仕事の関係で、かなり前にエジプトに行ったことがありますが、
カイロの街は、日本とはまったく違った意味で、廃墟の街でした。
今日はその中の一つ、ママリックと呼ばれる共同墓地について。
オープロジェクトの活動とは別に、普段は音楽の制作を行っていますが、
その中にはNHKのドキュメンタリー番組のサントラも多く、いくつかの番組はCDにもなりました。
そのうちの一つにピラミッドのサントラがありますが、その仕事の流れでエジプトへ行きました。
本当はピラミッドや古代遺跡を見なくてはいけなかったのですが、
事前にガイドブックに出ていたカイロ市内の廃墟に気が取られて、
多くの時間を廃墟巡りに使ってしまいました。
そのうちの一つがカイロ市内にある共同墓地<ママリック>です。
ここは本来廃墟ではなく、今でも現役の共同墓地なのですが、
半分以上は使われて無く、殆ど廃墟状態です。特に廃墟感をあおるのは、その造りにあります。
エジプトの墓所は、墓石だけが並ぶ日本の共同墓地とは違い、一件一件総て塀で囲われています。
しかも墓石があるものは僅かで、その敷地のなかにただ埋めるのだそうです。
塀の色も形も規模も、一件一件ばらばらですから、
家屋のかわりに植物が繁茂する塀囲いだけが残るゴーストタウンに迷い込んだ感覚に襲われます。
この墓所の形態がイスラムのものなのか、エジプト特有のものなのかは知りませんが、
それまで感じたことのない、独特な異空間でした。
■シリーズ:エジプトの廃墟■
・エル・フスタート
・カルナック神殿
・屈折ピラミッド
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