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「山中静夫氏の尊厳死」-死を通じて生を語る-

2020-02-14 16:04:47 | 安楽死・尊厳死・緩和ケア

>>>「山中静夫氏の尊厳死」-死を通じて生を語る-  主演-中村梅雀,津田寛治 
                         出典:「産経新聞」2020-02-13

 photo:中山道(佐久・茂田井)

 平成30年10月に佐久市で撮影の「山中静夫氏の尊厳死」(村橋明郎(あきお)監督)は,末期がんの患者の人生のエンディングを静かに描く。患者と医師を演じるのは,中村梅雀(64)と津田寛治(54)。「あらゆるご夫婦,ご家族に見ていただきたい」と梅雀。津田は「死は生の延長線上にある。そのことをどう表現しているか。映像作家を目指す若い人にも見てもらいたいですね」と語る。

 同名小説が原作。医師の今井俊行(津田)は,最期を故郷で過ごしたいという山中静夫(梅雀)の転院希望を受け入れる。

 梅雀の回想。「人間の死ぬところをよく見ておけ」。祖父で歌舞伎俳優の三代目中村翫右衛門(かんえもん)は臨終の際に,父の四代目中村梅之助にそう命じた。その父が亡くなる際,呼吸がとても苦しそうだった。また,撮影当時,母の光子さんが危篤状態だったと明かす。「父の呼吸の仕方を芝居に取り入れながら,母のことを思い,役として自分が死ぬということについて考えた」という。

 撮影が終わると,小諸市の定宿の料理長の訃報が届いた。がんだった。毎日早朝に弁当を持たせ,がん患者を演じるため出かける梅雀を見送ってくれた人。

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 津田は,医師を演じるにあたり中学2年生の頃,胃がんで亡くなった父親の臨終を思ったと明かす。

 反抗期で衝突が絶えず,ノートに「死ね」と書きなぐるほどだったが,病室で「ご臨終です」という医師の事務的な口調にショックを受けた。廊下で泣いていると誰かが肩をたたいた。振り向くと,その医師が「ごめんな。医学の力が至らなくて。本当にごめんな」と号泣していた。

 2月14日から東京・シネスイッチ銀座などで全国順次公開。1時間46分。

 

◆『山中静夫氏の尊厳死 (文春文庫) 』

内容(「BOOK」データベースより)
生まれ故郷にみずから墓を作り,苦しまずに死ぬことを願う末期癌患者。家族との妥協を拒み,患者本人との契約によって,初めて尊厳死に臨もうとする医者。その葛藤を克明に描いた表題作と,難民医療団に加わって過酷な日々を送る人々の,束の間の休日に起こった出来事を,安吾の『堕落論』に仮託して描いた中篇とを収める。

        

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安楽死で死なせて下さい (文春新書)
橋田 壽賀子
文藝春秋

 脚本家の橋田寿賀子さんの,〝92歳の私が認知症になって,何もわからず,ベッドに縛り付けられて生きるなどということは考えるだけで恐ろしい。そうなったら,自分は誰にも迷惑をかけないで安らかに逝きたい,"との「私は安楽死で逝きたい」(『文藝春秋』2016年12月号)と題するエッセイは大きな反響を呼び,「安楽死の是非」を論議するきっかけともなった。

 1000人の看取りに接した看護師が教える 後悔しない死の迎え方』 ダイヤモンド社刊は,1000人以上の患者に関わってきた看護師が,自ら体験した,さまざまな死の迎え方を紹介しつつ,死に際した本人や家族にとって後悔を残さない「よい死」最期の迎え方の秘訣を具体的に説いている。

 著者の後閑愛実さんは,自らの看護師体験から,死に関する,
 「死ぬことは悪いこと」
 「死に目には会うべき」
 「死ぬ時は苦しむ」
 「命は引き延ばすべき」
 「最後まで治療はするべき」
 といった、「常識」に捉われることなく,患者やその家族にとって後悔を残さない最期の迎え方の秘訣を具体的に説明している。
 その要点は,自分の価値観を医師,看護師といった医療者に上手に伝え,患者自身の価値基準で,幸せの総量の多い最期の迎え方を選ぶべきする。そして,その前提として,日ごろから死について考えることが大切と提言し,死に際した本人や家族にとって後悔を残さない最期の迎え方の秘訣を具体的に説明している。

 

1000人の看取りに接した看護師が教える 後悔しない死の迎え方

 

人は自分の死を自覚した時、
あるいは死ぬ時に何を思うのか。
15年間にわたり医療現場で
1000人以上の患者に関わってきた看護師が体験した、
現実でのさまざまな死の迎え方を紹介しつつ、
死に際した本人や家族にとって
後悔を残さない最期の迎え方の秘訣を
具体的に説いていく。

 

ダイヤモンド社発行 後閑 愛実著 ¥ 1,404

 

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安楽死を遂げた日本人
欧州を拠点とし活躍するジャーナリスト,
宮下洋一氏が自殺幇助団体の代表である
スイスの女性医師と出会い,欧米の安楽
死事情を取材し,「理想の死」を問うノ
ンフィクションである。
小学館刊 宮下 洋一著

    内容紹介  ”講談社ノンフィクション賞受賞作品!”

 安楽死,それはスイス,オランダ,ベルギー,ルクセンブルク,アメリカの一部の州,カナダで認められる医療行為である。超高齢社会を迎えた日本でも,昨今,容認論が高まりつつある。しかし,実態が伝えられることは少ない。

安らかに死ぬ――。本当に字義通りの逝き方なのか。患者たちはどのような痛みや苦しみを抱え,自ら死を選ぶのか。遺された家族はどう思うか。

79歳の認知症男性や難病を背負う12歳少女,49歳の躁鬱病男性。彼らが死に至った「過程」を辿りつつ,スイスの自殺幇助団体に登録する日本人や,「安楽死事件」で罪に問われた日本人医師を訪ねた。当初,安楽死に懐疑的だった筆者は,どのような「理想の死」を見つけ出すか。第40回講談社ノンフィクション賞を受賞した渾身ルポルタージュ。    

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安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと (岩波ブックレット)

 

 安楽死や尊厳死をめぐる議論はなぜ混乱するのか? 知っておくべき
歴史や背景、言葉のからくりを指摘し、「死の自己決定権」「延命
治療」といった言葉も吟味し直しながら、その議論が陥りやすい落
とし穴を明らかにする。「よい死」を語る前に私たちが真に議論す
べきことは何か。人間らしい尊厳ある生き方を求めて、医療文化、
社会のあり方を問い直す。

 

岩波書店発行 安藤 泰至著 520円+税

 

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