沖縄三越,再建策決定 地域支援機構が35%出資
9月21日をもって閉店する「沖縄三越本店」(那覇市)は,主要債権者の沖縄銀行が貸出金16億6100万円の債権放棄で合意したことから,8月1日付けで政府系ファンドである地域経済活性化支援機構の支援を受けることが決まった。
沖縄三越は100%減資したうえで,新たに地域経済活性化支援機構が35%,店舗跡地を引き継ぐリウボウホールディングス が65%を出資する。
沖縄三越は10月に社名をリウボウ商事と改める。リウボウHDと機構は「国際通り」にある百貨店の建屋を改装 し,2015年3月に沖縄の特産品販売店と吉本興業による劇場を核とした商業施設にする計画である。
⇒⇒ 株式会社地域経済活性化支援機構 ⇒ 株式会社沖縄三越に対する再生支援決定について
http://www.revic.co.jp/pdf/news/2014/140801newsrelease-2.pdf
◎再生支援決定についての機構の考え方
1)支援の意義
沖縄三越は、沖縄県那覇市の経済の中心である国際通りに不動産持分を有し、三越商標による百貨店事業を営み地域経済に貢献してきました。沖縄三越が破綻に至った場合、百貨店施設の処分については難航が予想され、「国際通り」の中心に位置する当該施設が長期に亘り荒廃する恐れがあります。
また、将来的な百貨店跡地の再開発を担う計画主体者が不透明となり、地権者交渉を含む権利調整が混迷を来し、周辺商業環境へ多大な悪影響を及ぼすことが予想されます。
本事業再生計画において、スポンサーとして選定した地元商業大手のリウボウは再生支援対象事業者の有する百貨店不動産の持分を承継し、将来の不動産開発に向けての推進主体としての役割を担うと共に、再開発までは当該施設の一部をリニューアルして新業態の商業施設(観光エンターテイメント施設)としての運用を計画しております。
また、仕入先・取引先は地元零細企業も含め400社を超え、再生支援対象事業者が破綻した場合、取引先に多大な影響を及ぼすことになるため、一般債権者に負担を与えない形での事業整理が望まれております。
以上のとおり、機構による支援は「国際通り」という沖縄商業・観光の中心地における地域経済の活性化に資するものといえます。 ※出所: http://www.revic.co.jp/pdf/news/2014/140801newsrelease-2.pdf
◎株式会社リウボウホールディングス
事業会社の統括・管理、資金調達、不動産賃貸業等 | |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 糸数 剛一 |
所在地 | 沖縄県那覇市久茂地1丁目1番1号 |
設立年月日 | 1990年(平成2年)9月11日 |
資本金 | 32億円 |
**************** *******
「沖縄三越本店」(那覇市牧志2-2-30) http://okinawa-mitsukoshi.jp/ は,1957年に「大越百貨店」として創業。1970年に三越と提携し「沖縄三越」へと名称を変更した。那覇の繁華街・国際通りに面する地上7階・地下1階の百貨店に加え、那覇空港の売店やキッチン用品を扱うギフトショップなどを運営する。
近年,景気低迷に伴う個人消費の落ち込みや他の商業施設との競争激化で業績が悪化したほか、沖縄三越に対し14%出資する「三越伊勢丹ホールディングス」 との三越ブランドの利用に関する期限が切れることから、現状での営業継続は困難と判断し,9月21日をもって閉店となった。
>>>沖縄銀行の「沖縄三越」に対する事業再生に向けての支援策
⇒⇒ 沖縄銀行 ⇒ 株式会社沖縄三越に対する事業再生支援について
http://www.okinawa-bank.co.jp/news_release/2014080100022/file_contents/260801mitsukoshijigyousaisei.pdf
◆沖縄銀行の「株式会社沖縄三越」事業再生計画について
・当行は『地域密着・地域貢献』を経営理念にして地域経済の発展を念頭に、当社の経営の安定化を図るべく、機構に事業再生支援を要請したものである。
・今後、事業継続に必要な資金についても融資対応を行うなど、機構とともに事業再生に向け協力・支援していく。
・当行は今後もSR活動(StrongRelation)を通じて、地域と強い信頼関係の構築・強い絆の構築により地域とともに発展できるよう努力していく。
(1)基本方針
①3事業の事業継続
沖 縄三越は、百貨店事業の他に「空港売店」、豊見城市の商業施設「TOMITON」内における高級スーパーマーケット「豊崎マイキッチン」の運営及びホテル JALシティ那覇内ブランドショップCOACH店舗運営の3事業を展開している。百貨店事業は、平成26年9月21日をもって、営業を終了し、3事業については事業を継続する。
②百貨店跡地における観光エンターテイメント事業
百貨店閉店後の不動産を利用し、体験型のお菓子や沖縄の特産品販売、飲食コーナー及びライブステージの運営等の観光エンターテイメント事業を展開する。
(2)事業再編(ストラクチャー)
沖縄三越の法人格を維持し、100%減資を行うとともに、リウボウホールディングス及び機構を割当先とする第三者割当増資を実施する。
(3)その他
事業再生計画において関係金融機関等が沖縄三越に対して有する金融債権について債権放棄等の依頼を行う。なお、事業再生計画における金融支援は関係金融機関等を対象とするものであり、商取引債権については何らの影響を及ぼすものではない。
>>>「沖縄三越」に対し,沖縄銀行が取立不能のおそれ
東証1部・福証上場の地方銀行「沖縄銀行」は、保有する債権について取立不能または取立遅延のおそれが生じたと,発表した。
「沖縄三越」(沖縄県那覇市)に対し8月1日付で地域経済活性化支援機構による支援が決定したための措置で、債権額は16億6100万円の見込みである。
なお,百貨店の閉店による地域の形骸化が懸念されることから、100%減資や債権放棄による金融支援で再建を目指すこととなり今回の措置となった。なお、当該債権のうち担保などにより保全されていない4400万円ついては、2014年3月期第2四半期決算において引当処理を行うと。
⇒⇒ 沖縄銀行 ⇒ 債権の取立不能または取立遅延のおそれに関するお知らせ
http://www.okinawa-bank.co.jp/news_release/2014080100015/file_contents/260801mitsukoshisaiken.pdf
・
![]() |
財界九州 2014年 08月号 [雑誌] |
クリエーター情報なし | |
財界九州社 |
![]() |
激流 2014年 08月号 [雑誌] |
クリエーター情報なし | |
国際商業出版 |
▼ 8月号 もくじ
新スーパーマーケット像を模索 ■食品スーパー21社の経営戦略 ・アークス(北海道・札幌市) ・コープさっぽろ(北海道・札幌市) ・マックスバリュ北海道(北海道・札幌市) ・ヤマザワ(山形県・山形市) ・ヤオコー(埼玉県・川越市) ・サミット(東京都・杉並区) ・三越伊勢丹フードサービス(東京都・中央区) ・オギノ(山梨県・甲府市) ・いちやまマート(山梨県・中央市) ・アクシアルリテイリング(新潟県・長岡市) ・バロー(岐阜県・多治見市) ・ヤマナカ(愛知県・名古屋市) ・オークワ(和歌山県・和歌山市) ・阪食(大阪府・豊中市) ・ハローズ(岡山県・都窪郡早島町) ・エブリイ(広島県・福山市) ・マルナカ(香川県・高松市) ・マックスバリュ九州(福岡県・福岡市) ・マルキョウ(福岡県・大野城市) ・ハローデイ(福岡県・北九州市) ・サンエー(沖縄県・宜野湾市) ◎主要チェーン110社の経営考課表 ◎INTERVIEW この人に聞く ■牛乳石鹸共進社 宮崎 悌二 代表取締役社長 ・思いやりの輪を広げ仕事のやり方を変えていく ◎特別レポート ・流通業界の競争環境を一変させた一杯のコーヒー ◎中国レポート ・景気減速の長期化で消費低迷に喘ぐ中国小売業の苦境 ◎次世代型販促 ■JR東日本ウォータービジネス(ビッグデータ活用) ・個店対応に行き着いた自販機のイノベーション ◎企業戦略 ■楽 天 ・リアルな体験で認知を広げるネットの価値とサービス ◎バイヤーズ・アイ セブンイレブン・ジャパン 商品本部 飲料・酒・加工食品担当マーチャンダイザー 片岡 孝寛 「酒 類」● 付加価値訴求と関連販売の提案力を強め、来店客数増を図る ◎話題店舗訪問 タウン・ドイト 東向島店(小規模型ホームセンター) ・ハードをソフトに変え、都市住宅地に密着する便利店 ◎ドラッグストア最前線レポート マツモトキヨシHD ・地域に根差す戦略を奨学金制度にも導入 ◎アジアを拓く 二〇〇兆円のハラルマーケット入門 最終回 ・現地展示会が示唆するムスリム攻略のマーケティング ◎どうなった?話題店舗のその後 東京ソラマチ(スカイツリータウン) ・開業集客効果一巡で見えてきたアクセスと運営の不備 ◎米国小売流通業最前線レポート Part1……ダークチョコレートが象徴する大人の菓子市場の拡大 Part2……ドライブスルーはコンビニエンスストアで定着するか ◎商品戦略 資生堂 ・「アネッサ」最強の日やけ止めに加えた美肌効果と快適な使用感 ◎企業戦略 丸和運輸機関 ・消費者までのワンストップサービスの提供で小売業の収益拡大に貢献 |
・