黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

エジプトの廃墟:エル・フスタート

2005-02-15 10:10:54 | エジプトの廃墟

 
以前仕事がらみで行ったエジプトの廃墟第2弾、今日はカイロの南のエル・フスタートです。

オープロジェクトの活動とは別に、普段は音楽の制作を行っていますが、
その中にはNHKのドキュメンタリー番組のサントラも多く、いくつかの番組はCDにもなりました。
そのうちの一つにピラミッドのサントラがありますが、その仕事の流れでエジプトへ行きました。

「大廃墟地帯-カイロのエル・フスタート」というのをガイドブックで読んで、
ここは是非行ってみたいと思っていました。
かつて商業の一大中心地として栄えたイスラムの拠点を、エルサレムからの占領を避けるために、
自発的に焼き払い、以降800年もの間ずっと廃墟状態だそうです。

エジプト滞在の最終日、やっとまとまった時間ができたので、
早速タクシーの運ちゃんに交渉して行ってもらうことにしました。
もう幾らだったか正確には憶えてませんが、往復1時間&現地1時間の2時間コースで、
たしか3,000円位だったように思います。

現地に着いてみると、けっこうまっさらな殺風景が広がっています。
もう少し何か残っているのかと思っていましたが、
よくよく運ちゃんに聞いてみると、再開発で整地が進んだいるということでした。
でもせっかく来たのでゆっくり回ってもらうことにしました。
勿論まだまだ廃墟の所も多く、それはそれで楽しむことができましたが、
最近の建築らしい建物もあったので、
たぶんその地域は本当のフスタート地区ではないのかもしれません。

撮影をしていると、子供数人と犬数匹が近づいてきました。
記念に撮影しようと思ってカメラを向けると、運ちゃんが出てきてだめだと言います。
そうイスラム圏では、人を撮影するのは好まれないんですね。

しょうがなくまた壊れかけの建物を撮影して、ホテルへ戻ってもらうようにお願いしました。
帰りがけに一時停車して、運ちゃんがピタパンサンドを買ってきてくれました。
日本円で3,000円でも、現地の人にとってはいい稼ぎだったのかもしれませんね。

*アップ時の文章を一部変更しました

■シリーズ:エジプトの廃墟■
ママリックの共同墓地
カルナック神殿
屈折ピラミッド 


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