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はじめての八十歳 | |
膝の手術のため,はじめての長期入院。「ブラック・アングル」などの |
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岩波書店刊 1,512円 |
山藤 章二(やまふじ しょうじ)
1937年東京生まれ。武蔵野美術学校デザイン科卒業。広告会社をへて,64年独立。講談社出版文化賞(70年),文藝春秋漫画賞(71年),菊池寛賞(83年)などを受賞。04年,紫綬褒章受章。
小言は老人の役割
出典:「図書」 2018年7月 岩波書店刊 p3,p4,p6
山藤 東京芸大受験のために,デッサンを猛勉強しました。でも,入試に三回失敗して,武蔵野美術大学に入ったんです。
山藤 大学も第一志望は駄目,就職先もコネがないから大手は駄目。結局,グラフィックデザインの世界に進みました。ちょうど昭和二十年代から三十年代にかけて,メセナといって,企業が文化の育成に力を入れた時代だったんです。たとえば,サントリー,資生堂などの広告は,とても魅力がありました。
小言は老人の役割
>>> 山藤さんがお書きになるものは,小言というか,批判めいた内容が多いですよね。
山藤 八十の声を開くと,「いつどのように世を去ろうか」ということが頭にずっとあるわけです。日本中どこでもコンビニが夜通し開いている,そういう生活は幸せではないということを,旧世代としては言いたい。だけど,それはどんな時代でも老人が必ず言うことなんです。「近頃の世の中は住みにくい」とか「近頃の若者はとるに足りないようだ」とか。やっぱりこれは伝統文化として, 私も小言を垂れて死なないといけない。
老いては自分に従え | |
喜寿から一年、「老境に達した」と語る戯れ絵師が、いま思うこととは?鋭い時評 を繰り広げたり、落語世界に遊んだり、気の向くまま、筆のおもむくまま、世相・ 文化・社会を自在に論じてゆく。独自の一人語り調文体はますます冴えわたり、 読むほどに愉快痛快。笑いの中にも骨のある、ヤマフジ流「老いの哲学」。 |
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岩波書店刊 1994円 |
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