2022年の邦画。人間ドラマ・ラブストーリー。
茉莉(まつり)は20歳の時に難病を患い、余命10年を覚悟する。
2年間の入院で大学も中退し、就職もしていない。
中学の同窓会に参加し、当時の同級生と再会するが、
病気のことを知らない同級生の前で嘘をつく。
和人は上京して就職していたが、引きこもりになっていた。
和人が自殺未遂をし、茉莉はタケルに呼ばれ病院へ。
生きる気力を失った和人の話す言葉に
茉莉は自分の病気のことを隠し、「ズルい」と言い残して
その場を去る。
別の日に和人は茉莉が母親と病院にいるのを見かける。
茉莉の発した「ズルい」という言葉は、茉莉の母親が病気だからだと
気付いた和人は、茉莉と和解する。
茉莉は早苗のつてでコラムのライターをし、和人も居酒屋で働き始める。
茉莉、和人、沙苗、タケルはグループ交際を始める。
しかし、数年経っても茉莉と和人は一線を越えることはなく、
茉莉の煮え切らない態度に業を煮やす和人は結論を迫るが、
茉莉が倒れて初めて茉莉が病気だということを知るのだった・・・。
主人公の余命が短かったり、登場人物が亡くなる作品はできるだけ避けてきたのですが、
余命10年を主人公がどのように生き、
恋人を作らないと決めていたのにどのように恋に落ちていくのか、
興味を抱いたので録画して観ました。
桜が印象的に出てくるので、タイミング的に今見てよかったと思いました。
重いテーマだし、映画の内容も暗めではあります。
茉莉自身も家族も努めて明るく振る舞いますが、
茉莉が冷たい態度をとる時は自らを守るためのような気がします。
自殺未遂をするほど追い詰められていた和人が「生きよう」と思えたのは
茉莉のおかげ。
和人の想いも茉莉の想いも形は違っても強くて、泣けました(;_;)
あと、茉莉が母親の肩にもたれて泣くシーンがあるのですが、
この時も泣きました(;_;)
クライマックスはもう涙が流れて流れて・・・。
四季が色鮮やかに表現されていたりと、映像が美しかった。
茉莉がビデオカメラで撮影している映像も出てきます。
気になった点は、患者が亡くなる前にビデオカメラをもらっていたけど、
遺族は使わなくてよかったのかしら?
それと、肝心なセリフが小さくて聞き取れないのが残念。
小松奈菜さんも坂口健太郎さんも素晴らしい役者さんですね。
茉莉を演じる小松奈菜さんは艶っぽい表情が印象的だった。
和人を演じる坂口健太郎さんは、
和人が病んでいた序盤は頬がこけるほど痩せていましたが、
回復して以降は中肉中背になっていました。
前髪が長いのと短いのとじゃ、人の印象って変わりますね。
あと、いい声してますね。
黒木華さんは茉莉の姉を演じています。
個人的に好きな役者さんで、特に声が好きかも。
原日出子さんは優しく朗らかな母親役を演じています。
松重豊さんは寡黙ですが優しい父親役を演じています。
居酒屋の店主役のリリー・フランキーさんもいい味出していました。
他、タケル役は山田裕貴さん。
沙苗役は奈緒さん。
平田先生役は田中哲司さん。