地域にそだててもらう
しまむらは,東日本大震災の被災地である岩手県,宮城県,福島県,茨城県の4県に各1億円ずつの義援金を支援団体などを介さずに直接県へ渡したという。同社は「被災を受けられた各県では,地域の方々に大変お世話になってきた。今の状況を踏まえ,直接支援させて頂きたい」とコメントした。
この,「被災を受けられた各県では,地域の方々に大変お世話になってきた。・・・」との言葉に,同社のエリアマーケティング戦略が凝結されている。
この点に関しては,『無印良品を復活させたしまむら商法』(梛野順三著 なぎの・じゅんぞう著 ぱる出版)のp35~p37で明解に解説されている。その要点を抜き書きして紹介する。
◇「小売業は地域に育ててもらうものだ」という考え
しまむらの品ぞろえの特徴は,地域特性への配慮にある。ある地域では、農作業に適した「もんぺ」を売っていたり、夏には「麦わら帽子」がちゃんと置いてある。花見の春には酒やつまみ以外の必要グッズがあるし、秋の運動会シーズンもまたしかりだ。当然、豪雪地帯には、それなりの必要衣料を必ず売っている。
だから、しまむらは嫌いという客も多い。洗練されたセンスを求める人々は、まずしまむらには行かない。しかし、好きな顧客は、リピーターとして何度も足を運ぶ。
いつも店に来てくれる顧客が必要とする商品を用意しておくのが商いというものだ。
店は客のためにあり、小売業は地域のお客に育ててもらうものだという考えが、「もんぺ」に表れている。
この「小売業は地域のお客に育ててもらうものだ」という気持ちの表れが,「被災を受けられた各県では,地域の方々に大変お世話になってきた。今の状況を踏まえ,直接支援させて頂きたい」とし,東日本大震災の被災地である岩手県,宮城県,福島県,茨城県の4県に各1億円ずつの義援金を支援団体などを介さずに直接県へ渡したことに如実に表れているのである。
▼「しまむら」-バックナンバー
・しまむらのエリアマーケティング-店舗戦略
・しまむらのビジネスモデル-小商圏・地域集中出店 / 物流優先
・身の丈経営 「しまむら」の物流力の凄み 2
・身の丈経営 「しまむら」の物流力の凄み 1
▼関連HP
流通講座 -スーパー,専門店,百貨店,ドラッグストア,ホームセンター,他
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⇒ 関連HP ⇒ エリアマーケティング
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