>>>九州で空き家化するリスクの高い空き家予備軍都市 ~北九州市小倉北区,佐伯市,薩摩川内市~
出典:『週刊東洋経済」2021年10月16日号 66p,68p,81p,82p,83p
少子高齢化や核家族化,過疎化で,今や7戸に1戸が空き家家だという。
日本全国で増え続けている空き地は410万㌶に達し,すでに九州全体の面積368万㌶よりも広い(国土交通省の2016年地籍調査)。また空き家は849万戸に及び,空き家率は過去最高の13・6%に達した (総務省の18年住宅・土地統計調査)。
2021年10月,福岡県福岡市にある30階建ての「タワーマンション」(タワマン) が解体される、という報道が業界を駆け巡った。タワマンの解体はおそらく日本では初めてという。
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空き家予備軍ランキング
出典:『週刊東洋経済」2021年10月16日号 82p
18年の総務省「住宅・土地統計調査」によれば、高齢者のみ世帯が住む戸建て住宅(=空き家予備軍)は約829万戸で、戸建て総数に占める空き家予備軍の割合(=空き家予備軍率)は28・8%にもなっている。前回13年調査では約720万戸(25・2%)と5年間で109万戸(年平均21・8万戸)も増加した。
九州・沖縄地方で、空き家化するリスクの高い空き家予備軍都市では、北九州市小倉北区,佐伯市,薩摩川内市があげられる。空き家予備軍率が13年も18年も10位以内で人口も世帯数も減少している市区町村は、住宅需要低下の深刻化で中古住宅として売れにくいケースが増えており、空き家化するリスクが高い。
*市区町村の「空き家予備軍率」ランキング:住宅・土地統計調査は全戸を調査しているのではなく、国勢調査の人口規模に応じた統計的な方法で、無作為抽出した調査地域・世帯を対象とする標本調査による推計値だ。13年と18年の各調査で選定された調査区が必ずしも同じでないことに留意する必要がある。とはいえ、空き家予備軍率で前回も今回も上位にランクインした市区町村(太字)は、空き家予備軍率の高いエリアが確実に存在することを示唆している。