホントに・・・(涙を拭うように。)ありが
とう・・・。」
チュー吉の母、チュー太下がる。
――――― 第 7 場 ――――― B
音楽流れ、紗幕開く。と、中央にチュー吉、
嬉しそうに立っている。歌う。
“目に見える夜空に輝く美しい星
でも本当は誰の心にもある
キラキラ輝く美しい思い・・・
それに気付かず
見えるものだけ追い求め
道を逸れそうになった時
導く光が一番美しく
誰の心にも深く届く力強い輝き・・・
それを忘れなければ
屹度これからの進む道に・・・
永遠に続いて行く
キラキラ輝く美しい願い星・・・”
嬉しそうに遠くを見遣るチュー吉。
音楽盛り上がり
――――― 幕 ―――――
※ ここでは“錠剤”ですが、クリフくん作品では・・・一応
“液体”のお薬になります^^;
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(どら余談^^;)
さて、次回のお話しですが・・・まだ何も考えていない状態
です(>_<)・・・ので、今しばらく、時間を下さいm(__)m
直ぐに帰って参ります^^;
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