3月3日,鉄道や旅あるいは観光地を題材とした推理小説で新境地を拓き,トラベルミステリー分野で他の追随を許さない第一人者・ 西村京太郎(にしむら・きょうたろう)さんが,がんのため亡くなりました。91歳でした。
東京陸軍幼年学校在学中の14歳で迎えた終戦体験から,「軍隊は自分たちの考えで行動するばかりで,民間(の人たち)とのつながりはなく,民間のために何かしようという気は全然なかったんだと思います。」と回顧しておられる。
そして,「長年,トラベルミステリーの作品を書いてきましたが,戦争を題材に書きたいという気持ちがずっとあるんですよ。ただ,大人になった今の気持ちで書くと,どうしても戦争反対になってしまう。当時,軍国少年としての私の気持ちは違っていて,大人たちの思いもそれぞれ複雑だったと思います。子どものころと今をどう描き,伝えるか,難しさを感じます。」とも語っておられた。
※出所: 信濃毎日新聞(2013年8月15日付)の山ろく清談
西村さんは,「自然,歴史,食べ物,人の気質…。地域には書こうと思えばいくらでも素材がある。」とも指摘しておられます。警視庁の十津川警部が,全国各地の事件を解決するシリーズを中心に,これまで460冊余の作品を書きあげています。このうち九州を九州を舞台としたトラベルミステリー小説をリストアップしてみました。
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┃★┃ 九州を舞台としたトラベルミステリー
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・西日本鉄道殺人事件 (新潮文庫) 文庫 – 2022/2/28
・十津川警部,廃線に立つ 「十津川警部」シリーズ
・十津川警部 長崎 路面電車と坂本龍馬(祥伝社文庫) 文庫 – 2021/9/10
・特急ゆふいんの森殺人事件 (光文社文庫)
・知覧と指宿枕崎線の間 (角川文庫) 文庫 – 2021/9/18
・十津川警部 EF63形機関車の証言 (双葉文庫)
・西鹿児島駅殺人事件 (講談社文庫) 文庫 – 2020/2/14
・南九州殺人迷路 「十津川警部」シリーズ (角川文庫)
・十津川警部 九州観光列車の罠 新書 – 2018/3/5
・十津川警部 長崎 路面電車と坂本龍馬(祥伝社文庫) 文庫 – 2021/9/10
・由布院心中事件-新装版 (中公文庫) 文庫 – 2020/5/21
・十津川警部 九州観光列車の罠 新書 – 2018/3/5
・平戸から来た男 (徳間文庫) 文庫 – 2020/8/7
・十津川警部捜査行 阿蘇・鹿児島殺意の車窓 (実業之日本社文庫) 文庫 – 2018/4/4
・長崎駅殺人事件 (講談社文庫) 文庫 – 2019/6/13
・門司・下関 逃亡海峡 (集英社文庫) 文庫 – 2015/4/17
・九州新幹線マイナス1 (祥伝社文庫) 文庫 – 2015/2/10
・十津川警部シリーズ 「ななつ星」極秘作戦 単行本 – 2015/4/8
・火の国から愛と憎しみをこめて 十津川警部 (徳間文庫)
・天草四郎の犯罪 (新潮文庫) 文庫 – 2017/8/27
・九州新特急「つばめ」殺人事件 (カッパ・ノベルズ) 新書 – 1993/5/1
・十津川警部捜査行 阿蘇・鹿児島殺意の車窓 (実業之日本社文庫) 文庫 – 2018/4/4
・九州特急「ソニックにちりん」殺人事件 (光文社文庫)
◆略歴 :西村/京太郎
1930年東京生まれ。1963年「歪んだ朝」でオール読物推理小説新人賞を受賞。’65年いは『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を受賞。’81年には,『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞。鉄道推理に新境地をひらき,トラベルミステリー隆盛の先駆者となった。人気・実力ともに,他の追随を許さない超流行作家である。そして2004年に第8回日本ミステリー文学大賞,2010年に第45回長谷川伸賞を受賞。
・・・・・・・ ・・・・・・西村さんと同年代の著名人・・・・・・・・・・・・
◎女性
・樋口 恵子:1932年5月4日 (89歳)
・寿美花代:1932年2月6日 (88歳)
・岸 惠子:1932年8月11日 (87歳)
・岡田 茉莉子:1933年1月11日 (88歳)
・黒柳 徹子:1933年8月9日(86歳)
・草笛光子:1933年10月22日 (86歳)
・中村メイコ:1934年5月13日 (86歳)
◎男性
・鈴木健二:1929年1月23日 (93歳)
・北村英治:1929年4月8日(93歳
・鈴木修: 1930年1月30日(92歳)スズキ代表取締役会長
・牛尾治朗:1931年2月12日 (91歳)ウシオ電機代表取締役会長
・すぎやまこういち:1931年4月11日(90歳)作曲家
・俵孝太郎:1930年11月12日 (91歳) 政治評論家