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仕事でちょっとだけ行った台湾の話です。
せっかく台湾まできたので、
宮崎駿の傑作『千と千尋の神隠し』の舞台として有名な、
九分という街へ行ってみたいとは思いましたが、
なんせ仕事なものでかなうわけもなく、
しょうがなく台北の市内を時間が許す限り歩くだけです。
台湾は中国と同じ暦なので、
正月は2月頭の旧正月が盛大に盛り上がるそうです。
街を歩いていると、
年末のアメ横の様な市が開かれていました。
所狭しと並ぶ店の軒先には、
肉や総菜など見慣れない食材が並び、
画像のような店が何軒も軒を連ねます。
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この店は、豚の足やレバーが吊されている位でまだいいほうです。
なかには小学校の解剖模型でしか見たことないような、
「それ、人の腎臓ですか?」といった形の、
トレイの溶液に浸された食材も売られていて、
食文化の違いをまざまざと見せつけれます。
以前の記事で宮崎駿作品の廃墟感については触れましたが、
宮崎作品に登場する廃墟は、
すごく騒がしくカラフルなのが不思議に思っていましたが、
この市場の光景をみて、妙に納得しました。
昨日までアップしてきた街中の廃墟的な光景に、
剥き出しの肉や魚を並べる市場の光景は、
とてもよくマッチしています。
宮崎駿が、廃墟を死のイメージではなく、
エネルギー溢れる活気あるイメージで表現する理由が、
よく分かります。
市場の光景に限らす、
街を彩る看板もまた、廃墟街とマッチして、
街のエネルギー感を盛り上げています。
▼
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看板の文字から、ここは日本人も多く訪れる道筋かと思いますが、
猥雑な看板はまた、廃墟シティ台北によく似合い、
同時にエグい色遣いの看板は、
それ自体が廃墟感を醸し出してくれます。
◆追記 07.AUG.2006◆
リンクさせて頂いている別冊観光のべろ蔵さんとのお話で、
廃墟的ではないけれど、
台湾で気になったモノを追加アップしようと思いました。
一つは上記の市に軒を連ねていた下着屋さんです。
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この大胆なディスプレイ、気になります。
例えば草津の温泉街とかへいくと、
木のワゴンに下着を並べて、
ズロース三着1.000円とかしているのは見ますが、
なんと言っても色が違います!
さすが「赤い国」だと思いました。
赤い国といえばこの巨大ホテルも気になります。
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帰りの高速からの撮影なので大きさが伝わりにくいですが、
アホなほど大きい丸山大飯店(台湾名圓山大飯店)です。
廃墟のキーワードでこの記事へ来られた方は、
横浜ドリームランドの目の前に建つ
ホテル・エンパイアーのノリと言えばその雰囲気がお分かりかと思います。
元々蒋介石の奥さんの別荘を転用した建物ということですが、
次回台湾に行ったときは、
是非目の前で見てみたいと思います。
ちなみにホテルの背後の山は、
地下に軍事要塞があるそうなので、
そのルックスと共に、
あまり落ち着いて宿泊できるホテルではなさそうです。
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【特集】台湾
・#01 高速からの光景
・#02 原住民・邵族の村
・#03 原住民・邵族と拉魯島
・#04 日月潭
・#05 涵碧樓大飯店 The Lalu
・#06 台北の廃墟
・#07 『アキラ』の世界
・#08 ボーダーレスな台北の廃墟
・#09 大繁華街の完全廃墟
・#10 台湾の廃墟感覚
・#12 檳榔売り
・#13 最終回
外観の強烈さ以上に、内部のインテリアはゴージャズでデコラティブ。インパクトのある空間でした。
そのあと混沌とした士林の夜市に繰り出したのですが、その落差に台湾を感じました。
半端ないデコデコですね(@_@;)
色も凄くて、ホテル出る頃には、
色の判断がおかしくなってるんでは?と思いました。
士林は行けませんでしたが、
北京の王府井みたいな感じなんでしょうか。
これもウェブ上でみましたが、
王府井よりエネルギー&パワーっていう印象ですね。
また台湾へ行きたくなって来ました!
今回は行きませんでしたが、士林は再開発されてしまいました。昔ながらの台北夜市はだんだんと消えつつあるようです。
と言うことは、建設は日本軍ということでしょうか?
そしてその建物を(恐らく塗り替えて)蒋介石が奥さんの屋敷にした。
といった流れになるのでしょうか。
日本とは繋がりが深いんですね。
そういえばこの特集で取り上げている涵碧樓大飯店の「涵碧樓」も、
たしか日本人が作った社交用別荘の名称が由来だったような。
士林はなくなってしまったんですね(涙
残念です。