黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

東京ノスタルジア:本郷 #02

2011-11-22 23:47:46 | 東京 URBEX
父親が手術のために東京医科歯科大学病院へ入院した。
そのおかげというのもおかしいが、お茶の水を中心に、
本郷やら神田やらを散歩する事が多かったので、
その辺をアップしようと思います。
といっても画像ネタはかなり以前に訪れた時のものを中心に。

前回に続いての本郷界隈。
今回は樋口一葉ゆかりの街角です。

その名前と『にごりえ』『たけくらべ』の作者、
くらいしか知らない自分にとっては、
それほど思い入れを持てる光景でもありませんが、
実際に訪れると、
明治の香りが残る、趣のある街角でした。



本郷には坂が多く、
しかもその名前がどれもいかしています。
そのうちの一つ「鐙坂(あぶみざか)」を下ると、
道の横に小さな木の門があありますが、
その中へ入ったとたん、時計は急速に逆回転し、
一気にタイムスリップ。→木戸のある入口(Mapion)
地図にも表記がある「鐙坂學問所」の横を通り少し進む頃には、
完全に時空を超えてしまっています。
画像はその奥にある第二の木の門。







第二の門をくぐり階段を下りると、
そこがかつての樋口一葉の旧居跡。→Mapion
執筆に行き詰まったときに水を被ったと伝わる、
ゆかりの井戸も残っているようです。
奥の階段の上に見えるのが第二の木の門。







階段の両側には、掛崖の造りながら、
現役の木造三階建ての家屋。







一葉の旧居跡の近くには、
苦しい家計をやりくりした伊勢屋質店跡もあります。
たぶんこの辺→Mapion







樋口一葉をはじめ、明治から昭和にかけて、
夏目漱石、坪内逍遥、二葉亭四迷、正岡子規、
宮沢賢治、川端康成、石川啄木と、
日本文学界の錚々たる面子が住んだ本郷は、
今もその雰囲気を静かに伝えています。







こんな光景もならでは、ですね。
それにしても、じっちゃん、渋過ぎ!


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