黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

『地形を楽しむ東京暗渠散歩』発売

2012-11-21 15:13:06 | ・東京暗渠
拙ブログのトップ記事にも取り上げている、
ムック『東京ぶらり暗渠探検』が好評につき、
地形で楽しむ東京暗渠散歩』として書籍化されました。



収録暗渠数が大幅に増量、
ムックで取り上げられた渋谷川、神田川、目黒川の支流の暗渠に加えて、
石神井川、吞川、玉川上水系の支流暗渠も取り上げ、
東京の山の手エリアの暗渠を殆ど網羅したものとなっています。
さらにムックで取り上げていた暗渠も、
その後の近況を含めて最新のものに書き換えられた内容です。

ムックでは殆どの画像が白黒でしたが、
今回はオールカラーなので、見応え満点です。

さらに『アースダイバー』以来人気のある地形の読み解きをとりあげ、
今回の書籍化では、地図が地形図に変わっています。
あたりまえのことですが、かつて東京に流れた数多の細流が、
すべて谷沿いに流れていたのが一目でわかって面白いです。

執筆陣もムック時の、
本田創氏(『東京の水 2009 fragments』)、庵魚堂氏(『世田谷の川探検隊』)、
三土たつお氏(『三土フォリオ』)、そして私に加えて、今回は
lotus62氏『東京peeling!』とnama氏『暗渠さんぽ』のお二方も参加。
尚、書籍化にあたり暗渠マスター本田氏の編・著のクレジットとなりました。

リンク先をご覧になってお分かりかと思いますが、
殆どの皆さん、暗渠だけを調べている方々ばかり。
ある意味、東京暗渠のエキスパートが結集した、
レファレンス・バイブル的な本になったのではないかと思います。

私はというと、たまたま神田川の笹塚支流と玉川上水の余水吐(よすいばけ)が、
個人的に意味のある暗渠だったんで、調べてみたまで。
この本に収録されているのも不思議な気がしますが、
ムック同様上記2つの暗渠で、スペシャル・リポートとして参加させて頂いてます。

ムックの発売から2年、今年の夏に、書籍化に向けて再探索に出かけると、
暗渠沿いには小さいながら様々な変化がおきていて、
静かな都市の鼓動を感じました。



地形を楽しむ東京「暗渠」散歩

著者 本田 創 編著
出版年月日 2012/11/26
ISBN 9784800300041
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 本体2,400円+税

序 東京の暗渠
かつての川がたどってきた歴史とそこを探索する意味/暗渠探索のポイント

◎Ⅰ 渋谷川支流の暗渠 山の手地区南側を代表する川筋から都心部の地形を感じる
渋谷川(上流域)/玉川上水原宿村分水/河骨川/
宇田川初台支流(初台川)/宇田川/いもり川/笄川
Special Report 1 白金分水・玉名川・白金三光町支流を歩く

◎Ⅱ 神田川支流の暗渠 井の頭公園の池を源に、多くの支流を集める
桃園川/井草川/江古田川(上流域)/弦巻川/水窪川/蟹川/紅葉川/谷端川・小石川
Special Report 2 歴史が凝縮された東大下水をたどる
Special Report 3 神田川笹塚支流(和泉川) 時代の重なりを味わう
Special Report 4 存在わずか数十年 善福寺川支流・松庵川

◎III 目黒川支流の暗渠 世田谷全域と目黒区北部の水を集めた
北沢川/空川/蛇崩川/谷戸前川/羅漢寺川
Special Report 5 水源の池を求めて烏山川をさかのぼる

◎Ⅳ 呑川支流の暗渠 暗渠と開渠が交互に現れ、短いながらも多彩な表情を見せる
呑川(上流域)/九品仏川/駒沢支流・洗足流れ 

◎Ⅴ 石神井川支流の暗渠 中流域で支流の水を集め、下流域で多くの用水とつながっていた
貫井川/エンガ堀/田柄川/谷田川・藍染川

◎Ⅵ 上水・用水の暗渠 動脈と静脈の関係にあった上水・用水と山の手の川
玉川上水(暗渠区間)/千川上水/品川用水/三田用水
Special Report 6 玉川上水余水吐 遺跡の宝庫をめぐる

Extra Report 外堀通り下の暗渠 水道橋分水路を行く




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