業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

人事管理と給与体系のあり方(5):余談として

2010年09月07日 09時12分49秒 | 日記
非正規社員の待遇(主に給与)を良くしてしまうと、経営が成り立たないと云う経営者も多いであろう。しかし、今多くの企業では、業務や経営の仕方にムダ・ムラが多く潜んでいる。これらを改善することで、多少の人件費増は吸収できる。実際に、国内の沢山の工場を残しながら、経営のスリム化、業務の改善・改革、そして社員の努力によって、高い収益を上げている企業も沢山ある。マズは非効率な業務の改善を行なうべきであろう。

”円高が進むことで製品の競争力がなくなる → 賃金を下げ、競争力を維持する → より一層円高が進む → また賃金を下げる”
を続けていても、何も解決しない。悪循環である。これでは国内の購買力が減るばかりで、より一層のデフレを招くだけである。内需を増やすことで、為替はバランスをとることができる。しかし、国内の購買力が減っている状況では、それは出来ないであろう。

どんなに改善・改革努力をしても、時給1000円の従業員でしか本当にやっていけない製品(ビジネス)であれば、それは国内に残すべき仕事ではない。そして製品戦略などに知恵を出し、国内に工場を残せる製品を開発すべきである。なぜなら、その事業を続ける事で、従業員を満足させることが出来ないからである。企業の役割・価値を今一度、考えていただきたい。
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人事管理と給与体系のあり方(4):非正規社員の待遇改善

2010年09月02日 07時46分39秒 | 日記
企業のあり方として、まず第一に顧客に貢献することにある。そして第二に社会に貢献することにある。そして第三に従業員に貢献することにある。しかし、最近の企業はこの第三の従業員に貢献することを疎かにしている傾向にある。一部の正規社員に貢献する(満足させる)為に、沢山の非正規労働者や正規労働者であっても低賃金の従業員を抱えているケースが多くある。誠に残念なことである。

昔は食品スーパーなどの小売を中心にパート従業員が増え、労働者派遣法の改定以降は製造業などにおいても低賃金の雇用があふれかえってしまった。これによって、企業が従業員を満足させていないケースが非常に多くなってきている。これは本来企業がとるべき方法ではない。一部の企業では従業員を大事にしており、その様な企業では非正規従業員の採用は最低限に抑えている。

ではどう解決すべきだろうか。
①年齢を加味した最低賃金の設定
②同一職業(職務)同一賃金の実現(正規社員と非正規社員の賃金差の廃止)
③場合によっては業種別の賃金の共通化(企業別の賃金の差別は、業績を反映したボーナスによって対応)
④期間雇用者に対しては、常用雇用者よりある一定割合を多く支給することも検討。
⑤企業が行っている(承認している)社内外の教育への受講の権利を正規社員と同じにする

これらの解決策を実施するには、法律の改定が必要になる。実現することは大変難しいと思う。しかし、これを目指して欲しいものだ。
ここで云っていることは、派遣労働者などの非正規従業員を無くせといっていることではない。非正規従業員は特に製造業において必要である。しかし、現状の非正規従業員はワーキングプアであり、その結果購買力のない人達になっている。その点を解消すべきである。そしてそれは出来るハズである。出来ない経営者は退場すべきではないだろうか。
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人事管理と給与体系のあり方(3):社員教育の重要性

2010年08月30日 08時28分33秒 | 日記
欧米を中心とする文化で働いている人と接する機会が多いと、日本人との違いが沢山見えてくる。国によって、多少の違いはあるが、日本人は特別海外の人達とは違うように感じる。それで、日本人にあった対応を人事管理として施す必要がある。

欧米人との主な違いとして以下がある。
①欧米系の人は必要な知識・技術は自ら学ぶが、日本人は教えないと学ばない。 → 社内教育が必要
②日本人の特徴として、世代を超えた人との会話が下手(年上、年下を強く意識している)。 → 結果、年下が年上をマネージメントできない。
③日本人は中々自分の意見を言わない。 → コミュニケーションが下手。
④マネージャー(管理者)として取るべき態度や振る舞い、部下への話し方・会話のし方などに、様々な課題がある。 → コミュニケーションが下手。
⑤欧米では職務に対して雇用があるが、日本では雇用が先で、その後に曖昧な職務が決まる。

上記①については、日本の教育の在り方も影響しているのだろうか。上を目指そうとしている人達を比較すると、欧米人の方がはるかに自分で新しい技術や知識を身につけようとしている。特に、コンサルティング業界においてはそれが堅調に見られる。なので日本人に対しては、教育制度などのOff-JTのみならず、On-JTでの教育または技術・知識の転移が大変重要になる。欧米人はOff-JTの機会を与えることで伸びて行くが、日本人にはOn-JTが必要なのである。その場合、やはり社員には長く勤めてもらった方が良いのである。

上記②も大きな課題である。欧米では10代の若者が、大人と大人の会話ができるのである。勿論、大人が多少手加減をして会話しているが、世代間のギャップは日本のそれよりははるかに少ない。そして③日本人は中々自分の意見を言わないのである。仲間内では会話が弾むが、会議では一部の声の大きい人だけが喋っている状態が多い。そして④日本の管理者の中には横柄な態度をとる人が多い。

欧米の社会では率先して意見を述べるので、マネージャは意見を吸い上げた後、まとめることを行えばよく、聞く態度と纏める力、そして決断力があればOKなのである。そして一流企業では、部下との会話のし方や聞く態度などのあるべき姿を教育している。反面、日本の場合は相手の意見を引出したり、自分自身の考えを相手に伝えるコミュニケーション能力が大変重要になってきている。しかし、これについてはまだ共通的な認識がされていないのではないだろうか。そして⑤の問題がある。自分がやりたい仕事に就けず、心を開かない社員も多くいる為、社内でのコミュニケーションを難しくしている。

これらの課題を解決する為には様々な教育が必要になってくる。中小企業では社内でまかなうことは出来ず、社外の教育機関の支援を受けるひつようがあるだろう。

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人事管理と給与体系のあり方(2):人事考課と給与体系のあるべき姿

2010年08月26日 10時13分16秒 | 日記
給与として含めるべき項目として、以下が考えられる。
・年齢を考慮した給与
・勤続年数を考慮した給与
・能力を反映した給与
・役割、役職を反映した給与

ボーナスのあり方:
・企業の業績
・所属する部門の業績
・個人の査定
これ以外に顧客満足を考慮している企業も多いが、この調査を行うにはそれなりのコストが掛かることを理解する必要がある。

上記をみると、「昔と同じではないか」と思ってしまうであろう。その通りで、基本的にはあまり変える必要はない。違いはまず第一に、年齢や勤続年数を考慮する年数と対応する金額を少なくすることである。例えば、40歳以上であれば、年齢を考慮した給与の上昇は無く、同じにするとか。そして第二に一番重要な事として、個人の能力がある人が昇進し易い組織・文化の構築にある。日本の従来型の雇用体系では給与体系に問題があったのではなく、昇進のありかたや若い人のやりがいを阻害していた仕組みにある。この”阻害”を作っていた社内の仕組みや文化を取り除くことをすることが一番重要なのである。

余談になるが、やりがいを阻害している原因の一つに、組織階層の深さにある。組織体系をフラットにしすることで、無駄な業務を削減できる可能性がある。また、業務の遂行方法にも無駄が多く、無駄な作業を新入社員に押し付けている場合もあるのではないだろうか。その無駄の作業を押し付けられることで、会社勤めが嫌になる新入社員も多いのではないだろうか。その為にも、業務の整理整頓(改革・改善)や、役割の明確化などを行っておく必要がある。

これも余談になるが、社員の”能力”の評価・設定や”個人の査定”をすることは大変難しい作業である、これについては各企業にて思考錯誤を続けているのであろう。ただ、基本的な考え方は、①企業が必要とする技能を明確にし、②管理者であればその人間像を明確にする、ことではないだろうか。その上で、複数の人間にて多面的に評価することが肝要である。また、海外ではマネージャ向けのトレーニングも盛んにおこなわれており、マネージャとしての部下との話し方などをシッカリ教育している。
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人事管理と給与体系のあり方(1):日本企業の給与体系の課題

2010年08月17日 08時24分30秒 | 日記
戦後長い間、日本の企業は年功序列の給与体系であった。その為、それほど努力をしなくても給与が上がっていた傾向があり、能力が伴わなくても組織上の立場が年齢と共に上がっていった。反面、欧米系の企業では、能力があれば若い時期から管理職に就くケースが多く、若者にとって”やりがい”を感じやすい傾向にあった。その為日本の企業でも、アングロサクソン系の国の多くの企業が採用している"成果主義的"な給与体系を導入した企業が多く出てきた。しかし、この成果主義的な給与体系に多くの欠点があり、最近は成果主義的な考え方を改めている企業も多い。がしかし、昔の年功序列には戻っていないのではないだろうか。そして、正社員の給与をある一定以上に保つ為に、低賃金の雇用を非正規社員として確保している傾向にある。

成果主義の導入に失敗した原因はいくつかあるが、まず一番に云えるのが、企業や社会の制度は、その国の文化に則っている、または人々の考え方を考慮した仕組みである必要がある。イギリスやアメリカ以外の欧米でさえ、アングロサクソン的なドライな成果主義に抵抗を感じているのに、日本人または日本の社会にそれが合うはずがない。これは、成果主義の導入を推し進めたコンサルタントの失態ではないだろうか。

また細かい話になるが、成果主義で仕事の内容を評価する前に、その仕事の内容を示した「職務定義(Job Description)」が必要で、そしてその職務を遂行する為に求められる基礎能力である「経験(Job Requirement)」の定義も必要である。外資系の日本法人でもこの定義が曖昧な中、純粋な日本の企業にこれらの明確な定義をしいるところは殆どないであろう(注:パートやアルバイトを多用している企業では明確になっている場合も多い)。仕事の内容も定義せず、その結果を評価する手段をつくることが出来ない為、その代わりとして社員個人に目標を設定させ、その目標に対する結果で評価している状態であった。要するに、公平な評価基準を持つことが出来なかったのである。

ではどうすべきだろうか。大きく分けて、二つの課題がある。一つは新しい日本的な給与体系の構築である。それは昔ながらの年功序列と欧米的な成果主義を旨く融合すればよいのではないだろうか。もう一つは非正規社員の待遇改善にある。これは政治的な判断も必要になるが、今回のテーマの最後に記載する。
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中小企業へのアドバイスⅡ:原価管理の落とし穴(個別原価計算のみでは不十分)

2010年08月05日 07時51分36秒 | 日記
原価管理をシッカリ行えていたとしても、継続的に収益を上げることが大変難しいことである。個別の受注や製品に関して利益が出ていたとしても、企業が利益を出せるとは限らないからである。例えば5000の材料を使い、時間単価1000円の設備を10時間活用し、時間単価が2000円の作業者が10時間その設備で作業をした場合、コストは5000+10000+20000=35000である。そしてこの製品の受注金額が50000だとすると、この受注では15000円の利益が出たことになる。そして設備や人員がほぼフル稼働できる程の受注があれば、この企業は利益をだすことが出来る。しかし、この製品の受注が月に数個しかなく、設備や人員の稼働率が低ければ赤字になってしまう。

ここでは個別の原価管理が不要だといっている訳ではない。それは大変重要なことである。しかし、それだけでは不十分で、日々の収益管理も行っていく必要がある。その為に、日々発生しているコストも把握する必要がある。

一般的な企業では、各部や各組織単位で毎月売上目標を立て、その進捗状況を見ている。達成できれば良しとし、達成できなかった場合には、次の月に頑張る方策を考えている。しかし、仮に売上額が達成できたとしても、利益を上げられたかどうかは解っていないケースが多い。勿論、会社単位では、月次の締処理を行う事で、収益の状況は確認できる。
また、損益分岐点を把握することで、損益分岐点以下の売上のときは赤字と判断する方法もあるであろう。しかし、損益分岐点では売上とコストの比率が常に一定の場合の計画立案に有効なので、実績ベースでの収益確認では有効ではない。

そこで必要になるのが、売上の目標や実績の把握のみならず、コストに関しても目標や実績の把握である。そして受注や売上の数値とコストの数値を比較できると、企業の経営状況が良く把握できる。細かく見ている企業では、労務費や調達費などを細分化して推移をチェックしている。そしてそれらの情報と売上(受注)額と比較して、会社の経営状況の確認と問題点の早期発見に努めている。このように、原価計算のみならず、収益の管理をシッカリ行えている企業は継続的な収益を上げられているのではないだろうか。

実施方法の一例として、製造部門を一つの会社組織に見立て、製造部門での収益管理を行ってもよいのではないだろうか。そうすると、会社全体のみならず、製造部門としての経営状況がより鮮明に把握できる。


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中小企業へのアドバイスⅡ(1):原価管理の実施

2010年08月02日 07時39分50秒 | 日記
中小企業のみならず、大企業においても原価管理をシッカリ行えていない企業が多い。
そして原価管理をシッカリ行えている企業は経営基盤もシッカリしている。
これはほぼ共通しているようだ。
すなわち、シッカリとした原価管理を行っていない企業は業績が不安定で、景気に大きく左右している傾向にある。それほど原価管理の実施は重要である。

製造業のみならず、サービス業においても原価管理は重要である。そしてその手法は製造業と殆ど同じにできるのである。
単純に云うと原価は以下に大別できる。
・原材料費(仕入)
・労務費(製造)
・製造関連経費(原価償却費、電気代、その他費用)
・販売管理費(販売経費)
製造業と非製造業との違いは、社内加工に費やした費用があるかどうかだけの違いだけだ。なので、原価管理のやり方は殆ど同じである。

殆どの企業では、ある程度の予定原価は計算しているであろう。レストランであっても、材料費や調理費と人件費などを計算して、売価を設定している。または売価を先に決め、それを実現する為の食材の調達や調理のし方、そして人件費を計算している。しかし問題は実際にどれだけの費用が掛かったかを計算している中小企業は結構少ないのである。(大企業では当たり前に行われているが)
実際の原価を把握していない、すなわち実際にどれだけのコストが掛かったのかを見ていない主な理由は、実際に掛かった時間(製品別の労務時間は設備使用時間、など)を収集していないことが多いからである。また実際に実績時間を収集していても、その収集している時間の精度が低かったり、原価計算自体がかなり面倒な作業なので、企業で定義している計算式に問題があるケースもありえる。

実際原価の計算を行う為に、管理コストを大幅に増やすことになってしまっては、これも問題になってしまう。その場合、全ての製造品の実際原価を計算する必要はなく、サンプルを抽出して原価の計算及び分析を行うべきである。そして、予定原価が適切だったのかを定期的に精査することが大変重要である。
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中小企業へのアドバイス(5):経営者自身の意識改革

2010年07月22日 08時31分59秒 | 日記
前回記載した”社員の意識改革(モチベーションの向上、など)の実現”において、①の仕組みの構築はお金で解決できる。しかし、②③そして④を実現し、社員の意識改革を実現する為の一番キーとなる項目は、実は「経営者自身の意識改革」にある。残念ながら、従業員の自主性・ヤル気を阻害していた原因は経営者にある場合が多い。

その一番の原因は、経営者がその社内で一番優秀で、高いモチベーションを持ち、そしてヤル気を持っている人だからである。そうであると、社員が行っていることに不満を持ち、事細かに指図をしてしまう。それでも社員はある程度自主性を持って問題に対応しようとしている。がしかし、そんな場合でもその社員の判断に不満を持ち、つい”指導”してしまうのである。このようなことが続くと、社員は必ず自主性を失ってしまうものである。

実は私の父親が経営者であり、このことについて痛感しているのである。

その為、前回も説明したように、経営者自身が忍耐力を持ち、社員の自主性を醸造できる社内文化をつくることが重要である。そして経営者としての日頃の振る舞いも変える冪である。例えば社外での活動である。接待と称しての飲食がゴルフや、地域のリーダが集まる会合への参加を少なくすることにある。その分、社内に活動に目を向け、社員との会話を多くする必要がある。

もう一つの原因は、オーナー経営の企業に多くある問題である。それは企業を経営する為に最低限必要な管理ノウハウを持っていないことにある。単純なところでは財務諸表の見方から始まる各種経営情報の見方や、マネージメントをする為の社員との会話や指導の仕方など、大企業の経営者では当たり前に社内で教育を受けている事柄を知らないことにある。経営者は社内で一番優秀な営業マンであるが為に、この管理ノウハウについて、疎い面がある。この面を強化できると、その企業は大変強くなれるであろう。
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中小企業へのアドバイス(4):社員の意識改革(モチベーションの向上、など)の実現

2010年07月20日 10時06分24秒 | 日記
社員の意識を改革することは一筋縄では実現できないことは、十分理解されていると思う。しかしこれを行わないと、企業は強くならない。これを実現する為に、以下の項目を行う必要がある。

①問題点の開示
②自主性の醸造
③経営者の忍耐力
④社員のカウンセリング

上記①については既に説明済で、各業務担当者に必要な情報を可視化・共有化することである。しかし、問題点を開示しても、それに気づき、改善策を講じられる人はごく一部であろう。その為、最初は想定される問題点毎に、解決策や対応方法を予め定めておく必要がある。そして問題に対する対処をルーチンワーク化することで、業務の幅を広げていくことにある。しかし、予め問題を想定すること自体が簡単な準備ではなく、全てを網羅することは至難の業である。そこで必要になってくるのが、社員自ら考え対応できる”②自主性の醸造”が必要になってくる。そしてその為に”自主性”を尊重できる社内の雰囲気・環境作りから始める必要がある。
自主的に考え、対応した結果、時には失敗することもあるであろう。それを人望強く見守れる経営者と管理者の育成も重要である。それが③経営者の忍耐力である。

上記①については既に説明済で、各業務担当者に必要な情報を可視化・共有化することである。しかし、問題点を開示しても、それに気づき、改善策を講じられる人はごく一部であろう。その為、最初は想定される問題点毎に、解決策や対応方法を予め定めておく必要がある。そして問題に対する対処をルーチンワーク化することで、業務の幅を広げていくことにある。しかし、予め問題を想定すること自体が簡単な準備ではなく、全てを網羅することは至難の業である。そこで必要になってくるのが、社員自ら考え対応できる”②自主性の醸造”が必要になってくる。そしてその為に”自主性”を尊重できる社内の雰囲気・環境作りから始める必要がある。
自主的に考え、対応した結果、時には失敗することもあるであろう。それを人望強く見守れる経営者と管理者の育成も重要である。それが③経営者の忍耐力である。

トヨダでは”ポケヨカ”と云う言葉があり、失敗を報告することを求められ、決して失敗をなじることをしない方針を持っている。しかし、もし失敗を隠したりすると、それは叱られるべく振る舞いとみなしている。このように、問題に気づき、自分の判断で対策を講じることを推奨し、結果として失敗した場合にあまり咎めない風土や評価制度が必要である。そして判断した結果、行動に移す前に上長に相談するルールも必要であることは、言うまでもないだろう。

しかし、自主性を重んじる社風を作ろうとしても、なかなか社員はついて付いて来てくれないモノだ。やはり云われたことのみを行う人、ルーチンワークの枠から出たがらない社員は多くいる。そこで社員自身の気持ちも持ち方・在り方を変えていく必要が出てくる。と言ってもこれを実現することは簡単な事ではない。しかし、彼かにチョットしたスイッチを入れる(押す)ことで、社員の意識を変えることも可能である(④カウンセリング)。これについてはちょっと長くなるので、後日別途説明する。
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中小企業へのアドバイス(3):情報の可視化・共有化に向けたステップ

2010年07月16日 08時17分09秒 | 日記
情報の可視化・共有化を進める為に、大まかには下記のステップを踏む必要がある。
①可視化・共有化すべき情報の項目確認
②情報の内容(状況)によって取るべきアクションを策定
③情報の存在場所(システムなど)の確認
④適切な情報がない場合の対策検討と実現
これらの実施方法に、コンサルタントの力量が問われる。

①可視化・共有化すべき情報の項目確認:
会社の経営状況を知るために、どんな情報を確認すべきかを判っていないと、円滑な経営を行う事は不可能である。判っていないと、行き当たりばったりや経営者の思いつきで部下に情報の提供を求め、そしてその指示を受けた部下は何時も右往左往することになってしまう。それで、コンサルタントの立場で云うと、可視化・共有化すべき情報を経営者及び従業員に知ってもらう(理解してもらう)事がマズ最初に行う重要な仕事になる。

そして次に行う事が、②情報の内容(状況)によって取るべきアクションを策定することにある。しかしこれが結構大変なのである。ルーチンワークに慣れしたんだ社員にとって、情報から見える課題に気がつかないことが多い。また仮題に気がついたとしても、中々その改善策を考え付くことができず、当然回線策を施すことは大変なエネルギーを要する作業である。

そこで、ある程度頻繁に発生しうる問題・課題を”仮説”として想定し、その仮説が実際に起こった場合に取るべきアクションを考えるのである。それをルーチンワークとして取り入れることからはじめる。そしてある程度の経験とルーチンワークの幅を広げることで、自分で考える力をつけてもらう。そして非ルーチンワークについても自分で考えてもらうように仕向けていく。これを実現するには、辛抱と努力が管理者及び経営者に求められる。

可視化・共有化したい情報が整理できれば、次は”③情報の存在場所(システム)の確認”を行う。それぞれの情報がどのシステムでどんな形で存在しているのかを、一つ一つ確認する。そしてその情報をタイムリーに引き出せるのかどうか、情報の正確さ(精度)はどうか、なども確認する。

これをすることで、業務のあり方やシステムの問題が浮き彫りになる。必要とするデータがシステムに存在せずにExcelなどのファイルに存在したり、データは存在するが、タイムリー性に問題があったり、またはその精度に問題があったりすることが多々ある。その為、これら問題を解決する為にITシステムの新規構築や改善が必要になる。新しいITシステムの導入に費用などの障害がある場合、その代替案も考える必要がる。情報の精度が低い場合は、その低いなりでの情報の開示と活用方法を考える。データがExcelなどの記録されている場合は、MS-Accessなどの上手に活用して集計処理を行ったりなど、臨機応変な対応が求められる。

そして、この新しいITシステムのデザイン力も、コンサルタントの知識・力量に左右される。

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