天文館の中心部に、大規模な複合施設を新たに整備する動きがあるようです。私は,この構想に大いなる疑問を持ちます。箱物づくりの前に,やるべきことがあるのでは,ないでしょうか。
▼天文館中心部に大規模複合施設の検討始まる
報道によると天文館の中心部の地権者らが、大規模な複合施設を新たに整備することを目指して動き始めた,ということです。新たな開発が検討されているのは、ファッションビル「タカプラ」などが建ち並ぶ電車通り沿いの「千日町1番街区」と、これに隣接する「天文館G3アーケード」沿いの「千日町4番街区」です。
再開発構想の概要は,合わせておよそ6000平方メートルとなるL字型の敷地に、物販や飲食店のほか、ホテルやオフィスなどが入る大規模な複合施設を建設することがイメージされているということです。
地権者らは、先月発足させた「天文館まちづくり研究会」で、今後の開発の方向性や手法などについて検討するということです。
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◆「大規模複合施設」で街の活性化ができる時代は終わった--なぜ,そう言えるのか
■集客に直結せず
本格的な高齢化や人口減少社会を迎え,地方都市では商業施設を核とした市街地の再開発では,もはや街の活性化,集客力の向上はのぞめない状況にあります。
これまでの大型ショッピングセンターや大型店といった商業を核としてのにぎわいの創出は,見直しを迫られています。加えて九州の場合は,JR九州と日本郵政グループが核となっての博多駅の再開発の動きも無視できません。
従来発想からの転換,取り組みが求められるところです。
◆事例1-JR宮崎駅西口に昨年11月開業の14階建ての複合ビルの場合
出典:ウィキペディア
JR宮崎駅西口に昨年11月、開業した14階建ての複合ビル「宮崎グリーンスフィア壱番館」。ホテルやオフィスなどが入居、隣接地に整備されたバスターナミナルと合わせて、駅前の集客力向上が期待された。
だが,一部の飲食店などが人気を集めているものの,所詮,小さなパイの奪い合いにすぎず,波及効果は限定的で期待はずれ」,との厳しい見方が聞かれる。①宮崎を訪れる人を如何に増やすか,そして②街中の回遊性を高める仕掛けづくり,集客力の向上に向けての根本的な取り組みが必要なのでは。
宮崎市実施の「中心市街地の休日歩行者通行量調査」(毎年1回調査)によると,過去15年間で、1997年度の約13万6千人がピーク。その後増減を繰り返し、郊外にショッピングセンターが進出した05年度は約6万4千人にまで落ち込んだ。 2010年度は前年度比5.3%減の約6万3千人。定点観測する20地点のうち駅西口周辺を含む16地点で減少した。
なお,駅西口の再開発は宮崎商工会議所など関係者にとって20年越しの悲願であった。
参考)【拠点都市発】JR宮崎駅西口再開発(宮崎日日新聞)
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=39074
⇒⇒宮崎駅西口地区拠点施設検討 報告書(案)平成18年3月 宮崎駅西口拠点施設検討委員会
http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/www/contents/1170059956720/files/03siryou.pdf
事例2 大分駅前に建つ「大分開発ビル」-商業ビルの継続を断念
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/c8916aa60c24c3869b9f59e0c63fdf0b
事例3 JR博多駅前 新たな再開発の動き (後送)
事例4 北九州市 駅前再開発(後送)
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