(2016-04-29 7:50更新 二稿)
富山,福井,石川の北陸3県と神奈川県の焼き肉チェーン店「焼肉酒家(やきにくざかや)えびす」で2011年,ユッケを食べた客ら計181人が発症,当時6~70歳の5人(富山県4人,福井県1人)が死亡した集団食中毒事件は,今月27日で発覚から5年を迎えた。
■ 「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件
2011年4月,「フーズ・フォーラス」(東京=当時金沢市、特別清算中)が運営の「焼肉酒家えびす」の富山,石川,福井,神奈川4県の8店舗でユッケなどを食べた客216人が食中毒を発症し,多くの患者から腸管出血性大腸菌O111が検出され,「えびす」富山県砺波店が営業停止に(4月27日)。砺波店で食事した6歳男児,70歳と43歳の女性,14歳の中2男子が死亡した。その後,被害は石川,神奈川両県にも拡大した。
■ ユッケをめぐる状況は,大きく変化
2011年10月,ユッケなど生食用牛肉の加工,提供方法を定めた国の基準が厳格化された。加工業者は生食用肉を扱う専用スペースの確保や,生食用肉の加熱殺菌などが必要になった。その肉を仕入れる焼き肉店も,同様に生食用肉を扱う専用スペースが必要である。
施設面で対応できず,ユッケ用肉の出荷をやめる業者が相次いだ。業界団体の全国焼肉協会(東京)によると,いま,新基準に沿って工場で加工し,パックに1食ずつ小分けした「個食ユッケ」が広がっているという。新基準に対応できる店は多くない。そこで注目されたのが厨房(ちゅうぼう)での処理が不要な個食ユッケだという。
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