「最も辞めてもらいたい議員は?」-。
鹿児島県阿久根市(人口24,300人 世帯数10,800戸)の竹原信一市長(49)は,自らのインターネットのブログ「住民至上主義」の1月11日付で,“自らへの支持、不支持”と“阿久根市議会の議員定数と日当制”についてアンケート調査形式で住民の意見を問うている。引き続き,翌12日付の記事では,「市議会不人気アンケート」と題して,市議の実名を挙げてネット投票を呼び掛けている。
産経新聞の1月16日の記事によると,市長は「前日のブログでは自らへの支持,不支持を問うアンケートもしており,常に市民の姿勢を感じ続けることが必要。問題なく、削除するつもりはない」と強調している。
なお,昨年8月の市長選で市議から初当選した竹原市長は、市長選期間中にブログで他候補を批判。市選管の指導を受けて記述を削除したという前歴がある,という。
▼調査手段に妥当性を欠くのでは?
竹原信一市長のブログから,自らの故郷・阿久根を思う気持ち,今の政治,世相に忸怩たる思いをもち,改革を志すという,熱き思いはひしひしと伝わってきます。
私も,人口減少が止まらない状況,地元の農業高校を卒業しても,自宅から通える勤め先がなく県外に職を求める生徒がいるという地元産業の衰退を見聞きするにつけ,市長への信,市議の資質が問われて,さもありなんと考えます。
しかしながら,ブログを媒体としての投票の妥当性には疑問を持ちます。その最大の理由は阿久根市の人口の30%強がブログにはあまりなじみのない65歳以上の高年齢層という点です。ちなみに50歳以上の比率は約55%です。こうした,同市の年齢構成からして, ブログを通じての回答結果は偏りが大きく,「民意を反映しない」恐れがあるからです。
(この稿は,次回1月20日掲載予定に続く)
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