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リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

新国立オペラ「アルマゲドンの夢」いろいろ考えた

2020-11-18 22:38:00 | 新国立劇場オペラ
今夜は新国立オペラ「アルマゲドンの夢」[新制作 創作委嘱作品・世界初演]でオペラパレス。

新国立のサイトに大野和ー士さん、藤倉大さん、ハリー・ロスさん、リディア・シュタイアーさんらのメッセージ、インタビュー、対談等がたくさんアップされていたものは全て見て。
この方々の公演にかけた情熱や芸術観、時代感覚、さらにはコロナ禍や国際紛争等現代社会への問題意識などをわかったうえで、1幕1時間40分のこの現代オペラ観たわけですが。

オペラの概念とか、存在価値、この先の存続(し続けるとしたら)理由、オペラの楽しみ、等々ってなんだろう、みたいなことをちょっと考えました。

今日は、蜜蜂と遠雷の藤倉さんが作曲し、大野マエストロが奏でた100分の現代音楽を、先ずは楽しみ。
ステージ上の展開、クーパー、ベラ、ジョンソンの歌と演技は、現代演劇やミュージカルを見るようでもあり。
つまりは、典型的な?オペラの楽しみ方とはちょっと違う楽しみ方だったかな、とか。

そんなことを考えてたとき、ふと岡田暁生氏の「音楽の危機」の中の文章を思い出した。

大指揮者フリッツ・ブッシュは志願して投入された西部戦線で地獄絵図をみて、1918年に除隊。
シュツットガルトのオペラ劇場に行って椿姫を観たとき、嘔吐した。この作品が実にくだらないもこに聞こえた、というくだり。
戦争があっても聴けるもの、もはや聴けないもの、とがはっきり分かれてしまった云々。

ぼくらは311を経験したわけだけど、あの直後に椿姫やボエームを観たら楽しめたのかしら、いやそもそも観たのかな。

これから、もしパンデミックがまた猛威を奮い、もっとたくさん人が死んだら、定番オペラを代わり映えしない演出で聴くなんて、あるんかいな。

でも今日のこのアルマゲドンのようなオペラなら、聴けるだろうね。

さて、結論は?
ぼくは今日楽しんだし、今後もこういう現代オペラは必ず観ます。
とりわけ藤倉さんの作品ならぜったい。





















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