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仕事で行った台北で、
ちょっとした空き時間に市内を歩いた時の話です。
宿泊したホテルは日本で言ったら銀座通りに面したような所にあって、
部屋は10階だったのでそこそこ市内を見渡せましたが、
大通りを一本中に入ったあたりのビルの谷間に、
雰囲気ある平屋の屋根が並ぶ道筋が見えたので、
すぐ近くだし、気になったので行ってみることにしました。
約100m位の短い露地で、
煉瓦造りの平屋が並ぶ古い街並みには、
椅子と鏡が2つだけの理髪店や、
店なのか家なのかわからない仕出し弁当屋風のものや、
小さな祠(台湾の街角には小さな祠がほうぼうにあります)などが
所狭しと並んでいました。
さらに道筋に沿って進むと、
画像のような何らかの店舗跡と思われる建物がありました。
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この物件は、他にもまして放置時間の長さを物語っています。
手前に写る焼却炉に施された鶴のレリーフが、
中国感をあおってくれます。
右側の完全に崩壊した壁のところからなかをのぞくと、
画像のような光景です。
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小さく切られた窓、狭い通路の上に設置された棚、
床面近くの壁に施された色違いの煉瓦による装飾跡、
見慣れない欄間に煉瓦壁、
なかなか見られない造りです。
そしてこの部屋の反対側をみると、
屋根が完全に抜け落ちた壁だけの部屋があります。
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ここだけみると例えば日本だったら、
北海道の炭鉱跡に残る安全灯室跡といったところでしょうか。
室内の植物の繁殖具合をみると、
相当この状態で放置されていたことがわかります。
中心地から遠く離れた地方の光景ならまだしも、
台北の話の当初から書いてきたように、
ここは日本で言ったら銀座の大通りから1本入った所です。
台北の市内を歩き始めた当初は、
単に開発が遅れているのが、
こういった光景を生み出しているのかと思いましたが、
怒濤の廃墟を見ているうちに、
本当にそれだけの理由なのかという疑問がわいてきました。
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【特集】台湾
・#01 高速からの光景
・#02 原住民・邵族の村
・#03 原住民・邵族と拉魯島
・#04 日月潭
・#05 涵碧樓大飯店 The Lalu
・#06 台北の廃墟
・#07 『アキラ』の世界
・#08 ボーダーレスな台北の廃墟
・#10 台湾の廃墟感覚
・#11 活気ある廃墟的光景
・#12 檳榔売り
・#13 最終回
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