私のところへ勉強に来られていた高円寺さんというご夫婦がおられました。
この高円寺さんの5歳の娘さんが突然交通事故に遭い、亡くなってしまったのです。
その時、事故を起こした人が警察にいるということを聞いて、このご夫婦はその人に会いに行かれました。
そして、どうされたかというと、このご夫婦はその事故を起こした方に向って、土下座をして、お詫びされたのです。
「こういう縁にあわせてしまってごめんなさい。
こういう縁にあう子どもを育てたのは私の因縁です。
どうぞあなたは安心して、このことを忘れて、世のため人のためになってください。
本当にごめんなさい」
このように謝られたのです。
ご夫婦には、悲しみも、許し難い思いも当然あったでしょうが、命が生まれてきた理由を本当に学びきっておられたのですね。
頭でわかっていても、実際にそんな目にあった時に、本当にそう思えるかどうかということが難しいわけです。
ご夫婦は普段からそのような生き方をしていたからこそ、その時にそいう思いが湧かされたのでしょう。
「許す」ということの大切さはみんな知っているかもしれません。
しかし、「許すこと」「許しきること」さらに、「許しおおすこと」は深さが違うのです。
この「許しおおす」という世界は、このご夫婦のようなことをいうのかなと深く感じさせられました。
『すべては今のためにあったこと』海竜社
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