りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“森につつまれて 海へルカ!” ―全7場―

2013年08月26日 21時11分07秒 | 新作(人形劇用)



  〈 主な登場人物 〉

  ルカ  ・・・  本編の主人公。
           森が好きな心優しい少年。

  森の精  ・・・  森に住む精霊。

  隊長  ・・・  海軍の隊長。ルカの父。

  ダリ  ・・・  ルカと同じ歳の少年。海軍の一員。

  親方  ・・・  海賊の親方。

  風の精  ・・・  風の精霊。


  その他


― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ―



   
   
            ルカ少年



      開演アナウンス。(客電落ちる。)

      押し寄せ引く波の音(ザップーン)が
      響く。

  父(隊長)の声「ルカ・・・強くなれ・・・!!いいか
         !!おまえは父さんの後を継いでこの海
         軍を・・・この島を守っていくんだ!!
         いいな!!」
  ルカの声「父さんなんか・・・父さんなんか海のことば
      っかり!!父さんなんか大っ嫌いだ!!」
  父(隊長)の声「ルカ!!」

     ――――― 第 1 場 ―――――

      音楽で幕が開く。と、木々が生い茂る
      森の中。(微風が吹き抜ける。)
      そこへ上手より一人の少年(ルカ)、
      大事そうに何かを抱かえ、誰かを捜す
      ように走り登場。   
             ※



   

   見え難いかも知れませんが、ルカくん、両腕の中に
   鳥かごを抱かえています(^-^)
 
   ↑ は、その鳥かごを前板の上へ落とさないように
   置こうとしている絵です(^^;




  
  ルカ「森の精ー!!森の精ー!!」

      ルカ歌う。

     “そよぐ風に乗り
      木々の香りが
      僕を包み込む
      優しい思い”

      木の後ろより森の精、ゆっくり登場。
      歌う。

     “どうしたの      ルカ“どこなの?
      そんな大きな声出して    どこなの?
      ここにいるわ        どこにいるの
      私なら”          どこなの?”

  ルカ「(森の精を認め。)あ・・・森の精!!これを見
    て!!(抱かえていた箱を差し出す。)」
  森の精「(箱の中を見る。)まぁ・・・可愛い小鳥・・・
     。」       ※2

      ルカ“なんて可愛い小さな小鳥”

     森の精“あなたらしいわ”

      ルカ“僕が見つけたふるえていたよ”

     森の精“優しい子とても”

      ルカ“森の奥で見つけたんだよ”

     森の精“昔からそうね”

      ルカ“こんな可愛い小さな小鳥が”

     森の精“誰にも手を貸す”

      ルカ“一人ぼっちで羽ふるわせてたよ
         僕を見上げていたずっと”

    コーラス“いつもあなたは優しい
         心が澄んだ泉のように
         輝いてる”

      ルカ“僕が助けるよ
         小さな友達”

  ルカ「木の上の巣から落ちて怪我してたんだ!可愛いだろ?
     怪我が治るまで、僕が面倒見てやるんだ。」
  森の精「ルカは優しいのね。お父さんが海軍の隊長だなんて
      信じられないわ。」
  ルカ「僕は父さんとは違う・・・。島を守る為とかなんとか・・・
     海に出て行って反対に海賊の奴らをやっつけるんだ。
     海賊にしたら、どっちが悪者か分かりゃしないさ・・・。父
     さんのやってることは、海軍だと言っても海賊と同じだ
     ・・・。」
  森の精「そう・・・?」
  ルカ「僕は父さんみたいにはならない・・・。」

      その時、上手より一人の少年(ダリ)登場。
      (森の精、下がる。)

  ダリ「おいルカ!おまえまたこんな森の中で、何一人ブツブツ
     言ってんだよ。」
  ルカ「ダリ・・・なんだっていいだろ・・・」
  ダリ「いいこと教えてやろうか?俺、今度、海軍の船で一緒
     に連れて行ってもらうことになったんだ!!すごいだろ!
     初航海だぜ!!」
   ルカ「(ダリの言うことは聞いていないように、箱の中を覗き込
     んでいる。)ふうん・・・」
  ダリ「おまえは海に出たことあるのかよ。確かおまえの親父さん
     は、海軍の隊長だったよなぁ・・・。おまえは親父さんとは
     大違いだな。(笑う。)」
  ルカ「だったらなんだよ・・・」
  ダリ「何見てんだ?(箱の中を覗く。)小鳥・・・?おまえ小鳥なん
     てそんな大事そうに連れて・・・何考えてんだよ。こんなとこ
     で鳥捕まえて遊んでると、今度こそ親父さんに愛想尽かさ
     れちまうぜ!なぁ、弱虫ルカ!!」

      ダリ、笑いながら下手へ去る。

  ルカ「・・・弱虫・・・か・・・。・・・海なんか・・・行きたいもんか・・・」

      音楽流れる。ルカ歌う。

     “海になんか行くもんか
      大人になんかなるもんか

      これからも            森の精“あなたは
      ここにいて                 歩いて
      いつまでも                 行くのよ
      このままで                 いずれは”

      いつも側になぜ君は
      ここにいるの微笑んで”

  ルカ「森の精・・・君は僕以外の人には見えないんだね・・・。」
  森の精「そうよ・・・私は本当に心優しい子どもにしか見えない
      の・・・。昔・・・あなたと出会うずっと昔・・・あなたと同じ
      ように毎日私に会いに来た子どもがいたわ。」
  ルカ「え・・・本当?どうしたの、その子どもは・・・」
  森の精「大人になったわ・・・。」
  ルカ「大人・・・」
  森の精「大人になると私はもう見えないの・・・」

      ルカ歌う。

     “これからだって君といる
      静かな森 守られて”

  ルカ「僕は大人になんてならない。」
  森の精「人はみんないつか大人になるのよ・・・ルカ・・・」

      紗幕閉まる。

     ――――― 第 2 場 ―――――

      (紗幕前。)
      上手より海軍の男たち、話しながら登場。

  男1「隊長!今度の航海にルカは連れて行かねぇんですかい
     ?隊長の後を継ぐなら、そろそろルカにも色んな経験を
     させた方が・・・」       ※3
  隊長「・・・あいつはまだ無理だ。」
  男3「けど同じ歳のダリは連れて行くんでしょう?」
  隊長「ダリはルカと違って海軍に対する意気込みが違う。もう
     今直ぐ入隊したってやっていけるさ。だがルカは・・・」
  男1「そうだよなぁ・・・。あいつのあの弱い・・・いや・・・弱いって
     んじゃないな。あの優しい性格はどうにかしねぇとな・・・。」

      音楽流れ、男たち歌う。     ※4

     “あいつは駄目
      優し過ぎる
      森の中で
      花を見てる
      気がつけば
      いつも奴は
      森の中にいるんだ

      あんなとこで         コーラス“何を
      見ているのか              ホント
      呆れた奴                 なんで
      あんな風に                なった”

      今 多分
      どこに奴は
      森の中にいるんだ”

      隊長歌う。

     “困ったもんだ はぁ
      男手ひとつで
      守り育てる為に
      甘やかさないで       コーラス“きた筈
      間違えたのか”             そうかも”

  隊長「厳しいだけじゃ駄目だと思ってきたが・・・」

      男たち歌う。 

     “奴がまさか          コーラス“優しいあいつ
      次の隊長
      我が海軍                 いま
      奴の指揮で                どこ”
      動くのは
      怖い奴は
      森の中にいるんだ”          “不安だぞ”     

      その時、下手よりダリ、走り登場。

  ダリ「隊長!!大変だ!!」
  隊長「どうした!?」
  ダリ「島の境界域に海賊が出た!!」
  隊長「何!?直ぐに出撃するぞ!!準備をしろ!!」
  男たち「おう!!」   ※5

      男たち、下手へ走り去る。

  ダリ「隊長!!」
  隊長「ダリ・・・おまえも来い!!」
  ダリ「はいっ!!」

      隊長、ダリ、下手へ走り去る。

     ――――― 第 3 場 ――――― A

      音楽流れ、紗幕開く。
      と、森の中。(1場の風景。)
      ルカ箱を手に、木に寄り掛かり歌う。
      横に森の精、立つ。

     “ああ守られた
      幸せな時間だ
      平和だと感じてる
      争いごとない             コーラス“幸せ”
      誰もがみな
      心から思える
      優しい日過ぎてゆく
      穏やかな日々
      このまま続いていけば”      コーラス“願いだ”

  森の精「ルカ、いつまでもここにいていいの?」
  ルカ「森の精・・・どうしてそんなことを言うの?僕はここにいた
     いんだ、ずっと・・・!」
  森の精「私だって、あなたにずっとここにいてもらいたいわ。」
  ルカ「だったら・・・」
  森の精「人間と言う生き物は、私たち精霊と違って命があるの
      よ・・・。生きているの・・・。私たちのように同じ場所から
      動かない・・・成長もしない・・・子どもにしか見えない空
      気のようなものではないのよ・・・。ルカは大人にならな
      くちゃ・・・。」

      ルカ、歌う。

     “いつまでもいて
      幸せな思いを
      君たちと分かち合い
      暮らしていたい”

      森の精、歌う。

     “いつかは大人になる”

  ルカ「大人・・・」
  森の精「(頷く。)」
  ルカ「でも!!大人になったら君とはもう会えなくなるんじゃ・・・」

      その時、一風が吹き抜ける。

  森の精「風の精・・・」
  
  風の精の声(エコー)「こんにちは、森の精・・・ルカ・・・」

  ルカ「あ・・・風の精・・・」

  風の精の声「今、海へ行ってたんだけど・・・」

  森の精「海?」

  風の精の声「そうしたら海賊船と海軍が・・・」

  ルカ「え・・・?」

  風の精の声「・・・人間だ・・・」

  森の精「(上手方を見る。)本当だわ・・・(下がる。)」

      そこへ上手より海軍の男3、慌てた様子で
      走り登場。

  男3「おーい!!あ!!ルカ!!やっぱりここにいたか!!」
  ルカ「おじさん・・・」
  男3「大変だ!!(息を切らせて。)」
  ルカ「どうしたの・・・?」
  男3「それが隊長が・・・」
  ルカ「・・・父さんが・・・?」


   
   
   


      


 ――――― “森につつまれて 海へルカ!”
                         2へつづく ――――― 











  ※ 本番でのルカくんは、板付きで登場しました(*^^)v

  ※2 ご覧の通り・・・(見えるでしょうか・・・?) ルカくん、
      “箱”ではなく“鳥カゴ”を持っています(^_^;)

  ※3 この“男1”はお爺さんキャラです(^^;

  ※4 沢山ある歌の中で、団員たちが1、2を争う上手さだ
     と思ったお歌です♥
     うちの団員たち・・・皆女子ですが、何故か“おっちゃん”
     声が、皆とっても上手いのです^^;

  ※5 編集し損ねで、“たち”となっていますが、実際は1人
     が「おう!!」と言っています(^^;



― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



    (どら余談^^;)

    
    
    

    8月21日(水)

    今日は毎年呼んで頂いている小学校での公演日でした♪
    子ども達の生の反応に、私達も触発された楽しい公演日
    となりました(^O^)

    公演日記はまた後日ご覧頂こうと思いますが、
    一先ず公演に当たり、イロイロとご尽力ご協力頂いた
    方々に・・・一言お礼申し上げます♥

    「ありがとうございましたm(_ _)m」


    一つだけ私の反省点を・・・
    今回は汗だくになるので会場で着替えを・・・と思い、
    上のシャツだけを持参し、下は着ていったまま・・・
    と考え、出来るだけ楽なパンツを・・・と、ウエストゴムの
    ワイドパンツを着ていったところ・・・ウエストゴムって
    気付かなかったのですが、膝をついて人形操作してると
    引っ張られてズッてくるんですよね~(>_<)
    途中、気になって気になって・・・パンツを直す為に
    時々ルカくんの手の操作をほったらかしてしまいました
    (ーー;)
    ブラブラ手のルカくん・・・ごめんなさいm(_ _)m




























    





 
           



最新の画像もっと見る

コメントを投稿