鹿児島を地盤とする南九州サンクスのサークルKサンクス離脱が時間の問題と言われるが,セブンを選ぶのか,それともローソンやファミリーマートを選ぶのか,その動向が注目されるところであった。
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業界筋によると,鹿児島と熊本でコンビニエンスストアの「サンクス」を展開する「南九州サンクス」が、「ローソン」へのフランチャイズ切り替えを検討中という。
南九州サンクスは、「サークルKサンクス」と総合商社「南国殖産」(鹿児島市)との合弁会社で,鹿児島県と熊本県を「サンクス」の出店領域する「エリアフランチャイズ契約」をサークルKサンクスと結んでいる。
この契約期限は今年8月までである。南九州サンクスは「サークルKサンクス」との契約を更新せず,鹿児島県内の85店舗と熊本の27店舗全てを,「ローソン」に切り替える替える意向である。
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┗■ 南九州サンクス株式会社 http://www.sunkus.jp/
南九州サンクス(株)は鹿児島を拠点とする総合商社 南国殖産(株)と、(株)サークルKサンクスとの出資企業である。鹿児島に84店舗、熊本に27店舗の計111店舗を出店し,中・南九州をエリアフランチャイズとして店舗展開している。(2012年9月末現在) 。
⇒サンクスオリジナル焼酎「南蔵」 http://www.sunkus.jp/nanzo.pdf
設立: 1998年8月
従業員数: 49名
資本金: 1億円 ※" 南国殖産(http://www.nangoku.co.jp/)とサークルKサンクスの出資企業
売上高: 139億1700万円(平成20年2月)
◆これまでのサンクスからローソン,セブン-イレブンへ切り替えの事例
・CVSベイエリア(千葉県浦安市・東証1部)
2010年,千葉県と東京城東城南部地域でコンビニエンスストア「サンクス」を約120店展開するシー・ヴイ・エス・ベイエリア(本社・千葉県浦安市)は,2010年サークルKサンクスとのフランチャイズ契約を打ち切る方針を打ち出した。
このCVSベイエリアの契約打ち切りの動きに対して,サークルKサンクスは,「ベイエリアには中途解約権がない,競業(サンクス以外のコンビニの運営など、営業上の競争を招く行為)避止義務がある」とし,2010年5月20日に提訴。結果,CVSベイエリアが,
①解決金15億円を2012年1月31日までに一括して支払う,
②店内に設置のATM撤去費用も一括負担することで和解した。 その条件として他のコンビニ(ローソン)への鞍替えを認めさせた。
・サンクスアンドアソシエイツ富山(富山市)
2011年,富山県でコンビニエンスストアの「サンクス」を運営するサンクスアンドアソシエイツ富山(富山市)は,ローソンにコンビニ事業を譲渡。サークルKサンクスとのエリアフランチャイズ契約は契約満了とともに打ち切る。サンクス富山は、なのはな農業協同組合(富山市)の子会社で、19%を出資するサークルKサンクスからノウハウの提供を受けるエリアフランチャイズチェーン。富山県内で77店のサンクスを運営していた。
・サンクスアンドアソシエイツ東四国(高松市)
2012年,香川県と徳島県で「サンクス」123店舗を展開するエリアフランチャイズ(エリアFC)サンクスアンドアソシエイツ東四国(高松市)は、2013年1月に契約満了するのを機に、セブン-イレブン・ジャパンと契約する方針を表明。これに対し,サークルKサンクスは、契約満了後すぐに鞍替えするのは契約(競業避止義務)違反だとして、サンクス東四国を提訴。
この訴訟は,東四国がサークルKサンクスに対して和解金を払い、同社が運営する約120店のうち約30店はサークルKが引き継ぐことで和解が成立した。和解金の金額は非公表。なお,東四国は2013年3月以降、運営する約90店をセブンイレブンに衣替えして営業。
セブンイレブンは2018年度末には四国で520店を独自に展開する計画で、東四国のくら替えにより出店数が上積みされる。
◆サークルKサンクス(ユニーグループ・ホールディングス)の起死回生戦略
コンビニ業界4位のサークルKサンクスは,店舗の平均日販がセブンイレブンと18万円も開き,加盟店離れも進んでいる。その対策として,ユニーグループでスーパー事業を展開するユニーとの関係強化を図り,スーパーとコンビニの強みを融合したビジネスモデルの構築と,地元中部地区の強化し,ユニーグループの存在領域の確保を図る。
「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」 | |
小林 隆一 | |
日本経済新聞出版社 |
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