ドジを踏んでしまった。
家人に知れたら、大目玉だ。
一昨日、西武新宿線の鷺宮の駅まで出向いた。
私鉄沿線の駅は、昔ながらの小さな商店街で、なかなか面白い。
川沿いの小さな八百屋さんは通りまで声が響くようで、活気がある。
西武新宿線は、西武池袋線と違い、なかなか、高架にならず、踏切が多い。
特に、鷺宮の駅は、特急・急行・準急・普通列車と、半端ない上下線が通過するため、踏切は
「開かずの踏切」とも言われている。
ようやく、開いたと思っても、すぐに警報音が鳴り始める。
そのうえ、踏切の幅も広い。
私が渡り始めて、半分以上すぎたころ、警報音が鳴った。
渡り切れると思いきや、足の悪い私には無理だった。
何とか、向こう側についたときは、踏切のバーが下りてしまっていた。
焦った!
幸い、空き地は広いので、電車に跳ねられる危険はないけれど、軌道内の不審者は、運転手さん
にも迷惑な話だろう。
バーの下は60センチほど空いている。
普通の人ならば、潜り抜けられる隙間だ。
が、私は、股関節に人工物が埋め込んである。
しばし、躊躇してたが、えいやっとばかり潜り抜けた。
が、あとがいけない。
踏切の外に出られたはいいが、しゃがみこんだ姿勢のまま。
一人では、立つことができない。
バーが上がり、歩き始めた人に、
「助けてください!」
と、声をかけた。
近くの人が、目の前の交番に駆け込んだ。
警察官の方が二人。 すぐに駆けつけてくれた。
「足が悪いんです! 立ち上がらせてください!」
と、頼み込んだ。
優しそうな警察官の方が、手を貸してくれて、立たせてくれた。
肉体的には、何処も痛めたところはなかったが、心は凄く傷ついた…。
踏切一つ、自力で渡れなかったこと。
誰でも簡単にできそうなバーを潜り抜けれなかったこと。
衆人の前に己の醜態をさらけ出してしまったこと。
情けなかった…。
警察官の方の優しさだけが救いだったけれど…。