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コスモス薬品-都市型小型に調剤も付け東京に初進出 

2019-06-30 22:18:32 | コスモス薬品

都市型小型に調剤も付け東京に初進出
食品の無い都市型小型店インバウンド需要にも対応
           出典:「激流」 2019年8年号 132~133ページ

 九州から北上を続けるコスモス薬品 https://www.cosmospc.co.jp/ 。これまで展開エリアの北限は,愛知,岐阜など中部地方だったが,今年4月,東海地方を飛び越し,東京に初出店。すでに都内で3店舗を展開している。

 同社はもともと取扱商品の半分以上を食品が占める600坪ほどの郊外型ディスカウントドラッグストア。ワンストップショッピングの利便性と低価格で消費者の支持を集め,急成長してきた。しかし,昨年5月の福岡・天神への出店を皮切りに大阪や広島の市街地へも進出,今年4月には東京・渋谷区に都内一号店を出店し,さらに翌5月には中野区,江戸川区に相次いで出店した。

 都内一号店となった東京・渋谷区の広尾駅前店は,地下鉄広尾駅の出口に隣接し,人が集まる商店街からもほど近い好立地。50坪ほどの店内には,医薬品・化粧品・日用品が並ぶが,コスモスが得意とする一般食品の取り扱いはなく,他社の都市型店に多い菓子類も見当たらない。一方,従来のコスモスの店舗には無い調剤を併設しているほか,免税対応やアリペイ,ウィーチャットペイなどのキャッシュレス決済サービスも導入し,インバウンド需要にも対応している。ただ,広尾は,渋谷区といっても渋谷駅前のような訪日客が集まるエリアではないため,インバウンド需要はあまり見込めなさそうだ。実際,店舗を訪れた際も,ほとんどのお客は地元の生活者や在勤者のようで,訪日客の姿はなかった。従って,どれだけ地域に密着した事業が展開できるかが成功の鍵になる。競合は,100㍍ほど先の「ドラッグストアスマイル広尾店」と,さらにその100㍍ほど先にある「どらっぐばばす広尾商店街店」だ。いずれも商店街立地で店の広さも品揃えもコスモスとあまり変わらないが,調剤機能はない。従って,後発のコスモスは,調剤で集客力を高めることが重要と言えそうだ。

 5月18日にオープンした西葛西店(江戸川区)も広尾駅前店と同様に調剤併設型の店舗だ。また,住民や在勤者がお客の中心である点も広尾の店と共通しているが,ワンフロアの広尾に対し,西葛西店は一階と地下一階の二層から成る。近隣にはマツモトキヨシがあるが,駅を挟んで反対側にあるため,直接競合する可能性は低い。一方,駅の同じ側には,250㍍ほど先に旧一本堂を改装したウエルシア薬局の都市型店がある。こちらは化粧品や医薬品の品揃えを充実させ,調剤も併設しているなど,コスモスと極めてよく似ていることから,競合となりそうだ。
 
一美容部員のカウンセリングはライバルとの差別化になるか

 一方,中野サンモール店(中野区) は,都内三店舗の中で唯一,調剤を併設していない店舗。中野は”サブカルの聖地”と呼ばれる「中野ブロードウェイ」があり,ここを目当てにした訪日客も多いことからインバウンド需要が見込める。ただ,その分競争も激しく,コスモス薬品が出店するサンモール商店街には,サンドラッグやマツキヨも立地しており,とくにマツキヨは,わずか数十㍍の間に2店舗も出店している。しかもこれらの店舗は駅から商店街に入ってすぐの場所にあるのに対し,コスモスの店舗は商店街入口から200㍍近く奥まった場所で,立地上のハンディがある。加えて,マツキヨは訪日客に人気の高い商品を集めたコーナーを入り口付近に設けているため,利便性も高い。立地でライバルに劣るコスモスは,価格を武器に対抗する戦略も考えられるが,これまでのところ同店の価格優位性は見られない。例えば,訪日客に人気の高い「DHCの薬用リップクリーム」は598円で,マツキヨと変わらず,「龍角散ダイレクトスティックピーチ」は698円で,サンドラの538円より100円以上高かった。

 ただ,二階の化粧品売り場では,美容部員によるライトカウンセリングを行っており,こうしたサービスはマツキヨにもサンドラにも見られなかったことから,ここをアピールすれば,差別化につながるだろう。また,国内有名メーカーの化粧品の購入者には購入金額の15%,20%など,高い割引率の割引券を配布しているので,それをフックに集客できれば,お客の固定化も見込める。

 今年10月には篠崎駅前店(江戸川区),11月には歌舞伎町新宿一丁自店 (新宿区)の出店も計画されている。郊外での低価格販売で名を上げたコスモス薬品が家賃の高い都市部でどう戦うか。ライバルたちが固唾を飲んで見つめている。

 

ビジュアル 流通の基本 (日経文庫)
小林 隆一
日本経済新聞出版社

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小商圏を制する者が小売業を制する ----コスモス薬品の戦略
                  (同社HPより)

店舗外観

コスモス薬品は日本で初めて小商圏をターゲットとしたメガドラッグストアを多店舗展開するビジネスモデルを構築しました。小売業はいろいろな業種が入り乱れて大変激しい競合状況にありますが、足元の小さな商圏(商圏人口1万人)に限定すると競合は限られてきます。

小商圏での競合業態は、食品スーパー、小商圏型ディスカウントストア、コンビニエンスストア、500平米型ドラッグストア。 これらの競合に対抗する当社のメガドラッグストアは医薬品・化粧品のみならず日用雑貨、生鮮三品以外の食品等の日常の暮らしに必要な消耗品を満載した、 非常に便利が良い店舗となっています。現代人にとって最も重要なものは時間であり、時間の節約こそが消費者最大のニーズ。それを満たす新しいビジネスモデルが、『小商圏型メガドラッグストア』なのです。

小売業では、大きな商圏には大きな店舗、小さな商圏には小

ス薬品は、あえて小さな商圏に可能な限りの大型店(売場面積2,000平米または1,000平米)をつくり、その地域にお住まいの方にとって最も便利の良い店舗をつくることを基本コンセプトとしております。

コスモス薬品が考える小商圏とは、商圏を自ら分割して他社の入り込む余地がない程の小さな商圏を意味します。その小商圏内で圧倒的なシェアを獲得することを目指しています。これからの小売業はこの小商圏でお客様の支持を得てこそ、真の勝者となるのです。

小商圏(商圏人口1万人)に限定した出店戦略では個々の店舗の売上は見劣りしますが、近隣のお客様に足繁く、そして末永くご利用いただけることで永続的な繁栄が可能と考えます。また、商圏を小さく設定しているので、たくさんの店舗を出店することが可能です。 よって大きな成功を果たしたコンビニエンスストア以上の成長をコスモス薬品の将来に描いています。

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月刊激流2019年08月号

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