ドラッカーは,遺作的な著作『ドラッカーの遺言 (講談社BIZ) ドラッカーの遺言』で,「スーバー経営者は恥ず事き存在」と論じている。ドラッカーが問題視している点は,欧米のスーパー経営者(カリスマ)が巨額の報酬ている点にある。〝この点に関しては,日本のスーパー経営者には,当てはまらないのではなかろうか。
◆スーバー経営者は恥ず事き存在
カリスマの否定ということに関してもう二言申し述べれば、私は現在のアメリカ企業の多くに対して、投資をしようという気持ちになれずにいます。
巨額の報酬を得る、〝スーパー経営者″ なる存在を認めていないからです。 先にアメリカにおける職業経営者の創始者として紹介したー・P・モルガンはかつて、「いかなる組織においても、いかなる企業であっても、トップの人間が一般社員の20倍を超える給料を得るようであれば、それは誤った経営である」と断じました。決してお金が嫌いではなかった彼が、トップが集中して巨万の富を得る会社への投資を断固,拒否したのです。
J・P・モルガンが作ったこのルールは、いまなお有効です。私がアメリカ企業への投資意欲を失ったのも、このルールに従ったからです。″スーパー経営者″たちが得る高額な報酬ほど、恥ずべきものはありません。
p136~p137
★,'*:..,.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~.
◆日本の経営者の推定所得
・日産のゴ~ン社長の推定年収(約10億円)
・トヨタ自動車の豊田章男社長(役員報酬年収1億3600万円)*配当金は3億円弱
・ソフトバンクの孫正義社長(役員報酬1億2800万円)*配当金は92億円超
・ユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井正会長(役員報酬額1億5000万円)*配当金は50億円超
・ニトリHDの似鳥昭雄社長(役員報酬額2億5500万円)*配当金は5.5億円超
・日本マクドナルドの原田泳幸会長兼社長(役員報酬額3億1700万円)
・楽天の三木谷浩史社長(役員報酬1億円未満)*配当金は5億円超
・グリーの田中良和社長(役員報酬1億円未満)*配当金は10億円超
参考資料:(日刊ゲンダイ2012/7/19) http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-6401.html
◆役員報酬ランキング(主要企業の取締役平均年収)
順位 | 会社名 | 平均年収 (万円) |
1 | 日産自動車 | 29,623 |
2 | ソニー | 23,757 |
3 | 住友商事 | 13,807 |
4 | コマツ | 12,914 |
5 | マツダ | 12,666 |
6 | トヨタ自動車 | 12,088 |
7 | 三菱商事 | 12,064 |
8 | ファナック | 11,880 |
9 | 新日本製鉄 | 11,168 |
10 | 川崎汽船 | 10,930 |
出典:http://rank.in.coocan.jp/salary/yakuin.html
▼ブログ-バックナンバー
・ドラッカーに学ぶ・7 「絶えざるイノベーションを」 -「北九州市の新成長戦略」に見るイノベーション
★,'*:..,.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~.
ドラッカー最後の言葉 (講談社BIZ) | |
『ドラッカーの遺言』を、新書サイズで再編集したペーパーバック版です。 | |
講談社 |
|
|||||
|