鹿児島市東千石町の複合型映画館(シネコン)「天文館シネマ」(仮称)の建設計画で、国の補助金が得られず計画を延期していた街づくり会社は、事業規模を縮小して着工の運びとなり,、来春にも開業の予定という。建物を小さくして事業費を約6億円削り、総額15億5千万円に見直した。だが、事業費の多くを補助金に頼る構想は変わっていない。すでに,鹿児島市内に2カ所に映画館があることから,そ果たして目論見通り集客できるか,その先行きは不透明である。
「シネコン市場の現状分析」-入場者数は頭打ち
日本映画製作者連盟(http://www.eiren.org/)によると2010年の国内の映画興行収入は09年比7%増の約2207億円であった。これは,「アバター」など、3D効果が出たことで,平均入場料金も1266円と過去最高を記録したことによる。
入場者数も約1億7400万人と同3%増えた。だが,傾向としては,2001年以降は頭打ち傾向にある。スクリーン数は01年から3割増え、1スクリーン当たりの客足は減った。
ここ10年で急増したシネマコンプレックス(複合映画館)には飽和感が強まり、戦略の見直しに迫られている。
なお,最大手、TOHOシネマズ(東京・千代田)は,これまでシネコンは人ロ40万~50万人以上の都市への出店を奨めてきたが,今年4月、試験的に20万人弱の長野県上田市に8スクリーン体制で進出した。
年間の入場者数は延べ30万人を目標とし、デジタル上映で映写担当者を置かず、自動券売機を導入して販売窓口の従業員も減らすなどの,運営コストの抑制により収益は上がる見通しという。人口20万人規模で映画館がない都市は少なくないことから,出店戦略の1つになる,としている。
参考資料:日経MJ 2011年7月6日 9面
出典:2010年(平成22年)全国映画概況 http://www.eiren.org/toukei/index.html
◆関連HP マーケティング&マニュアルゼミー |
オールタイム・ベスト 映画遺産200 外国映画篇 (キネ旬ムック) | |
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