しろくまのいえ

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過換気症候群にペーパーバック法はいけません

2012-08-30 18:00:00 | 日々のこと
昨日の ためしてがってんで 過換気症候群 のことをやっていました。
その中で、ペーパーバッグ法の危険性について話をしていたので 
ちょっと調べてみました。

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過換気症候群の患者さんの治療として、紙袋による再呼吸法が行われていましたが、
現在は否定されています。
その理由は、、、

・過換気症候群の治療はとして効果がない事が多い。
・著明な低酸素や死亡の報告が続いている。
・器質的疾患で過換気になっている患者(例えば、肺水腫や代謝性アシドーシス)では、
PCO2を増やし、PO2を下げる事が致命的になる可能性がある。
・呼吸困難に陥っている患者さんに対して、この方法は行いにくい。
・二酸化炭素そのものが患者の不安を助長する可能性がある。

などです。

 一般的に、命に関わる疾患が除外されれば、過換気が患者の症状を起こしていると言う事を、
きちんと説明するなどの単純な処置で発作は治まります。
あえて危険な行為をするべきでないと言う事でしょう。

 過換気症候群の患者さんは、上部胸郭を使って呼吸する傾向があり、肺が過膨張になっています。
よって、肺の残気量が増加し、十分に息を吸う事が出来ないので呼吸困難を感じるそうです。
治療としては、上部胸郭を圧迫し、十分に息を吐かせる事で肺の過膨張を減らす事が出来ます。

 また、患者さんに腹式呼吸(胸壁ではなく横隔膜をより使う呼吸)をするように指示すると
呼吸困難感は改善し、過換気による症状も消失します。横隔膜による呼吸は、呼吸数を下げ、
発作が起こった時に自分で対処する事が出来るためです。この方法はかなり多くの患者さんで
有効である事が示されていると言う事です。